ラメな毎日

06/5/20 【こうもり】

２００６年５月２０日　【こうもり】
（於：　新国立劇場）

ベラ：　アレッサンドラ・フェリ
ヨハン：　ロバート・テューズリー
ウルリック：　小島直也（ルイジ・ボニーノが怪我したので代役）

ダサい主婦のフェリ。
この小芝居加減、どこかで見たような～～、と頭をひねっていたら、そうそう大竹しのぶだ～。コミカルなんだけどちょっとウェットな演技というか、人間くさいとでもいうのかな。

大竹しのぶは市原悦子（家政婦は見た！）と並んで２大 どうしても最後まで見ちゃう 女優なんです。どちらも普通の人ぽいのにうっかりドラマを見始めると「今忙しいのに～」とかいいながらも見ずにはおれない、途中でやめられない。やめたら気になってしょうがなくなります。

話戻ってダサい主婦のフェリ＠ベラ。
夫にかまってもらおうと様子をうかがったり、子供の顔拭いたり、男友達とげらげら笑ったり、と忙しい。夫のことは気になるけどやることはいっぱいある。メイドは気が利かないし。でも夫が帰ってくるとべったべた。うるさそうにされても、とりあえずスリッパと新聞は習慣で差し出す。
ムリにダンナと踊る場面もシーソーが片方だけ重いみたいに気持ちが通ってない。
期待薄だけどネグリジェの肩ひもを下げてベッドへ♪夫が寝ててがっくり、と肩を１０cmくらい落とし、めんどくさそうに肩ひもを元に戻す。このときのフェリは落胆で１０歳年とってた。（笑）

夫ヨハンのテューズリー。
登場した瞬間、あぁ、こいつは浮気者だ。自信家の女好きだ。（女たらしというより、単なる浮気者）だいたいマジメな夫なら胸はだけてるだろうか。やたらボディタッチする妻には無反応を装う。妻も昔は魅力的だったんだが．．．と渋い顔。（そうでなかったら５人も子供つくるか？）
メシ、フロ、お茶、しか会話がない倦怠期夫婦。妻の目を見て話したのはいつの日だったか。ふーむ、だから変身したベラを妻と気づかなかったのか。そこまで気づかれない妻というのも物哀しいが。

おてもやん化粧の小島直也さん＠ウルリック。
あの化粧、は個人の自由なのでしょうか。笑いを誘うのはあの化粧が負うところも大きい気もするし、化粧がなくても十分笑いがとれたのでは？演技がおもしろくて結構見ちゃったけど。踊り慣れてるのでしょうね。細かいステップが多いので急遽代役に立ったとは思えませんでした。
慣れてなかったら、家政婦のほうきにパコーンって顔持ってかれてたはずだ。
『落ち込んでるからって下向いてそんな顔はダーメ、ダーメ。（無理やりでも）スマーイル　(^^)d 』が気に入った。

ああいう道化的キャラで目が釘付けだったのは、かつて見た中ではKバレエのドン・キでガマーシュ役だったサイモン・ライスだな～。主役そっちのけで見てしまいました。舞台袖でもなにがしか演ってるもので、ついつい目がそっちに。
そのときの配役表を紛失してしまったけど、パンフレットにサー・アンソニー・ダウエルがKバレエ名誉総裁として蝶ネクタイ姿で掲載されていたのを発見。指揮者か主催者の紹介ね、と思って見過ごしていた。だってねぇ、温和そうな人物に見えるからカラボスでもドロッセルマイヤーでもないし（普段でもそうだったらアブないが）、若かりし頃がレッドフォードに見えた形跡が残ってないんだもん。

ああまた脱線。
変身したベラの踊りは粋で都会的で大人のエスプリ（この使い方合ってるだろうか）を感じました。ダンナ（ヨハン）はやっぱ自信家だ。魅力的な女性（妻）が男達に囲まれていても余裕で自分のものにできると思ってる。物腰がそんな感じ。仮面舞踏会の場面で再びこうもりの羽つけて舞い上がっちゃったのは、文字通り（気持ちが）舞い上がっちゃったんですかね。
ますますベラ有利！で近づいては突き放し、宙づりのダンナを逆さにしてキスしようとしたり。（してた？）

牢屋に入ってるヨハンが歌う場面。吹き替えだろうけどいい声ね～なんて思ったら日本人でした。オペラ歌手なんでしょうか。

フェリがスキンカラーのレオタード姿で踊るPDDが一番素敵でした。バレリーナはがりがりで胸がちっちゃい人が多いけど、フェリは肉感的（というか、あまり気味）。そこだけ異質の正統派バレエになりすぎないのは、この演目には却って合っているように思える。なにしろ元は『ダサい主婦』ですから。
素敵なPDDなのに、ヨハンの背中でこうもりのちっちゃな羽がぴらぴら。笑うとこじゃないけどなんだかニヤニヤ。ヨハン、軽く浮かれてるのね。

再びダサい主婦に戻ったベラは、ダンナをうまく操るいい女房になる自信がついたのねぇ。ダンナの顔色は窺わなくなったし、スリッパもはいはいと履かせて傷心のヨハンを甘えさせる余裕も見える。ヨハンは羽を切られておとなしくなり、妻と向き合うようになる。

このあとベラが小出しに洗練されていって、最後にあの謎の女性になると面白いよね～。妻の術中にはまっていたと知ってヨハンがっくし。２秒後には立ち直って今度は（あらためて）妻にセマルかもね。

と、書いたあとによくよく見ると、

ラストに美しいベラのままヨハンとワルツを踊るんだから謎の美女が妻だったとヨハンは最後に知ってるんでした。最後をよく記憶してませんでした．．．。でも唐突すぎる気も。個人的には美女が妻だと知ったヨハンの驚きとか妻にでれでれしてくとことか見たい。

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フェリのお腹周り、かなり気になってしまった。
スキンカラーのレオタードがだぶだぶなのか？それとも肉が...。

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