小人

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結婚・2



 ポールとシルビア・シュルマン夫妻は金婚式のお祝いに、むかし新婚旅行でしたことをソックリもう一度やってみようと決める。

 二人は同じホテルに行き同じ部屋を取る。シルビアはあの日と同じ香水とナイトガウンをまとい、ポールはハネムーンナイトの時のようにトイレに行き、彼が笑うのをシルビアが聞く。これも50年前と全く同じ。

 戻って来たポールにシルビアが言う、「ハニー、本当にステキね。何もかもあの時のまんま、まるで昨日のことのように覚えてるわ。50年前、あなたはトイレに行って同じように笑ったわね。あの時は聞く勇気がなかったけど、今度は教えてちょうだい、なんで笑ったの?」

「ああ、ダーリン、あれはね」とポール、「50年前のあの晩、トイレに行ったら小便が天井にかかってしまってね。それが今夜は、足にかかったというワケさ!」


76-1 (チャンス!)
 グロリアとバーバラが夜の街へ出かける。二三杯ひっかけ、いざディスコへ。テーブルに座っていると、間もなくハンサムな男が寄って来る。男はグロリアをダンスフロアに誘い、すぐに二人はシェイクにジャイブ。

「あなた、とっても顔色悪いわね」と、一緒に体をゆすりながら大声で言うグロリア。「まるで日光に当たってなかったみたいよ」

「ああ、そのとおりさ」大音響に負けじと男が怒鳴る。「ムショから出てきたばかりだからな」

「刑務所?」と、声を上げるグロリア。「何したの」

「女房を撃ち殺して、頭チョン切って、体を川に投げ込んでやったのさ!」

ディスコのフラッシュが点滅し、音楽が鳴り響くなか、グロリアは背中を反らせ、テーブルに座っている友人を見やる。

「バーバラ」と叫ぶ彼女、「カレ、独身よ!」


76-2 (心機一転)

 モウシェ・フィンケルスタインの妻ルーシーは、彼のベッドでの働きにいつも不満たらたら。そこでモウシェはかかりつけの医者を訪ねる。ドクター・ボーンズは何やら新しい奇跡の薬を処方し、それを飲めばきっと上手くいくと言う。

一ヶ月後、モウシェがドクター・ボーンズに会いに戻って来る。

「あの薬は素晴らしいです!」とモウシェ、「あれ以来、一晩三回ヤッテます!」

「それはそれは」とクスクス笑うボーンズ。「それで、今奥さんは何と?」

「サア、知りませんね~」とモウシェ、「まだ家には一度も帰ってません」


77-1 (あっかんべー!)
ある朝メンデル・クラビッツがドクター・ボーンズの診察室にやって来る。

「先生」とメンデル、「どうも風邪ひいたみたいで」
「分かりました」とボーンズ、「ハイ、舌出して。次に窓から顔出して」
「エッ?」とメンデル、「それでよくなるんですか?」
「多分ダメでしょうな」とボーンズ、「とにかく私は! 向かいに住んどる女房に我慢ならんのです!」


77-2 (ミス操作)
 真夜中、ノラ・ボーン夫人に電話がかかる。声の主はその日の午後結婚したばかりで、“もっこりソーセージ・ハネムーンホテル”に宿泊中の息子ビリー。

 「母さん」と電話口でしゃくりあげるビリー、「ベッドルームで大変なことになってるんだ!」「一体どうしたの、ビリー」と、心配げにノラ・ボーン。
「それが、母さん」と、絞り出すようにビリー、「ネリーが裸でベッドに寝てて、息が荒いんだ。それで、アーもう母さん、ボクどうしていいか分かんないよ!」「何も難しいことないのよ、ビリー」と、努めて母親らしくノラ・ボーン、「ただパンツを脱いで、アナタの一番硬いところをネリーの、アナタの奥さんよ、彼女の、ほら、シーシーする所に差し込めばいいのよ!」「ああ分かった!」と叫ぶビリー。「どうも有り難う、母さん!」と、彼は電話を切る。

 ノラ・ボーン夫人、深く溜息をつき、頭を振りつつベッドに戻る。しかし15分後、またも電話が鳴る。今度は義理の娘となったネリー・ボーン、「おたくの息子さんのビリーですけどね!」と叫ぶネリー、「頭がトイレにハマって抜けないんです!」


77-3 (ヤア、来てたの)
 パディーがいつもより一時間早く帰宅してみると、妻がスッ裸でベッドに・・・。訳を尋ねる彼に彼女がこう答える、「アタシ、まともな服が一つも無いから抗議してるの」パディーがクローゼットを開ける。「バカ言っちゃいけないよ」と彼、「ここ見てごらんよ。黄色いドレス、赤いドレスにプリントドレス・・・やあ、ビル!・・・グリーンのドレスにパンツスーツ・・・」

 これは思いやりだ! 妻への、ビルへの思いやりだ。嫉妬は無い、戦いも無い、ただ「やあ、ビル! 元気?」そして彼は続ける。彼は「ウチのクローゼットで何してる?」なんて聞きもしない。思いやりには大変な情けがある。それは人間に可能な、最もステキな情けだ。


78-1 (マシンガン)
 ある晩のこと、ハイミー・ゴールドバーグが勤めから戻ると、ベッキーが言う、「頼んでおいた写真、お店に取りに行ってくれた? たぶん行ってないわね! アータってアタシの言うことなんか聞きゃしないんだから! すぐ何でも忘れちゃうし! アラ! 取ってきてくれたの。ナントまあ、奇跡だわ。見せて!」

