なんて愛おしい存在なんだろうかと、日々新しく思う。子供は偉大だ。
わたしをここに繋ぎ止められるのはこの子だけ。
隣に並ぶと、つむじの渦巻きが少し近づいた気がした。太陽に透ける髪が柔らかく光を含んでいる。
わたしが幼い頃に悩んでいたことを同じように悩むこの子にDNAを感じる。
かつては周りが勝手に期待して勝手に落胆していくことに、随分と心が削られた。注目されたくなかった。放っておいて欲しかった。ただの村人Aでいられるようになった安堵は、わたしを重圧から解放した。
誰もわたしを知らない。誰もわたしに期待しない。それがとても心地よかった。