りゅうちゃんミストラル

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2010.02.08
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カテゴリ: 読書




「チーム・バチスタの栄光」で術中死解明に挑んだ田口。
田口の同期で救命医の速水晃一。
彼がいかにして東城デパート火災の現場で奮闘したか。
それをこの本は描いている。

時代背景としては「ブラックペアン1988」の後。
だが後に病院長から学長になる高階権太は登場しない。
水落冴子や花房美和は登場するが、田口は活躍の場がない。
何しろ血を見て外科の世界を諦めた男なのだから(笑)。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読んだ人なら結果を知っている。
やはり、というか修羅場で活躍したのが「眠り猫」こと猫田。
速水に対してこんなセリフを残している。

「あんたは飛べないイカロス。だけど人間なんてみんなそう」

「諦めなければいつかは神になれる瞬間が訪れるものよ」

「長い年月の果て、あなたはきっと誰よりも神の座の近くまで昇り詰めるわ」

(太字部分、本文から引用)

今まで怖いものなしだった速水。
怖さを知ったことで医師として成長した。

海堂の桜宮ワールドは今後も続くだろう。
気になったのは以下の点。

「医局長となった世良のその後」

世良には今後、活躍の場が与えられるのだろうか?
(追記 その後世良は「 極北クレイマー 」で登場)

「事実が小説に追いつく」

「極北クレイマー」では財政危機の自治体、夕張がモデル。
「ジーン・ワルツ」とともに 福島県立大野病院産科医逮捕事件 が土台となっている。

海堂の中では「医学のたまご」→「ジーン・ワルツ」の順。
読むのなら、この順にしてほしいとのこと。

海堂といえば欠かせないのがAi。
相撲部屋での暴行死事件など、その活躍する場所は大きい。

知らなかったのが海堂のブログで訴訟が起きていたこと。
詳しくは以下の記事に出ている。

海堂尊、「死亡時画像診断」の文章が名誉毀損と提訴される

※この訴訟については一審で海堂氏側の敗訴。
110万円の賠償を命じられた。現在控訴審が続いている。

この本は後半部分が桜宮ワールドの設定解説となっている。
登場人物一覧や簡単な医学用語辞典も付いている。
コアな海堂ファンには興味深い本かも。

登場人物と言えば、海堂は小説の足りない部分を人物でカバーする。
例えば「ジーン・ワルツ」の清川。
彼の登場により、物語の幅が広がった。

「チーム・バチスタの栄光」でもそれは同じ。
高階から調査を命じられた田口は素人らしくすぐに行き詰る。
そこで必要になるのが白鳥の登場。
なるほど、海堂がいかにして小説を書いているか。
それが思い浮かぶ。


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最終更新日  2010.10.28 18:42:48


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