「これヒドイわね。これなんかもっとヒドイじゃない。ア~ラまあ! これ最悪。これ救いようがないわね。ホント、こんなヒドイ写真見たの生まれて初めてだわ。アータって何やってもダメね! 車の運転は全然なってないし、ヒューズ交換さえできゃしない。歌えば音痴だし、写真取らせりゃ最悪! チョット、この写真見てみなさいよ! アタシが写ってるの、ぜ~んぶ口開けてるじゃないの!」


79-1 (父親)
マーフィー神父が信頼の何たるかを会衆に説いている。

「最前列に・・・」と神父、「パディーとモウリーン、そして彼らの五人の子供達がいます。モウリーンは子供達が自分の子だと分かっています---これは知識です。パディーは自分の子だと信じています---これが信頼です!」


78-4 (大脱出)
 フェイギンとローザ・フィンケルスタインは、結婚後しばらくしてお決まりの家庭の日課を確立する。それには毎晩9時15分のセックスも含まれている。

(そこでマスターは時計を見て宣言する)まだ時間はある!

 これが数週間続いた後、ローザが風邪をひき、体内の三種の細菌以外、全ての細菌を殺してしまうという注射を打つ。生き残った三つの細菌はいかに脱出するかを相談すべく緊急ミーティングを開く。

「私、彼女の耳タブに引っ越すわ」と最初の細菌。「風邪の注射もあそこまでは来ないでしょう」

 二番目の細菌が言う、「ボクはつま先に行くぞ!」

「お前ら、どこへでも勝手に行くがいいさ」と三番目の細菌、「でも今夜、あの9時15分野郎が出て行くとき、俺はアイツに乗り移る!」


78-3 (淡き夢)
 ある日、パディーとショーンがパブに座り込んで妻達のことを話している。パディーが遠くを見つめ、溜息混じりに言う。
 「夜、少しばかりの愛情と、優しさと、思いやりのある女が待つ家に帰るという事が・・・どういう事か分かるかい」
 「いや」とショーン、「残念ながら分からないな」
 「教えてやろう」と、ビールをすすりながらパディー、「家を間違えたってことさ」


(青春の影と影)

ハーシェル・ゴールドバーグが父親ハイミーの元に行って言う、
「父さん、僕スージーと結婚したいんだ」
「あの娘はだめだ」とハイミー。「父さんは若い頃ずんぶんハメを外してな。ブッチャケた話、あの娘はお前の腹違いの姉妹なんだよ」
しばらく後、ハーシェルがハイミーの元にやって来て言う、「父さん、僕ミルドレッドと恋に落ちたんだ。彼女と結婚したいんだけど」
「ダメだ」とハイミー、「あの娘はお前の腹違いの姉妹なんだよ」
「じゃメイベルは?」と数週間後に尋ねるハーシェル。
「残念ながら」とハイミー、「あの娘もお前の腹違いの姉妹なんだよ」
どうしても結婚したいハーシェルは、母親の所に行って不満を述べる。
「父さんが言うんだ、スージーともミルドレッドともメイベルとも結婚出来ないって。みんな僕の腹違いの姉妹だからって。どうすりゃいいんだよ!」
「心配いらないの」とベッキー、「三人の誰と結婚してもいいの。アナタのお父さんは彼じゃないの!」


80-4 (早期教育)
 お婆さんが孫のアーニー坊やを見ている。彼は間違ったスプーンでスープを飲み、ナイフは反対側を握り、手掴みでメイン料理を食べ、カップ受けにお茶を注いでフウフウしている・・・、

 「アーネスト、お母さんとお父さんがディナーを食べるの見てて、何も教わらなかったのかい」と彼女。
 「教わったよ」と、口を開けてクチャクチャ食べながらアーニー、「ぜったい結婚なんかしちゃダメだってコト!」


81-2 (プロの意見)
男が二人バーに座り、結婚生活に同情を寄せ合っている。

「ある男を知ってるんだ」と一人が言う、「彼は結婚30年になるんだが、毎晩家で過ごしてるんだぜ」

「俺に言わせりゃ、それこそ愛ってもんだな」と、もう一人。

「エッ、ホント?」と最初の男、「医者の話じゃ“脳卒中”だってよ」


81-1 (ありり?)
  ハイミーとベッキー・ゴールドバーグ、初めての飛行機で今まさに飛び立たんとするところ。ハイミー、心地良いリクライニングシートを楽しんだり、通路を行き来する美人スチュワーデスを眺めたり・・・。
 それから彼は窓の外を見て興奮して言う、「ベッキー、下にいる人たち見てごらんよ。まるでアリのようだね!」
 ベッキー身を乗り出し、チラと見て言う、「アリじゃないの、バカね! まだ飛んでないのよ!」 


81-3 (男性専科---暮らしの知恵)

父親が結婚を控えた息子と男同士の話をしていた・・・、

「息子よ」と彼、「おまえが結婚する前に、二つだけアドバイスしておこう。
その一、最初キッパリ女房に言ってやれ。絶対週に一晩は男友達と出かけるってな」

「それで?」と息子、「その二は何だい」

ニッコリして父親曰く、「折角の夜だ、野郎どもと無駄に過ごすんじゃない」


81-4 (必勝)
 シルバーマンが事故で亡くなり、メンデル・クラビッツが夫人に悲報を知らせに行く。「くれぐれも気を遣ってくれよ」と言い添える友人、「とても繊細な女性なんだから」

 メンデルがドアをノックし、シルバーマン夫人が出てくる。

 「あんた、シルバーマンの未亡人かい」と彼。
 「とんでもございません、違います!」と彼女。
 「じゃ、賭けるかい」とメンデル。


82-2 (備あれば)

ある男が久しく会わなかった老夫婦を訪問する。玄関で夫人が出迎え、男が聞く、

「こんにちはメイベル。ジャックは元気?」

「アラ、聞いてなかったの?」とメイベル、「彼、こないだ亡くなったのよ」

「それはまた・・・大変だったね、メイベル」と男。「それで、何で亡くなったの」

「それが」とメイベル、「晩ごはんの野菜を庭に取りに行ってて、そこで倒れて亡くなったの」

「ナント、まあ!」と男、「ヒドイ話じゃないか。それで君、一体どうしたの」

「どうすりゃいいっていうの」とメイベル、「仕方ないから、ビーフの缶詰開けたわ」


82-3 (視界ヨシ!)

