人を羨む心・無いものねだりな私 | さえりんの部屋

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2020年10月25日

 私は人を羨む心を持っていた。

かつて私はさえりんが軽度の障害を持っているとわかった時、
普通の子を持つ親が羨ましかった。
かつて私は次女が未熟児で生まれてもしかしたら障害が出る可能性があると
言われた時も、普通に元気に生まれてすくすく成長する子供が羨ましかった。

私はこの心を決して人には言わず心の奥にそっと秘めていた。
みっともない醜い自分を人にされしたくなかったから・・・

先日、外で障害児の子供さんとお母さんの姿を見かけた。
きっと毎日生きていくことさえ大変だと思うのに、その親子の笑顔が温かくて
眩しくて輝いて見えた。私の心の奥に潜んでいる人を羨む心が姿を現した。

その親子さえも、羨ましく思う自分がいるのです。その親子は人には言わない
ご苦労と涙をたくさん乗り越えてここまで来られたのでしょうに・・・

それでもさえりんだって、たとえ交通事故に遭っても、怪我が酷くて介護が
必要となったってかまわないから、ずーっと一生付き添いになったって
文句を言わないからも、ただただ生きていて欲しかった・・・
生きているさえりんのお世話がしたかった・・・
笑ったり泣いたり、美味しいものを食べたり、お散歩に出かけたり
どんな状態でもいいから、一緒に時を重ねていきたかった・・・

たとえ体が不自由になっても、さえりんが元気で生きていてくれるだけで、
ただそれだけで良かったのに・・・と後悔の念に苛まれるのです。
どうしてさえりんが亡くならなくっちゃいけなかったの？？
どうしてさえりんじゃなきゃいけなかったの？？
みんなみんなアクシデントを乗り越えて、たとえハンデを抱えても一生懸命
生きているのに、 神様はどうしてさえりんを生かしてくれなかったの？？
どうしてさえりんだけ私から取り上げて、あの世に連れて行ったの？？

でも今はわかっている、これは私の悪い癖。
自分にないものを人に求めて、無いものねだりの癖なんだと。

今までだって私は充分幸せだったのに、人を見ては自分にないところを
探して羨ましく思う。あの人はいいなあ、この人もいいなあと、つい
無いものねだりをねだりを心の中で繰り返していたのです。

ではそのために私は何を努力したのでしょうか？？
何を頑張ったのでしょうか？？
何もせずにただただ人の上っ面だけ見て、その人の苦労なんて知らずに、勝手に
羨ましがっていたさもしい自分ではなかったのだろうかと自問自答するのです。

そして、今ならはっきりわかるのです！！
こんな自分の心を直さない限り、一生今の暮らしや環境に満足することは
出来ないのだと。今の自分では一生幸せなんて訪れないのだと・・・

こんな私だからさえりんを喪ってしまったのか・・・
それとも、さえりんを喪ったからこんな私の心の闇が酷くなったのか・・・
自分でもよくわかりません。
たださえりんがいない私の人生なんてもう決して幸せなんて来なくていい。
一生さえりんへの想いを背負ったまま、心の闇と共にどん底の人生を生きて
いくのも悪くないのかもと、そんな気持ちにもなるのです。

昨日は久しぶりに次女と一緒に名鉄電車に乗って、名古屋駅まで買い物に
行きました。目的はもうすぐ誕生日の次女の誕プレに洋服を買うためです。
今年のお正月の初売りに次女のお供で行って以来です。その後はコロナの
流行もあり、次女は洋服やバックや靴や化粧品などを通販で買っていたのです。
そんな次女が私に言いました。
「久しぶりに名古屋駅のデパートに一緒に買い物行こうよ！！誕プレに洋服
買ってよ！！買い物は友達と行くよりママと一緒の方が買いやすいから(^^♪」
とっても甘え上手でおねだり上手な可愛い次女にほだされて、私は渋々またも
スポンサーになるのです(^-^;

昨日の次女は欲しい洋服があまり見つからず、少し控えめで上着とインナーと
あったかいストールの3着で済みました(´▽｀) ホッ
その後次女がお腹が空いたというので高島屋12階のレストラン街へ行きました。
ポスターには「名駅レストラン街お肉フェア」とたくさん張られていたので
次女に何が食べたいか聞きました。すると次女はスパゲティかなというので、
以前にも行った「釜揚げスパ専門店すぱじろう」へ。時間はお昼12時7、8人
並んでいましたが、待っているとわりと時間がかからずにカウンター席へ案内
されました。私はエビとアサリのアラビアータを次女はベーコンカルボナーラを
ここはラージサイズまでが同じお値段なので、欲張って2人ともラージサイズを
注文しました。取り皿を2つもらってそれぞれのパスタを2人でシェアして食べ
ました(≧▽≦)最後に次女は少しだけ残したのでそれも私が食べて完食！！
2人ともお腹いっぱいで大満足(⌒▽⌒)アハハ!
次女はデザートにバニラアイスも食べました。

すぐ下の11階にはユニクロとGUが入っていました。
私は自分の服をGUで見ていると、次女がこれいいなあっと薄手のセーター2着と
薄いコート代わりにもなる上着を1着選んで持ってきました。結局私のセーター
3着も合わせて6着買うことに、でもお会計は1万円でしたε-(´∀｀*)ﾎｯ
結局次女にはたくさん誕プレを買う羽目になったのですが、女同士の買い物は
やっぱり楽しくてとっても充実した時間でした(*'▽')☆彡
帰りの電車に乗りながら、こうやって未だ母親を必要として甘えてくれる
次女がとっても可愛く愛おしくかけがえのない存在に思えました。
こんな私にとって、次女の存在は最後の希望にも思えるのです。
家に帰り休憩してから、晩ごはんは次女がトンテキを作ってくれました！！
私は野菜の素揚げと味噌汁を作りました。親子3人で美味しくいただきながら
こんな生活だって充分に幸せなのに・・・と思いました・・・(;'∀')

私はふと、祖母の言葉を思い出しました。
「人間上を見たらキリがない、下を見てもキリがない。人生中庸がいいんだよ。
人を羨んでも仕方がない。今ここにある小さな幸せに満足できる人になりなさい」
確かそんなことを教わったなあっと思いました。

今の私の人生は両極端です。
突然命を奪われた悲劇の長女の母親と、夢と希望と幸せいっぱいの次女の母親。
時としてこんな人生があっていいのだろうか憂いて悲しみ苦しみ悩んだり、
ささやかな幸せに微笑ましくホッと癒されたり、地獄と天国くらいの違いです。
それでもそれでも、2人とも私の大切な娘に違いはありません！！
私はこの2人の娘がいるからこそ、母親にしてもらえて、今までも、今も
これから先も、たくさんたくさんの幸せをもらっているのです！！
それだけは間違いありません！！
たとえ亡くなってからも、さえりんからの愛情もたくさんもらっているんです。

そう思ったら私の悪い癖、人を羨む心や無いものねだりは、もう卒業しなければ
と思えるのです。今の現実は必ずしも平凡で幸せなものばかりではありませんが、
それでも「これでいいのだと思えるような自分」へと変わっていけたらと
思うのです。

きっとさえりんだって、私がありのままの現実を受け入れて
前に進んで生きていくことを願ってくれていると思うから。
私なんてまだまだですがこうやって、少しずつ、少しずつ、
先輩方が言われる おまけの人生 が始まっていくのかなあと思うのです。

(さえりん6歳　小学校入学式）