勝手に最遊記

勝手に最遊記

Family ―18―




翌日の朝・・・すっかり元気を取り戻した桃花が、朝食の席に着く。

「おはよー桃花っ!いっただきまーす!!」桃花の顔を見て
安心したように食べ始める悟空。

「桃花、ハイ。ちゃんと食べるんですよ?」バランス良く、食べ物を盛って
桃花に渡す八戒。

「ん、ありがと♪」・・・三蔵はいつもながらの無言(一応、顔だけは上げる)

「・・おー・・。」隣に座っている悟浄が、珍しく不機嫌な顔をしている。

『悟空ちゃんに・・・大分ヒドイ目にあったのね・・・。』
その顔の傷跡から、目に見えるようだった。

『どーしよ?今さら・・。』そう、今さら言えない・・。添い寝をしてもらっていた時に、
あまりの高熱で体が熱く、自分でシャツのボタン外したなんて・・。

『ぜっっっったい、言えないよううぅぅ!!』桃花は頭を抱えた。

「あん?どうかしたのか、桃花?」悟浄が桃花の顔を覗く。

「へっ?な、なんでも無いよ!・・悟浄君、これ食べる??」
桃花が悟浄の皿に、シュウマイを取り分ける。

「ナニナニ?優しいじゃーん。」「そ、そうかな?」


         『だって、悪い事しちゃって・・罪の意識が・・。』


「桃花。そんなエロ河童に優しくしてやる必要ねーぞ!」
悟空が悟浄を睨む。
「な~んだよ猿!お子様には分かんないってーの!男の良さが・・。」
軽く桃花の肩を寄せると、
「っっって、触んじゃねぇって言ったろ~!?」悟空が立ち上がる。

間に桃花を挟み、いつもながらの口論を始める・・・。

『ヤバイな・・このままじゃ・・。』三蔵を見ると、青筋が立っている。
また銃を乱射する~・・・エエ~い!!

          「ガバッ!!」「ガバッ!!」

桃花が悟空と悟浄の口に、桃まんを突っ込んだ。

「!?・・・」桃まんで口を塞がれた悟空と悟浄が、桃花を見る。

            「・・・喰えっ・・・」

三蔵バリの凄味を利かせた桃花の迫力に、二人はウンウンと頷きながら
大人しく席へ着いた―――――――――。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: