不感症




不感症



流産をしてから私はエッチしても全く感じる事ができなかった。

彼が私を求めてきても、私は気持ちいいと思わなかった。

ただ、痛いだけ。

早く終わって欲しいと思っていた。


でも、それを彼に言う事はできなかった。

感じている「フリ」をずっとしていた。

彼が気付いていたのか分からない。

でも、きっと気付いてない。

私はただ、彼に抱きしめて欲しかっただけ。

エッチはしたくなかった。

彼にそれを告げたら、きっとショックを受ける。

まだ若いしエッチなしって言うのも可哀想だと思ったから・・・

私が我慢しようと思った。



不感症・・・多分精神的なものからだと思う。

赤ちゃんの事が全然吹っ切れない。

思い出すだけでもすぐに涙が出てくる位だから。。。

夢にも出てくる赤ちゃん。

きっと私に何か伝えたかったのかな?


流産後、私は生理は来ても排卵が来なかった。(無性排卵)

排卵が来ないと赤ちゃんはできない。

不感症と無性排卵が半年以上続いた。


その年の12月、弟の赤ちゃん(優衣)が産まれた。

私は、産まれたばかりの優衣を抱く事ができなかった。

産まれた時、うれしかったけど、その反面複雑な気持ちもあった。

加奈ちゃん(弟のお嫁さん)が妊娠している時も

おなかがどんどん大きくなるのを見ていて、

私はいつもうらやましかった。

自分の赤ちゃんの事を思うと涙が出そうだった。

年が明けて、優衣がどんどん成長していくにつれて、

少しずつ抱っこできるようになっていた。

私は自分の赤ちゃんと重ねてみていた。

私の腕の中でスヤスヤと眠る優衣・・・

すごくかわいい。

私は赤ちゃんを産んであげる事ができなかったけど、

私がいつまでも引きずっていると赤ちゃんもきっと成仏できない。

元気になろうと思った。

一生忘れる事は無い。

きっとずっと毎日想っている。

でも、私は赤ちゃんの為にも、これからのためにも

元気になろうと思った。

「いつも笑顔で元気よく」いたらきっと元気になれると思うから。。。




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