主婦が気を揉んで医者のオフィスに座っている。

 「先生」と彼女、「実は主人のことで伺いましたの。私たち、結婚して25年以上にもなるんですが、主人はずっといい夫でした。幸せで、満ち足りていて、とても私に尽くしてくれました。でも、頭痛のことで先生をお訪ねしてからというもの、人が変わったようになってしまって・・・」

「今じゃ夜になっても帰って来ません。もう私をどこかへ連れていってもくれません。なんにも買ってくれませんし、お金も渡してくれません。ナントそれどころか、私を見さえしないんですから。先生の治療で主人の人柄がすっかり変わってしまったようなんですの」

「治療ですと」と医者。「私は処方箋をお渡しただけですよ---メガネの」


83-2 (若葉の頃)
司祭が二人、現代世界のモラルの低下を語り合っている。
「私は結婚前に妻と寝たりはしなかったものだが・・・」と、シタリ顔で最初の聖職者。「あなたはいかがでしたか」
「ハテ、どうでしたかな」と、もう一人、「奥様の旧姓は?」


82-4 (初志変転)
向っ気の強いガールフレンドに手を焼いて、ウオルターが父親に助言を求める。
「それはだな」と父、「ワシは母さんが暴れ出すと、いつもパンツを下げて、お尻ペンペンしてやったもんだ」
「それはやってみたんだ」とウオルター、「でもお尻が出る頃には、ボクがそれどころじゃなくなるんだな・・・」


84-1 (ピョンピョン)
 夫を亡くしたばかりのお金持ちの老婦人が結婚を決意する。しかし彼女、今回は楽しみたいと思い、世界中の新聞に広告を出し、若く逞しい二十歳の童貞君を募集する。
 何千通もの応募が写真付きで送られてくるが、中でも特に、オーストラリア奥地に住む体格のいい浅黒く日焼けした青年に心惹かれる。彼女は飛行機で彼をニューヨークに呼び寄せ、次の週には結婚と相成る。
 結婚式の夜、年老いた花嫁がバスルームで支度していると、ベッドルームから奇妙な物音が聞こえて来る。ドアを開けてみると、あのオーストラリア人の大男が家具をぜんぶ部屋の隅に移動させている。
「いったい何してるの」と声を上げる彼女。
若者が応える、「あー、スペースは出来るだけあったほうがいいんだ。もしカンガルーとのセックスみたいになるんならね!」



84-2 (オーラルセックス)
結婚式の夜、不安気な花嫁テッサが夫に向かい、「チャーリー、優しくするって約束してね。私これが初めてなの分かってね」
「何だって?!」と驚くチャーリー、「初めてだって? でも君、もう三回も結婚してるじゃないか!」
「そうよ」とテッサ、「でも最初の夫は酔っぱらい、二人目の正体はゲイ、そして三人目は広告関係の人だったの」
「最初の二人は分かるよ」とチャーリー、「でもなぜ三人目とはセックスしなかったんだい」
「それは」とテッサ、「彼ったら、ただベッドで喋って期待を煽るだけだったんだもの」


84-3 (偏食)
若く内気な花嫁は夫に二度の結婚歴がある事を知り気が動転。涙ながらに前妻二人の事を尋ねる。
「君には教えといたほうがいいだろう」と夫。「最初の妻は毒キノコに当たって亡くなった」
「それで、二人目は?」と涙する花嫁。
「頭蓋骨骨折で亡くなった」と男。「彼女が悪いんだ。食べようとしないんだもん----キノコ」


85-1 (花の独身時代)

フェイギン・フィンケルスタインは新婚生活三週間の後、独身時代によく通ったディスコの一軒に若妻ローザを連れていくという“間違い”を犯してしまう。コート係の女、女バーテン、ウエイトレス、みんな美人で、フェイギンを実に親しげに歓迎する。ローザはむくれる。

しかし、とびきりのブロンド美人がツカツカとテーブルにやって来てフェイギンの太股にしばし腰掛け、頬にキスして、「お忙しいようだからまた今度ね、ダーリン」と言うのを聞いて、ローザの堪忍袋の緒が切れる。

彼女はテーブルから立ち上がると、言い訳しながらピッタリついてくるフェイギンを従え出口へ・・。二人はタクシーに乗り込み、フェイギン、過去は全部忘れて愛しているのはお前だけ、と必死に弁明・・・、

「頼むから話を聞いてくれよ」と哀願するフェイギン。

「イヤッ!」と叫ぶローザ、「聞きたくナイ!」

すると運転手が振り向いて言う、「フィンクさん、その娘ダメだ。引っ返して別の娘拾います?」


85-2 (黒い糸)

