りゅうちゃんミストラル

りゅうちゃんミストラル

2011.02.20
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カテゴリ: 読書




確かに厚いけど、文章は簡単で読みやすい。
06年の本屋大賞。

舞台は福岡県の小倉(後半は東京)。
私のイメージとしては、漫画「クッキングパパ」。

言葉が同じだし、強い母親と息子の関係が似ている。
もちろん本作品のオトンは「サンダーバード5号」で存在。

笑ったのは選挙ポスター用の掲示板で草野球のバットを作ってしまう話。
小学生が公職選挙法違反というのかおかしかった。

私自身の経験で言えば、「選挙ポスターはいたずらするな」との厳命。
親を含めた大人たちからきつく言われていた。

もうひとつは東京での荒んだ共同生活。
ハムを食べて食中毒になったエピソード。

水道も止められ、脱糞した上に脱糞した話。
「人間でなくなってしまう」という表現には大笑いした。

後半部分は特に、 「その日のまえに」 を思い出した。
重松も泣かせてくれたけど、この作品もかなり泣ける。

人は誰も死ぬ。
自分の家族が死ぬのは避けることができない運命。

この作品を読んだ後で、もし自分の家族がガンと告知されたら。
手術できない場合に抗がん剤治療を選択するだろうか?

一部には、こんな意見がある。
「抗がん剤は患者の体力を消耗し、役に立たない」

現役の医師がこうした意見を述べる。
一般人としては抗がん剤に疑いの目を向けるだろう。

「5月にある人が言った」というよく出てくるフレーズ。
作者のリリー・フランキーはこう述べている。

最初は意図していなかったんですが、結果的に、長い時間に渡る話を書くために有効でしたね。たとえば3年間の飛ばし方に無理がないっていうか。「5月に」というのは、実際に、おふくろが死んでから書き始めるまでにいろんな人がぼくに言った言葉なんですよ。
(上記太字部分、 楽天のインタビュー から引用)

この作品、いつか私が読む運命だった。
それが今だったということ。

過去に高い評価を受けた作品を、後に読む。
それは悪いことじゃない。
自分なりに解釈できるという利点がある。

追記  リリー・フランキーといえば「 おでんくん 」。

このおでんくん、オカンの影響を大きく受けているに違いない。
今後おでんくんを見る際にオカンをイメージしてしまう。

作品の終盤、東京タワーの取り壊しの話がチラッと出てくる。
気になったので検索してみると、以下のページが見つかった。

スカイツリーができたら東京タワーは消滅?

スカイツリーの出現で、電波塔としての収入が激減する東京タワー。
すぐに取り壊されるということはないが、将来的には不透明だ。

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関連記事

リリー・フランキー著「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」(新潮文庫)

医師や看護師へのいらだちは、私も感じた。
もし自分だったら、同じ気持ちになっただろう。 

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最終更新日  2011.02.22 18:44:37


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