ラメな毎日

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【パゴダの王子】

【パゴダの王子】(英国ロイヤル・バレエ)

(収録:1990年/ロンドン・コヴェントガーデン・ロイヤル歌劇場)


ワーナーミュージック・ジャパン 英国ロイヤル・バレエ/ブリテン:パゴダの王子 全3幕英国ロイヤル・バレエ ブリテン:「パゴダの王子」全3幕(1990年)


<<主なキャスト>>
ローズ姫: ダーシー・バッセル
王子: ジョナサン・コープ
皇帝: アンソニー・ダウエル
道化: サイモン・ライス




まずは ダーシーバッセル 。素敵すぎますっ。
手足長~い!特に脚!彼女で全幕を見たのは初めてですが、一人際立っていてさすがプリンシパル。彼女が舞台袖に引っ込むと、とたんにつまらなくなるほど、踊りに華があって別格でした。
手足が長くても体操選手のような踊りじゃなくて、彼女はニュアンスのある柔らくて豊かな表現力のある動きをします。

解説を読んだら、マクミランはこのバレエのリニューアル構想に10年をかけたのだそう。バッセルがロイヤル・バレエ・スクール時代から目にとめていて、その後サドラーズ・ウェルズ・バレエ団に入団した彼女に【パゴダの王子】のタイトルロールを与えるためにロイヤル・バレエ団に連れてきていた、という惚れこみよう。現代に待ち望まれたイギリス人プリマ、だったんですねー。

バッセルは一つ一つのポーズが大変大変美しい。手の振り、身のこなし、顔のつけ方、なにより表情の豊かさ。四人の王や雲(という役名)とイヤイヤ踊る時のイヤイヤの演技が姫らしく品がありつつ、「でもとってもイヤ」感があって、なのに可憐です。
柔軟性とスピード感も持ち合わせていて目に楽しい。振り付けに流されたりせず、きちんとクラシック・バレエを踊れる人なんですね~。これだけでこのDVDを買ったかいがありました。マクミランもご満悦なことでしょう。

王子の ジョナサン・コープ 。か、かわい~い。なんて初々しいのっ!この頃のコープを傍に置いときたい。
サラマンダーに変身させられているときの王子も、あれコープなの?サラマンダーとは、解説によると『火とかげ』となってますが、見た目・動きは爬虫類。イメージはイグアナあたりでしょうか。妙すぎてコメント不可。
コープが王子の姿でローズ姫にちょっかい出して微笑む笑顔が、いや~ん、かわい過ぎ~!
それにしても、コープって顔ちっちゃいな。最後にバッセルとマント姿で並んで登場した時、しみじみ見ちゃった。バッセルの 3/4 しかなかったよ。

そして、皇帝の アンソニー・ダウエル!
またキャラクター作り込んでくれて。よぼよぼの皇帝で威厳はどこへやら。白髪と白髭で足腰の弱ったご老体が完璧コメディーキャラになってます。もともとこういうキャラなのであろうか?
黒子のような家臣に支えられておぼつかない足取りで歩いたり、ついには車椅子に乗るも、さすが皇帝、玉座風金ぴか赤いクッション付き車椅子。でも皇帝なんだから、必死こいて自分でこがなくても家臣に押してもらえば…? 役作りは彼のセンスなのかな~。アドリブもあったりして。キャラ際立ちすぎでバカウケでした。

道化役は熊川哲也を想定してマクミランが振付けたもので、マクミラン演出振付初演(1989年)のガラ公演では熊川くんが演じていたそうです。残念ながらこのDVD収録時は足をケガ中で出演できなかったとか。結構出ずっぱりで見せ場の多い役なのにもったいない!

ちなみに、四人の王のソロは爆睡しました…。



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