ハイミー・ゴールドバーグ、またも酔ってバーでくだを巻いている・・・、


「18年間・・」と、友人モウシェにグチる彼、「18年間、僕と女房は世界一の幸せ者だったんだ!」

「一体何があったというんだい」とモウシェ。

「ナントそれから」と、すすり泣くハイミー、「出会ってしまったのさ・・・僕達!」


85-3 (うっちゃり)
ある日ハイミー・ゴールドバーグが勤めから戻ると、ベッキーが台所にいる。

「何度も考えてみたんだけどね、君」とハイミー、「やっぱり君の言うとおりにする事に決めたよ」

「おあいにく様!」とベッキー、「アタシ、たった今気が変わったの」


85-4 (電話参加)
若く内気な娘が結婚を控えている。そこで彼女は経験豊富な友人にアドバイスを受けに行く。
「ドリス」と、始める彼女、「馬鹿げて聞こえるかもしれないけど、聞いておきたいことがあるのよ」
「いいわよ」とドリス、「言ってみなさいよ」
「じゃ」と内気な娘、「セックス中、夫と話してもいいものかしら」
「ソレねえ・・・」とドリス、「正直な話、アタシ、ソレはしたこと無いわ。でも別にいいんじゃない。手の届く所に電話があればいいんだし・・」


86-1 (馴れ初め)
ニューヨークの通りを歩きながらハイミー・ゴールドバーグが妻のベッキーに言った。

「オイ、あのカワイ子ちゃんが俺にニッコリしたの見たかい?」

「そんなの何でもないわ」とベッキー、「アタシが最初にアータ見たときは、吹き出しちゃったからね~」


86-2 (命の賛歌)
 神父が彼の教区に引っ越してきたばかりの若い未亡人を訪門している。しばらく話した後、彼はけげんそうに眉を上げて言う。
「ハッキリさせておきたいのですが、貴女には二歳と三歳のお子さんがおられて、しかもご主人は七年前にお亡くなりになっている、とおっしゃるのですね」
「そうです」と婦人。「私は生きてますから」


86-3 (バレバレ)

親友と座っていた男が言った。

「女房が親友と駆け落ちしてな」

「何言ってんだ! 君の親友は僕じゃないか!」と友人。

「もうちがう!」と男。


86-5 (確証)
夫が妻はウソつきだと愚痴をこぼしている。
「何でそんなこと言うんだい」と友人。
「それが・・・」と夫、「アイツ、今朝帰ってきて、前の晩はメアリーと一緒にいたと言うんだ」
「でも本当かもしれないじゃないか。なぜウソだと分かるんだい」と友人。
「なぜかって!」と声を上げる夫、「メアリーと一緒だったのはコノ俺なんだよ!」


87-3 (家庭の二乗、お家の三乗)
男二人がバーで会い、話が盛り上がる。しばらくして一人が言う。
「君、家庭に問題があるだと? まあ僕の身の上話を聞いてくれよ。数年前、僕は大きい娘のいる若い後家さんと出会って結婚したんだ。その後、僕の親父が僕の義理の娘と結婚した。それで義理の娘は僕の義理の母となり、親父は僕の義理の息子となった。妻もまた彼女の義理の父の義理の母になった訳だ」

「それから妻の娘、つまりボクの継母に息子が生まれた。この子は親父の子だから僕にとっちゃ腹違いの弟ということになる。しかし同時に彼は僕の妻の娘の息子だから、女房の孫にあたる。ということは僕は僕の腹違いの弟の祖父ということになる」

「さて、これが女房と僕の間に息子が生まれてますますややこしくなった。今じゃ僕の息子の姉、つまり僕の義理の母が僕の祖母でもある。つまり僕の親父は僕の息子の義理の兄で、息子の義理の姉は僕の親父の妻と言うことだ。

「僕は僕の継母の義理の兄、つまり女房は自分自身の子の叔母で、息子は親父の甥で、僕は僕自身の祖父ということだな。どうだ、これでもまだ君は家庭に問題があると言うのかい?」


87-4 (プロにお任せ)

ある日、セイディー・マルコヴィッツがごひいきの朝の連続ドラマを見ていると、ドアを叩く音がする・・・、

「ご主人が大変よ!」と叫ぶ隣人、「プールにうつ伏せに浮いてるわ! きっと溺れたんだわっ!」

「今日、水曜日~?」とセイディー。

「そうよ」と隣人、「でも何で?」

「今、何時~?」とセイディー。

「11時よ、でも何で?!」と隣人。

「じゃー大丈夫」とセイディー、「あと一時間でプール屋さん来るから・・」


87-5 (物好き)
ある日モーリスが勤めから早く帰宅してみると、妻が彼の親友マックスの腕の中に・・・。
 彼はヨロヨロと後ずさりして言う、「マックス! 僕は彼女と結婚してるからソレをする義務がある。でも・・・どうして君が? 君は自由の身なんだゾ!!」


88-1 (ダイ・ハード)

75歳のフィンケルスタイン爺さん、二十歳の娘と結婚を決意。友人達は大騒ぎで、一人がこう言う・・・、

「フィンケルスタイン、あんたの歳の男が若い娘とセックスしたひにゃ、とても身が持たんよ。ヘタすりゃ命取りだよ。分かってんのかい」

フィンク爺さん、しばし考え、肩をすぼめて曰く、「ま、彼女も死ぬときゃ死ぬさ」


88-3 (先有権)
ハイミー・ゴールドバーグが死んで地獄に行く。ところが彼、すぐに周りのみんなに命令し始め、まるでボス気取り。
「命令するのは止めろ!」とサターン、「おまえがここの主だと思われるじゃないか!」
「ここは俺のもんだぞ!」とハイミー、「女房が下界で地獄をくれたんだい!」


89-1 (又の坊家元)
 金曜の夜、ステラとユーニスが台所で野菜の下ごしらえをしながらお喋りしている。ユーニスがふと窓の外を見ると、夫のバーニーが花束を抱えてやって来るのが見える。
 ユーニスがステラの方を向いて言う、「あら、ヤだ! 花よ。ということはアタシ、週末ずっと脚を上げて仰向けに寝てなくちゃいけないのね」
するとステラが言う、「なぜ? お宅ないの、花瓶」


89-2 (ザ・ギャップ)
 ハイミーとベッキー・ゴールドバーグは田舎で1日を過ごしている。ベッキーがステキな場所を見つけてハイミーに指さす。それは小さな池のほとり、木立の下・・・。
「あそこ、ピクニックにいい場所だわ」と彼女。
「きっとそうだろうよ」と、肩をすぼめるハイミー、「五千万匹の蚊というのも、なかなかオツなもんだ」


89-4 (太古より)

アダムが深夜に帰宅。イブが怒って待っている・・・、

「アナタ、またなの!」とわめく彼女、「他に女が出来たのね!」

「バカ言うんじゃないよ!」と憤慨して語気を強めるアダム。「僕らがこの世で二人きりだってこと、君も良く分かってるじゃないかっ!」そしてアダムは足を踏み鳴らしてベッドへ行く。

アダムは何やら胸がこそばゆく、眠りから覚める。目を開けてみると・・・、そこには彼のあばら骨を念入りに数えるイブの姿が・・・。



90-2 (問題外)

ある朝、ベッキー・ゴールドバーグは隣人が玄関先のポーチで抱擁を交わすのを見ている・・・、

「アタシ、あんなに愛し合ったカップル見たことないわ!」と、ハイミーに言う彼女。「彼は出かけるとき、いつも奥さんにキスするのよ。アータもやったらどうなの!」

「なんで俺がしなくちゃならんのだ」と新聞読みながらハイミー、「赤の他人なんだぞ!」


89-3 (冷たい現実)
スチュワーデスから飲み物をもらった客が声を上げる。

「オッ! これはまた新しい。穴の開いた氷だぞ!」

「そんなもの、ナニが新しいもんか」と、横に座ったメンデル・クラビッツ。「私はソレと結婚してる」


●90-1 (一件落着)
 出張が予定より早く片づいたジャック・ジャークは、妻のジルに“キンヨウ カエル”の電報を打つ。しかし帰ってみると、ジルが見知らぬ男とベッドに・・・。非暴力主義者の彼は何もしなかったが、後で義理の父、ジム・ジョブズに愚痴をこぼす。

「きっと何か釈明があるはずだよ」と、気のいいジムが元気づけるように言う。

翌日、ジムが満面の笑みを浮かべている。

「ジルから釈明があったよ」とジム、「君の電報が届いてなかったんだ!」


89-5 (夜はコールガール)

新婚のベティー・プラーが隣人の新しいミンクコートをほれぼれと眺めている。

「どうしたらそんな綺麗なもの買えるんですの?」と羨ましげに彼女。

「信じないかも知れないけど」と隣人、「私が一人で全部貯金したのよ。実はね、私セックスするとき、いつも夫に5ドル払ってもらってるの!」

 若きベティー、断固ミンクのコートを買おうと決意。その夜、夫のディックが迫ってくると、彼を押しのけ、事前に5ドルを請求する。火の点いてしまったディックはズボンのポケットをまさぐるが、4ドル50セントしかない。

「じゃ、アタシの魅力をチョット味見するだけよ」と、駆け引きのベティー。

 数分間あちこち味見された後、ベティーはすっかり興奮してしまい、これ以上ディック(男性器の意あり)を拒む事は出来ないと知る。彼女は何とか売り手の立場を保とうと彼の耳元で囁く。

「ネ~エ、もしアナタさえよければ、50セント、明日までツケでもいいわヨン!」


90-3 (コスプレお遣い)

とある深夜、ジャック・ジャークが仕事で疲れ果てて帰宅する。彼は妻のジルを起こすまいと明かりを点けずに服を脱ぐ。ショーツを脱ぎ、ベッドに潜り込もうとしたその時、ジルが起きあがって眠たげに言う・・・、

「ジャック、ダーリン、24時間営業の薬局に行って、アスピリン一箱買ってきてくれない。頭が割れそうに痛いの」

「いいとも、君」と言ってジャックは手探りで部屋を横切り、また何とか服を着て家から抜け出ると、ヨロヨロと店まで歩いて行く。

「あー、ビル、女房にアスピリン一箱くれないか」と、薬屋に告げる疲労困憊のジャック。

「ハイよ!」と薬屋、「でもちょっと聞くがね、その消防署長の制服、どこで手に入れたんだい。お笑いだな!」

●コスプレ=コスチュームプレイ=変装趣味


90-4 (葉巻はヤッパリ!)
夫が突然帰宅して、灰皿でくすぶっている葉巻を疑い深げに睨みつけている。

「あの葉巻はどこから来たんだ!」と妻にカミナリを落とす彼。声があまりに大きく、彼女はベッドカバーの下に隠れてしまう。息も詰まるような沈黙。とその時、クローゼットの中から、震える声で、「キューバ・・・」


91-1 (復讐の虜)
妻がよその男と浮気している事に気づいたダニーは、その間男の女房の所へ行って事実を告げる。

「打つ手はあるわ!」と彼女。「二人で復讐してやるのよ!」
そこで彼らはモーテルに行き“復讐”する。

彼女が言う、「もっと“復讐”しましょ!」
二人は復讐に次ぐ復讐を重ねる。

とうとうダニーが言う、「もう復讐は充分だ。“硬い”気持ちも柔らいだ」


91-2 (前兆)
メンデル・クラビッツが交差点にさしかかる。するとブレーキが効かなくなり前の車に追突してしまう。その車には至る所に「本日結婚!」と書いてある。たいしたダメージではなかったが、メンデルは新婚カップルに心から謝る。

「もう、どうぞご心配無く。なんか今日はずっとツイてなくて・・・」と新郎。


91-3 (自己責任)

ジル・ジャークが友人のジョーンとお喋りしている。

「アタシ、避妊にくれぐれも気をつけなくちゃ」と、打ち明けるジル。

「でもジャック、つい最近パイプカットしたんじゃなかった」とジョーン。

「そ、だから・・」とジル。


91-5 (顧問)
お昼時、ベッキー・ゴールドバーグとルーシー・フィンケルスタインがレストランで何やら深刻に話し込んでいる。

ついにベッキーが言う、「いいことルーシー、完璧に素直になってモウシェの所に行って、ぜ~んぶウソついてみたらどうかしら!」


91-4 (専属牛乳屋)
バスター・チャブスは自分の結婚は完璧だと思っていた。ニューヨークからカリフォルニアに引っ越し、牛乳屋が前の男と同じだと気付くまでは。


91-6 (入信理由)
ハイミー・ゴールドバーグはかかりつけの精神科医、ボリス・バブルブレインと長々と宗教談義の真っ最中。

「それでは、貴方を宗教に導いたのは奥さんのベッキーさんだと理解してよろしいんですね」と精神科医。

「ええ、その通りです」とハイミー、「女房と結婚するまでは信じてませんでした。・・・本当に地獄があるなんて」


92-1 (いつものやつ頼む)

ハイミーが酔って帰宅する・・・、

「ベッキー」と、寝室の妻に呼びかける彼、「小言いってくれ。ベッドの位置が分からん」


92-2 (内助の功)
会社のパーティーの後、ひどい二日酔いで目を覚ましたパディーが妻のモウリーンに言う。

「ナント、信じられるかい? ゆうべのこと何にも覚えてないや!」

「それでいいのよ」とモウリーン、「アナタ、社長にタテついてクビになったんだからね!」

「エ~? マジかよ!」パディーが叫ぶ。「アイツの為にずっと一生懸命やってきたのに。もうあんなヤツ、ファックだ!」

「ソレはアタシがしといたわ」とモウリーン、「アナタ、明日から仕事に戻ってよ」


92-3 (指示角度)

ハイミー・ゴールドバーグはビバリーヒルズのブティックで小粋なイタリアンの靴を買い、ベッキーに見せびらかそうと、それを履いて帰宅する。ところがベッキー、新調の靴に気付くそぶりさえ見せない。そこでハイミー、彼女がベッドに入るのを待ち、素っ裸で靴だけ履いて入って行く。

彼はポーズを決め、声高に言う、「そろそろ僕のナニの先にあるモノに注目してもいい頃だと思うがね!」

ベッキー靴に目を落としつつ、「残念だわ、買ったのが帽子じゃなくて」


93-1 (頭隠して・・・)
 買ったばかりの新しいカツラでモウシェを驚かそうと、ルーシー・フィンケルスタインがお忍びで夫のオフィスにふらりとやって来る。

「アタシみたいな女、アナタにいかがかしら?」とセクシーに彼女。

「ゴメンこうむるね」とモウシェ、「キミ見てると、どうも女房思い出しちゃって・・」


93-2 (父)

フェイギン・フィンケルスタインは結婚を考えている。そこで彼は父親に手紙で相談する。モウシェが次のように返事する。

君の結婚間近の知らせを聞いてどんなに嬉しいことか。結婚とはこの上ない至福であり幸福なのだと君にも分かることだろう。

君の愛する母さんをテーブル越しに見るにつけ、供に歩んできた私たちのこれまでが如何に満ち足りて素晴らしいものであったかと、私は大いなる誇りを持ってしみじみ思う。是非結婚したまえ。私たちも祝福しよう。結婚は君の人生最良の日となることだろう。

敬具

父より

追伸
母さんが今ちょうど部屋を出た。 独身でいろ、このバカ!


93-3 (被災現場)
ハイミー・ゴールドバーグが会社から家に電話を掛ける。

「今夜フェイギン・フィンケルスタイン君を夕食に連れて帰ろうと思うんだけど」

「今夜夕食にですって!」ベッキーが金切り声を上げる。「バカね、知ってるでしょ。料理人は辞めちゃて、私は風邪だし、赤ちゃんは歯が生えそうだし、オーブンは壊れてるし、それにツケ払うまで肉屋は肉を売ってくれないのよ!」

「分かってる、分かってる」と穏やかにハイミー。「だからじゃないか。ウチのあり様を全部見せてやるのさ。可哀想にあのバカ、結婚考えてるんだ!」


93-4 (心当たり)
ハイミー・ゴールドバーグが精神病院のドアをノックする。看護婦が対応する。彼は最近脱走した患者はいなかったかと尋ねる。

「でもなぜそんなこと聞くんですか」と看護婦。

「実は」とハイミー、「ウチの女房と駆け落ちしたヤツがいまして・・・」


94-1 (最後の一葉)
 ハイミー・ゴールドバーグが妻のベッキーと絵画展に行く。いちじくの葉一枚しか身につけていない美少女の絵を、ハイミーが食い入るように見つめている。

