りゅうちゃんミストラル

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2011.01.29
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カテゴリ: 読書


【送料無料】勇気ってなんだろう

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江川紹子氏といえば、オウム事件で有名になったジャーナリスト。
この本は勇気を持った人たちの生き方を紹介している。

ジュニア向けなのだが、年齢に関係なく感動できる。
読んでいて私はそう確信した。

登場するのは以下の各氏。

野口健(アルピニスト)
山本譲司(元衆議院議員)
蓮池透(拉致被害者家族会)
仙波敏郎(現役警察官として愛媛県警の裏金を告発した)
高遠菜穂子(イラクで拉致された人質事件の被害者)
イスラエルの徴兵拒否者たち

人と違う意見を表明したり、行動するのはとても勇気が必要なこと。
その意味と各氏の判断についてわかりやすく解説も加えている。

野口健 氏は七大陸最高峰の最年少登頂記録で有名になった。

実は以前、私は野口氏の近くに住んでいた。
会って少し話をしたこともある。

亜細亜大学へ一芸入試で入学した彼。
その後清掃登山活動をしている。
中国によるチベットへの人権侵害についての活動は知らなかった。

山本譲司 氏は現首相である菅直人の秘書募集の新聞記事に応募。
政治との関わりを持った。
その後、都議会議員から衆議院議員になった彼は順風満帆のはずだった。
ところが秘書給与流用事件で有罪判決を受け、党からも除名される。
その後、刑務所内での経験を生かして福祉活動をしている。

山本氏の人生は、まさに波乱万丈。
絶頂の国会議員から塀の中へ。相当の苦悩があったはずだ。

蓮池透 氏は弟の薫さんが北朝鮮に拉致された。
その後、家族会のメンバーとして発言し続けている。

拉致については以下のページに書いた。

拉致事件とは何なのか?

本書で紹介されている「北朝鮮と一緒」という記者の指摘。
何が正しいのかということについて考えさせられた。

仙波敏郎 氏は愛媛県警の警察官として裏金を告発した。

本書で紹介されている息子さんが起こした殺人事件については知らなかった。
その後、混乱が続いた阿久根市の副市長に任命される。

しかし1月に行われた市長選挙で仙波氏を任命した現職が落選。
新しい市長により解任された。この件は以下の記事で書いた。

阿久根市長選挙、西平氏が当選

日本では内部告発者に対して厳しい目が向けられる。
「裏切り者」として生きていくのは苦しかっただろう。

高遠菜穂子氏はイラク人質事件で知られる。
日本国内では人質3人に対して「自己責任」と批判が集まった。

イラク人質事件についてはここに書いた。

イラク人質事件

128ページに気になる記述があった。
これだ。

「死は、生きることの対極にあるものではなくて、いかに生きるかということの延長なんだな」
(太字部分、本書から引用)

似た文章をどこかで読んだと思ったのだがこれだった。

「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」
(村上春樹「ノルウェイの森」から引用)

最後に紹介されているのがイスラエルの徴兵拒否者。
イスラエルと中東情勢については以下のページに書いた。

中東の紛争はいつまで続く

ノーベル賞候補になった作家の村上春樹氏。
彼もエルサレム賞の受賞式でイスラエルを批判した。

村上春樹、ガザ攻撃を批判

この本を書くにあたり、江川氏はかなりの取材をしたに違いない。
だが「書かなかったこと」と「書けなかったこと」もあったろう。
その点を読みながら想像した。

最初にも書いたが、人と違う生き方は風当たりが大きい。
重要なのは、「人と違う」ことを認めるということ。
このことを勘違いしている人は多い。

たとえばホロコースト。
今でも「ホロコーストはなかった」という意見がある。
これも「人とは違う意見」だが、これを認めるわけにはいかない。

「見解の相違」で済むことと済まないことがある。
それを混同してしまっている人が結構多く存在している。
自分がそうならないように気をつけたい。

巻末に紹介されている ジャネット・ランキン 氏と バーバラ・リー 氏。
こちらのページでも紹介されている。

ジャネット・ランキンを知っていますか?

単なる変わり者と勇気ある意見表明。
その違いをはっきりさせることはとても重要。

最後にドイツの作家ケストナーの言葉を紹介する。

「賢さを伴わない勇気は乱暴であり、勇気を伴わない賢さなどはくそにもなりません!

(「 飛ぶ教室 」から引用)

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「自虐的歴史観のせいで台無しになってしまった残念な一冊」とのこと。
本書についての批判的意見があるということで紹介しておく。

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最終更新日  2011.01.29 21:02:47


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