勝手に最遊記

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A Rose Prison ―7―


悟空が椅子を蹴って、悟浄に掴みかかる。

「へッ!・・ヤルってのかぁ!?」
悟浄も椅子を蹴って、悟空と組み合う。

「ダメッ・・ダメだってばっ!!ココで暴れないでっ・・!!」
桃花が必死で止めようとする。

いつもの安宿とは違う。
こんなに高価そうなアンティークの家具や、部屋の中で暴れられたら堪らない。

「弁償騒ぎになったら、どうすんのようぅ~!!」
無理矢理二人の間に割り込んだ―――その時、

「てめっ・・!」悟空が悟浄に向けて、拳を突きだしていた【ガツッ】

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。」

桃花が顔の左横に、悟空のパンチをまともに喰らう。

その勢いで、倒れた体にテーブルがぶつかり・・・【ガタンッガタッ】

カッシャーンッ・・・陶磁器のティーセットが割れる。

「桃花っ!!」
悟浄が助け起こす。

「・・・・あの、ティーセット・・・高価(たか)そう・・なのに・・。」
ジンジンと痺れるような痛さが、言葉を上手く喋らせない。
しかし、ココで一言でも“痛い”とは言えない。だって、

「もっ・・桃花・・俺・・。」
殴ってしまった己の拳を握り締め、泣きそうな顔で悟空が立っているから。

「っの馬鹿猿・・!」悟浄が悟空に詰め寄ろうとして、桃花に止められた。

「いいって!・・・大体、騒ぎの原因を作ったのは・・ごじょーくんでしょ?」
笑いながら言って、
「事故だし。大したこと無いから・・ね?」
悟空に優しく言い聞かせる。

「・・悪りぃ。」悟浄が俯いた。
女の顔を殴らせるような原因作って・・・馬鹿か俺は。

悟空もコクコクと頷く。


桃花もホッと胸を撫で下ろす。
自分が原因で、また喧嘩になったら最悪だ。


ジープが、怯えたように八戒から離れた。


「・・二人とも。反省したのなら、片づけてくれませんか?」
割れたティーカップの破片を拾いながら、八戒が言った。
「でないと、桃花の治癒が出来ないんですよね・・。」


そう言いながら振り返った八戒の表情を見て、二人は凍り付いた――――。



八戒の部屋で、皆騒ぎになっているのも知らず・・三蔵は部屋を出た。
向かいの部屋の聚楓を訪ねる為に。

『面倒くせぇ。』
そう、思いながらも、一晩泊めてもらうのだ。
主が自分を指名して話をしたいと言っている以上、無下に断れない。

コン、コン――――扉をノックした。


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