絵のタイトルは「春」

「あらアナタ、ナニ待ってるわけ? 秋?」と、ベッキー。


94-3 (終末の予定)
ある朝、朝食を食べながらベッキーが言う。

「ハイミー、もし核戦争で4分後に死ぬとしたら、アナタ何する?」

「君とセックスする」と、新聞から顔も上げずにハイミー。

「OK。 で? 残りの三分は?」


(それが友情)

 ジェフ・ダルが駅で電車を見送っていると、ディック・プラーが去り行く乗客の一人にこう叫んでいるのを目撃する。

「さようなら~。君の奥さんはおいしかったよ! 君の奥さんはおいしかったよ~!」

ジェフはビックリ。電車が去った後、彼はディックの所へ行って言う、「失礼ですが、私の耳は確かでしょうか。貴方はあの人に、彼の奥さんが“おいしかった”とおっしゃいましたか」

ディック・プラー肩をすぼめて、「いや、実はウソなんです。しかし、彼の気持ちを思うと・・・」


95-1 (クリスマスは確実に)
クリスマスとセックスとどちらが好きかとジャック・ジャークが妻のジルに聞く。

「クリスマス」とジル。

「なぜだい。セックスよりロマンチックだからかい」とジャック。

「いーえ、セックスよりたくさん巡って来るからよ」と、ジル。


95-3 (現実回避)

パディーとショーン、パブで互いの妻のセックスを比べ合っている。

「おい、モウリーンはセックス中は目をつぶるのかい」とショーン。

「ああ、つぶってるよ」とパディー、「あいつ、俺が楽しんでるのを見るのが耐えられないんだ」


96-1 (出がらし)
ブリックマンとホロヴィッツがプエルトリコのビーチでくつろいでいる。

「あのな」とブリックマン、「この、ラクウエル・ウエルチって娘な、いったいどこがよくて皆あんなに夢中になるんだい? あの娘の髪と唇と目とプロポーションを取り去ってみろ、いったい何が残るってんだ」

「ウチのカミサン」と、ホロヴィッツ。


96-3 (賢母)
ハイミー・ゴールドバーグのうら若き娘ルーシーは、母親ベッキーが新しい毛皮のコートを試着するのを見ている。

「お母さん!」と、ウンザリしてルーシー、「お母さんがそのコートを買うために、愚かで可哀想な動物がどれほど苦しまなくちゃならないか分かってるの!」

「ルーシー!」と毅然としてベッキー、「お父さんに向かってよくもそんな・・!」


96-5 (亜種)
結婚式前夜、若きハーシェル・ゴールドバーグが義理の父となるべきモウシェ・フィンケルスタインと呑んでいる。まもなく話題は花嫁スージーの事に・・・。

「で?」と少々悪酔い気味のモウシェ、「君は男らしく今夜ヤルのか、あるいは臆病者のネズミよろしく明日の夜まで待つのか!」

ハーシェルついポロリ、「僕はドブネズミってとこですよ、お義父さん。先週ヤッちゃいました!」


97-1 (家路)
パーティーで少々調子に乗りすぎたパディーは、グラマーで可愛い子ちゃんのピアノ弾きにチョッカイを出し始める。しかし泥酔の彼、けつまづいた拍子にピアノカバーが閉まり、指を挟んでしまう。妻のモウリーンが行って、彼を床から抱き起こす。

「家に帰ったら、忘れないようにアナタの目のクマに氷をあてがわなくちゃね」と、なだめるように言う彼女。

「でも目にクマなんかできてないぞ」とパディー。

「そうね。でもまだ家には着いてないのよ~」とモウリーン。


96-4 (極秘事項)
メンデル・クラビッツが窓を開け放ち、スッ裸で朝の体操をしている。妻が部屋に入ってきて怒鳴る、「メンデル、この馬鹿! カーテン閉めなさい! アタシがお金目当てで結婚したのがご近所にバレるじゃないの!」


97-5 (ゴジラ)
「何てこった」と溜息のパディー、「俺は男が望むものは何でも手に入れた。ゴージャスな女、美しい家、有り余るほどの金、イカシタ服・・・」

「で、どうなったんだい?」とシーマス。

「どうなったかだと!」とパディー、「俺の人生に、何の前触れもなく、いきなり出現したのさ-----女房が!」


97-5 (好物)
新婚カップルがマイアミに飛び、ハネムーンホテルにチェックイン。彼らは何日も姿を見せなかったが、やっと六日目の朝、朝食をとりに食堂へやってきた。ウエイターがテーブルに近づくと、花嫁が夫に言った。

「ハニー、私がナニが好きか分かってるわね」

「ああ、分かってるとも」と、疲労困憊の夫、「でも僕達、たまには食べないと・・・」


98-2 (生類哀れみの令)
マーフィー家にとっての特別な日、モウリーンがいそいそと朝食に降りてくる。

「今日は私たちの結婚10周年記念日よ!」と、新聞を読んでいるパディーに囁くモウリーン。「ウチの農場のチキンでお祝いしましょ!」

パディーが見上げて言う、「なんで10年も前にあったことで罪もない鶏を殺さにゃならんのだ」


98-1 (現実)
ブリジットとモウリーン、神父が結婚生活についての教えを垂れた教会からの帰り道にて・・・、

「あの説教どう思う」と、ブリジット。

「あの神父さんぐらい結婚についてウブになりたいもんだわネ」と、モウリーン。


98-3 (酔婚)
結婚式の祭壇で、シャロンがシーマスを支えている。神父はシーマスが酔っぱらっている限り、式は執り行わないと告げる・・・、

「彼をここから出して、酔ってないとき連れてきなさい」と、シャロンに言う神父。

「でも神父さま」と、オイオイ泣くシャロン、「お酒飲ませないと、テコでも来ようとしませんの!」


99-1 (内緒ばなし)

