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直海7600

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ただ、あなたとずっと幸せに生きていきたかっただけなのに。

周りの人と楽しく毎日を過ごしてゆきたかっただけなのに。
どうしてあなたは眠っているの？？

早く起きて。
どうしようもなく遠い場所で眠っているあなたを、私は起こしてあげられない。

私は進む。あなたを残して。時は流れる。私を連れて。

ハルとアキは２つ違いの仲のいい兄弟。そして私は、その２人の幼馴染だった。

ハルはおだやかで、明るくて、暖かい陽だまりのような人。
兄のアキは、静かだけれど優しく、人を気遣えるような人。

時間はたち、私とハルは高校２年生に。アキは大学１年生に。
幼いころのまま、今も相変わらず仲良く３人でいたのだ。
私とハルが、付き合い始めても。それは変わらなかった。
そう、私は思っていたのだ。
アキの気持ちも知らずに。

「ナツ、俺はナツがすきなんだ。だから、これからずっと一緒にいてほしい。優しいナツがすきだよ、ただの幼馴染なんて嫌なんだ」

突然の告白、でも１７の私にとって、それはそこまで驚くことでもなかった、なぜなら私もハルを好きだったからだ。

「ハル、私もハルのことを大好きよ」そういって笑った私に抱きついて、キスをしたハルは、幼馴染でなく、ちゃんとした私の恋人だったのだ。

アキにもちゃんと報告をした、付き合うことになった、と。

どうしてあのときの寂しそうな顔を私は見逃していたのだろうか。
アキがいつものように笑っていると、勝手に思い込んだのだろうか。

ごめんね、アキ。

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