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“新・戦争論
★★★★☆
むやみやたらに戦争を煽るわけでもなく、かといって、理想ばかりの平和論を述べるわけでもない。
緻密な戦争史の研究・分析から、今どうすることが必要なのかを冷静な視点から明言しておられます。非常に興味深く読めました。
特に、思わずうなってしまうのは、副題にもなっている『消極的平和主義から積極的平和主義への提言』です。
今の日本は、戦後の左翼教育のおかげ(!?)ですっかり似非平和主義が瀰漫しています。
左の方々は『憲法9条のおかげで日本は平和』だとか『みんな仲良くしましょう。話し合いで全て解決』なんて、俗耳に入りやすい甘い言葉ばかり。
著者はこれを、自分がよければ他はどうなってもいいというなんとも身勝手な『消極的平和主義』と一刀両断しています。
そして、日本が世界の中でなすべきことを、世界が不戦時代に突入した今すべきことを、緻密な世界戦争史の分析から述べておられます。これを著者は『積極的平和主義』と言い、日本は消極的平和主義から積極的平和主義へとシフトすべきだと主張しています。
そして、日本が積極的平和主義にシフトすることが真の世界平和にも貢献していくのです。
非常におもしろいです。特定のイデオロギーに支配されていない冷静な分析。冷静な提言。だからこそ説得力がある。なぜ積極的平和主義に移行すべきなのか?これがとても冷静に、論理的に説明されてますので、是非読んでみてください。まさしく慧眼の書です。
=== 57冊目 読了 ===
石原慎太郎 『新・堕落論』 2011年08月22日
藤原正彦 『日本人の誇り』 2011年06月05日
伊藤貫 『中国の核戦力に日本は屈服する』 2011年02月09日