ハイミー・ゴールドバーグはドクター・マインドベンダーとの最初の心理分析セッションに臨んでいる・・・、

「貴方は奥さんに内緒で浮気してますか」と精神科医。

「えっ? 他の誰に内緒で浮気せよと?」


98-4 (熱烈歓迎)
 しばらく街を離れていたバーニー、帰宅してみると妻のステラが見知らぬ男とベッドにいるのを見つけてビックリ! 男はスッ裸で、見るからに満足気にベッドに大の字に寝そべっている。

「このアバズレ!」とバーニー爆発。

「待ってダーリン」ステラが叫ぶ、「去年の冬、アタシが手に入れた毛皮のコートね、この人がくれたのよ。アナタがお気に入りのダイアモンドのネックレス覚えてる? この人がくれたのよ。それにアナタが二台目の車が買えなかったとき、私がトヨタを買ったわね? 覚えてる? この人がくれたのよ!」

「何してるんだ!」と叫ぶバーニー、「ここはすきま風が入る。風邪引くじゃないか。何か掛けて差し上げなさい!」


99-3 (親の心子知らず)
93歳と95歳の老夫婦が弁護士に離婚を相談する。
「離婚ですって!」とビックリして弁護士。「そのお年で! 何のために」
「それは」と老いた夫、「ワシら、長年離婚を望んでおったんですが、待った方がええかなーと思いまして・・・・、子供らが全員死ぬまで」


100-1 (サバイバル・イン・タヒチ)
ジョージ・コーヘンはある晩帰宅すると、バッグに荷造りを始める。
「で、どこへ?」と妻のグラディス。
「タヒチ」とジョージ。
「タヒチ?」とグラディス。「何でタヒチ?」
「単純さ。あそこじゃセックスしたら女が5ドルくれるんだ」とジョージ。すると今度はグラディスが荷造りを始める。
「で、どこへ?」とジョージ。
「タヒチ」とグラディス。
「何のために!」とジョージが叫ぶ。
「見てみたいの」とグラディス、「アンタがどうやって暮らすのか----年収10ドルで!」


101-1 (雨具)

男が他人のヨメさんとセックス中、とつぜん亭主が帰宅。哀れ男は他に成すすべなく、裸のまま寝室の窓から飛び出す。外は寒く、雨が降っている。そこへジョガー達の一団が走ってくる。他にどうしていいか分からず、男は一緒になって走りだす。しばらくして隣を走る男が聞く、「オイ君、いつも裸で走るのかい」「そうだよ」と黙々と走りつつ彼。「で、いつもコンドームはめて走るんだ」と別の男。「いや」と彼、「雨の時だけ」


100-2 (夫の理解)
ルーシー・フィンケルスタインが死の床に就いている。
「モウシェ」と、ベッド脇に座る夫につぶやく彼女、「あの世に行く前に懺悔する事があるの。実はアタシ、アナタに不誠実だったわ」
「分かってるよ」と、穏やかにモウシェ。
「分かってないわ!」と、すがるようにルーシー、「つまり私は他の男性とお付き合いしてたの!」
「ああ、分かってるよ」と、モウシェがつぶやく。
「一度じゃないのよ!」ルーシーが続ける、「何度も何度も・・・彼のオフィス、彼の家・・・」
「ああ、そのことは分かってるよ、君」と、モウシェがなだめるように言う。
「この家でも、このベッドでもよ!」ルーシーが泣く。
「ああ、分かっているとも」と囁くモウシェ、「だから君のお茶に入れたんだよ、・・・ネコいらず」



101-2 (ファイナルカウントダウン)
ベッキー・ゴールドバーグが重病で、ハイミーが医者を呼ぶ。
診察を終えた医者がハイミーに告げる、「お気の毒ですが、奥さんはあと数時間の命です。ご理解頂きたいのですが、もうこれ以上手の施しようがありません。どうか苦しまないで下さい」

「分かりました、先生」とハイミー。「あと数時間なら・・・、40年間苦しんできたんですから」


101-3 (別れの朝)

ハイミーが医者の診断を受け、沈痛な面もちで帰宅する。そして、夜明け前までの命と宣告された旨をベッキーに告げる。ベッキーは彼を抱きしめ、供に少し泣き、早く床について、もう一度セックスしようと提案する。

二人はベッキーが寝入るまでセックスする。しかしハイミー、これが今生最後の夜だと思うと恐くて眠れず、闇の中、じっと横たわっている。一方ベッキーは高イビキ。

ハイミーが妻の耳元で囁く、「ベッキー頼む、長年のよしみでもう一度・・・」 しかしベッキー高イビキ。

ハイミーは時計に目をやり、妻に身を寄せ体を強くゆする、「頼むよベッキー! 君とボクの仲じゃないか。もう一度・・」

目を覚ましたベッキー、ハイミーを見つめて曰く、

「ハイミー、なんでそんなワガママ言うの。アータはいいかも知れないけど、アタシは朝が来たら起きなくちゃならないんだからね!」


101-4 (完全支配)
天国に夫達のグループが新たに到着。チェックしているのは聖ペテロ。

「OK、下界でヨメサンの尻に敷かれていた者は全員左側に立ってくれ。家のボスだった者は右側だ」

 即座に左側に列ができる。ただ一人、ハイミー・ゴールドバーグだけが右側に立っている。ところがハイミー、ライオンというよりはネズミにしか見えない。聖ペテロが尋ねる。

「君はどういうわけで右側なんだね」

ハイミー、消え入りそうな声で、「あのー、こちら側に立つようにと、家内が申しましたもので・・・」


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