勝手に最遊記

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海賊気分でア○ア○サー!―2



陽気な声を上げ、船首からかぶりつきでルフィが眺めている。


「・・・スゴイわ・・一体・・・」流石のナミも呆然と眺めている隣で、
「あの光よりもナミさんの方が輝いている~v」サンジが的外れなラブ感想を述べ、
「スンゲー!スンゲー!!」チョッパーがピョンピョン飛び跳ねながら感嘆の声を上げ、
「ヒェェェェェェ!なんまいだ~なんまいだ~!!」この世の終わりとばかりにウソップが拝んでいた。

その間にもロビンは本を読み―――――――――「・・・あら?もしかして・・」怪訝な顔で、首を捻った瞬間、





ブッシャアアアァ―――――――― 一際大きな水流と共に―――――――「?!なんか飛び出したぞっ!!」


蒼い空に吹き上げられた黒い影・・・・「任せろぉ!!」


船首からルフィが右手を伸ばす――――――――― ガシッ ―――その物体を掴んで引き寄せたものの【ツルッ】思わぬ重量に手が滑り、その物体は甲板めがけ―――――――


「ひっ・・人だぁっ!!」ウソップが叫ぶのと、
「ゲェェェェッッ!!」まだ甲板で寝ぼけ眼のゾロの腹に落下するのと・・・・同時であった。













「・・・っ・・・ぅん・・・?」





何だか自分の回りが煩い。しかも体がベタベタする・・・・・「―――――へっ?」



「眼が開いたぞ!オイ、大丈夫か??」・・・・着ぐるみが喋ってる・・・桃花は手を伸ばし、チョッパーの口を に開いてみた。

「ヒテッ!ヒテテテテテっ!!」ジタバタと暴れるチョッパー。
口の中を覗き込み、
「・・・中身がない・・・?」未だハッキリとはしない頭で周囲を見回した。



「眼を覚ましましたかレディーv貴女の為に、最高のお茶を淹れますね~♪」
・・・・グルグル。何故にグルグルなの? が。

「おーっ!起きたか~?チョッパーが頭打ってるかも知れないから、動かすなって言うしよ。甲板に寝かしたまんまなんだ。背中痛いだろ?」
・・・・長い。世界に有り得ないぐらい、 が長い。

「オレの腹に落ちたんだ。怪我なんかしてるかよ。」
・・・・悪人だ。とてつもなく 悪人顔 だ、このヒト。



チョッパーの口から手を離し、(←チョッパーが涙目で蹲っている)立ち上がった桃花の手にはメリケンサックが握られていた。



「――――――何処の妖怪かは知らないけど、三蔵達の元に戻して頂戴。でなけりゃ・・」―――殺気が迸る・・ ギンッ




「死ぬ気でかかって来いっ!この妖怪共っ!!」




ぴゅふりゅうぅぅるるるぅ~・・・・潮風が甲板を吹き抜けていく・・・・「・・・ぇえ・・イヤ、妖怪って・・」
こう見えても(?)この中では常識的なウソップが、
「オレ達は妖怪なんて・・・ 「おおーっ!!起きたかぁ~っ!!!」 大声と共に、

【ビミョミョミョミョ~~~~ンッ】

桃花の目の前をすり抜けていく腕。「・・・・・・・うで?」首を傾げた途端、「ょおーっ!!」三秒遅れて体が付いて来た。

「いやー!良かったなぁ~!オレがお前を甲板に叩き付けたってさぁ、責められて責められて・・・」
良かった良かったアッハッハッ!!ルフィは腕を組んで馬鹿笑い。桃花は俯いて握り拳を固めている。

「・・おっ、おい?オレ達はな、妖怪じゃ・・「・・・ドコが?妖怪そのものじゃないのよ・・・」

ギッと顔を上げ、
「コレのドコが人間だって言うのよ?!着ぐるみだしグルグルだし長鼻な上に悪人面で伸びてんのよっ?!ええっ!?」
ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシィッ!!と、それぞれに指を差し、

「もしっ、あたしを人質にして三蔵達になんかしたらっ・・・」―――――舌、噛み切ってでも死んでやるっ・・・

桃花の勢いにのまれ、緊迫した空気が甲板を包む―――――「キューッ!!」


「・・・ジープッ!」


太陽の光を反射して、銀箔色の小竜が桃花の肩へと舞い降りた―――――「ジープ、お前・・大丈夫だったの?」

体を擦り付けてくるジープ。温かい体温が、桃花へ安心感をもたらした。

「アタシ達は妖怪じゃないわよ。」
「説明するから聞いてくれるかしら?」ナミとロビンがデッキを降りて来た。

「ナミすわぁんvロビンちゃんvこのレディの誤解を解いて下さい~!」
「・・・誤解?」






これでやっと、桃花は諸々の説明を受ける事になった――――――――――








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