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戦争について思うこと(3月25日の日記)


とうとう来ちゃいましたよー、その時が。
うちの彼(夫・29歳)が戦争にかり出されることになりました。
来る日曜日出発だそうです。
近々来るとは解っていたものの、
ちょっとやっぱりショックです。
骨が凍る思いって言うか・・・
何かあったらどうしよう。
そんなことばかり考えてしまいます。
前線に出るわけではないけれど、
何があるかわからないですもんね、戦争だし。



ずっと、ずっと、考えています。
戦争のこと。
反戦を唱えると、
「真実を知らないから反対できる」
「フセインがどんなにひどいことをしているのか知れば、
反対など出来ないはず」
「クルド人虐殺のことは知っているのか」
などなど、
賛成派の人に思いっきり言われてしまいます。

確かに、フセイン大統領は、暴君であることに間違いは無いと思います。
一国の主となったら、国民の為に政治を行うべきであって、
自分の為に国民を利用するのは間違っているとも思います。

でも、戦争?

フセイン大統領の政権を快く思っているイラクの一般市民は、
多分殆どいないんじゃないかとも思います。
どうにかして国を、制度が変わってほしいと、
一歩踏み込んで、制度を変えてやりたいと思っている人は、
きっとものすごい数に上るはずだと思います。
フセイン大統領からの罰が恐ろしくて、
声を上げられない状態であるのだろうなとも。
人殺しをなんとも思わないように見えるから。

でも、戦争?



他に手は無いものでしょうか?
「話してもわからないんだからしょうがない」
と、賛成派の方々は口をそろえておっしゃいます。
フセインの失脚を渇望する、
無実の一般人を犠牲にしても、
「しょうがない」
のでしょうか?
暴君を倒すためには、それも、
「正義を手に入れるための犠牲」
なのでしょうか?

フセインが、彼自身の野望・欲望の為に、
自国国民を殺すのをなんとも思っていないと責めますが、
アメリカが、彼ら自身の正義を押し通すために、
他国国民を殺すのを「やむ終えない」とするのは良いのでしょうか?
「正義のための戦争」だから?

フセインが細菌兵器を使ったりして、
自国民や、他国民を殺すのは良くないが、
先の大戦で他国民である日本の大量の一般人と、
少なくない自国民を殺害し、
後々まで放射能被害を残しておきながらも、
「勝てば官軍」で成功した戦略の例として、
「ヒロシマ効果」を上げ、得意そうにしているのは良いのでしょうか?
「正義のための戦争」だから?



難民救済の為に全力を尽くすとか、
出来る限り一般人の犠牲を出さないようにするとか、
耳障りのいい言葉が聞かれます。
しかし、国境まで行くお金も手段もない方々は、
どうすればいいんでしょう?
フセインを倒し、戦争が終わるまで、
生き延びられなかった一般人の方は?
渇望している、より良いイラクの姿を見ることなく、
この世から消えてしまうかも知れない人たちのことは?
「より良いイラク」と「世界の安全」のための、
正義の為には、それくらいは安い犠牲なのでしょうか?
彼らは喜んで死んでいくのでしょうか?
より良い生活をしたいからこそ、
生き延びたいのではないでしょうか?
もし私が私の家族を殺されても、
「フセインを倒してくれてありがとう」
って思うのでしょうか?

どんなにいい世の中でも、
愛する人がいなくなってしまったら、
意味がないと思います。
一緒に自由を謳歌する、愛する人がいなくなってしまったら。
どんなに辛くても、愛する人が生きているほうがいい。
愛する人とともに日々を過ごしていけるほうがいい。
心が狭いのかしら?
イラクの一般人がどういう生活をしているのかは、
想像を絶するけれど。



国家間の争いでは、政治的意図が多分に含まれているため、
余計に全然政治家のそれとは関係ない所で、
無実の人間が死んでいくことに、
どうしても嫌悪感を覚えずにはいられないのです。
私はどうしても、国と国のことよりも、
人間のことを心配してしまいます。
「考えが甘い」のでしょうか?



ピンポイントで攻撃できるミサイルや、
高性能のレーダーなど、
技術はものすごい進歩を遂げているとは言っても、
戦争と言うものは、結局は原始的なものであると私は思います。
理性よりも、怒りや恐れ、と言ったような、
原始的な感情が支配するものだと思います。
子供同士の喧嘩のように、
未熟な内面が引き起こすものだとも思います。
「フレンチ・トースト」を、「フリーダム・トースト」に改名した、
なんていう本当にバカらしい話にも見られるような、
幼稚な面が引き起こすものだと思います。

保育園に働いていると、
こどもの喧嘩を仲裁することはしょっちゅうです。
Aくんが、Bくんの邪魔をして、
止めてと言っても聞かなかったから、
とBくんを殴る。
そんなことが多々起こります。
その時、私がいつもいうことは、
「たとえ相手が意地悪をしたり、
悪いことをしたからといって、
そのお返しに同じ事をするのは
間違っているのよ」
です。
叩かれたからと言って、
意地悪されたからと言って、
同じ事を仕返すのでは、
相手の低いレベルに、自ら降りることだからです。
良いことは何か知っているのに、
その場の感情(この場合は怒りですが)に支配されて、
低いレベルに下がったのでは、
自分自身の為に良くないからです。
それに、叩き返したからといって、
現状が良くなることはほぼ無いといって良く、
更なる喧嘩、殴り合いに発展することが目に見え、
建設的では無く問題解決に繋がらないからです。
それなのに、大人たち(国)は。こんなところから暴力を学んでいくのではないかと思います。

コレは大人同士の諍いにも当てはまると思っています。
国と国との間にも、です。



反戦を唱えるのは無知だからだと言います。
では戦争に賛成するのは、利口だから?
そんなに利口なら、戦争以外の手を捜すことにもっと努力せよと言いたい。
そんなに利口なら、
戦争によっては戦争はなくならないと言う事に気づかないのだろうか。
戦争によってはテロはなくならないと言うことに気づかないのだろうか。

こんなこと書いている間にも、
戦争は続いていて、
そのために誰かが死んでいる。
ピンポイント攻撃を報道では前面に出していますが、
B52も飛んでいます。爆弾を落としています。
B52はピンポイントじゃない。
東京に空襲してきた時と同じ。
無差別爆撃。
そこにいるのがフセインであろうが、
民間人であろうが、
ジャーナリストであろうが、
アメリカ兵であろうが、
殺すのです。

それもこれも、
「正義」の為だから、許されると言うのでしょうか?
本当にやむ終えないのでしょうか?

私の夫も旅立ちます。
私に出来るのは祈ることだけ。
死んでいったアメリカ兵たちを含む人々や、
戦地で頑張っている兵士たち、
これからも続々とかり出されるであろう兵士たち、
イラクの一般人の人たち、
いえ、イラクの兵士たちも、
私の夫のように、
家族のある、
普通の、血の通う人間であること、
国のトップの人たちは、頭だけでなく、
本当に理解しているのかな。



私は頭よくありません。
だから、反戦派です。
私は私の夫に死んで欲しくありません。
だから、反戦派です。
平和解決の、いいアイディアも、今のところありません。
でも、頭の悪いなりに、
一見いいアイディアで、簡単そうな、力による解決よりも、
無い頭をひねって、
軽い脳みそを絞って、
無実の人が死なない方法を考え続けたい。
もう戦争は始まってしまったけれど。
それでも、
頭の悪い私は、
考え続けるのを止められない。



最後に。
聖書の中で、敵を倒すことに関して、いくつかのエピソードがありますので紹介します。(かなりはしょってますけど)

①イスラエルに責めてきた敵軍を、見事包囲することに成功したイスラエル軍。
その時、キリストは何をしたか。
敵を、素晴らしいご馳走でもてなし、彼らの国へ返したのだ。
その後、敵は二度と攻めてくることは無かった。

②イエスは言った。「法典に、”目には目を、歯には歯を”と言う言葉があるが、
私はもっと良い方法を知っている。
右のほほを叩かれたら、叩き返すのではなく、
左のほほも差し出しなさい。」

③全ての事柄以前に、そこには神の法がある。
それは、「自分の隣人を、自分を愛するように愛すこと」
と言う法である。この、神の法に従って生きるのであれば、
誰も傷つけることは出来ないはずである。
もし相手が良い隣人ではなかったとしても、
自分を愛するようにその隣人を愛しなさい。
そうすれば、いつしか、その隣人に神の炎が降りるであろう。
ここで言う神の炎とは、戦火による炎ではなく、
相手自身の内面から湧き出る自戒の念、反省の念である。



かなり意訳です。わかりにくかったらごめんなさい。
私はクリスチャンと言うわけではありませんが、
聖書は素晴らしい哲学書だと思っています。
人生の真実が垣間見られると思っています。
「己を愛するように汝の隣人を愛せ」
は、私の人生哲学でもあります。

私がこの聖書の例をひいて言いたかったのは、
ブッシュ大統領がよく神を引き合いに出し、
この戦争がいかに正義の戦争であり、聖戦であるかを強調しようとしますが、
本当にクリスチャンならば、戦争はしないはず、許されていないはずだと言うことです。
「己を愛するように汝の隣人を愛せ」と言うのが、
大前提にあるわけですから。
ローマ法王も、遺憾の念を発表していました。



戦争に対して無力感で一杯だった私ですが、
「あきらめてはいけない」と言う言葉に触発され、
勢いで戦争について思うことなんぞ書いてみましたが、
やっぱりまとまりの無い文章になってしまいました(涙)
文才ないんです、ごめんなさい。



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