よんきゅ部屋

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Sep 16, 2006
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今日は今にも雨が降り出しそうな天気、たまにはこういう曲もいいかなとかけてみた。数あるヴァイオリンソナタの中でも美しさとほどよい華やかさのあるとてもいい曲である。作曲されたのは1886年、かなり20世紀に近い作品であるにもかかわらずそういった部分を感じさせない。しかし、だからといって単純なだけの曲でもない。すばらしいバランスである。

ところが、当時のフランスではこういう純粋な器楽のための曲ははやらなかったそうで、初演からしばらくはあまり評判は高くなかったようである。ちなみに、この曲はヴァイオリニストで作曲家のイザイに贈られたものである。

第1楽章で短い序奏の後に出てくるテーマが、他のすべての楽章に出てくることで全曲的な統合がなされている(循環形式という)。学生時代に楽譜を買って練習をしてみたが、ヴァイオリンパートは一見すると簡単そうであるにもかかわらず、表情付けは難しい。また、ピアノ伴奏があってはじめてちゃんと成り立つようにできているのだ。弾いていて自己嫌悪になりやすい楽章。

第2楽章は情熱的な曲。これを学生時代に同期に聴かせたら「サスペンスドラマに出てきそうな音楽だねえ」と言っていた。当時のドラマならあり得るなと、最近UHF曲でよくやっている再放送を見ていると思えてきてしまう。今ならちょっと違うな...。

第3楽章は「レチタティーヴォ-ファンタジア」と書かれていて、ヴァイオリンが比較的自由に旋律を歌う。途中盛り上がる場所は確かに幻想的な感じ。最後は暗い表情で終わっていく。派手なだけではないヴァイオリンの一面を見せてくれる音楽だと思う。

第4楽章はロンド形式で、優しい冒頭の旋律や華やかな第2主題とでも呼べそうな旋律が何度も出てくる。どちらもヴァイオリンとピアノが1小節分離れて追いかけっこをしている(しかも順番が入れ替わったりする)。そういう追いかけっこがかなり長く成立し続けるような旋律を考えるというのはすごいことで、作曲家の頭の良さを感じる。最後の盛り上がりは見事で、ここではピアノの存在感もバッチリだ。

ヴァイオリンソナタはピアノがいないとやはり張り合いがないので、伴奏がほしいところなのだが、どうもこの曲の伴奏はかなり難しいらしく、大学時代の同期にも「やってみたいけど指が届かないよ~」ということで断られた。いずれやってみたいとは思うが、これはもう、娘が上手になってからお願いするしかないか??





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Last updated  Sep 16, 2006 11:34:18 AM
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