◇ 鐘の音 ◇
シテ 太郎冠者
アド 主
【あらすじ】
太郎冠者の取り違えもの。
主人から「成人を迎えた息子の祝儀に黄金の太刀を渡したい。価格調査に行ってこい」と命を受けた太郎冠者。
意気揚々と出掛けるも、主人には
「金の値」(萬斎風解説によれば(笑)=プライス オブ ゴールド(≧m≦))を聞いてこい、とだけ言われたのですっかり「鐘の音」(=サウンド)だと思い込み、鎌倉へ出かけては何の疑いもなく
寿福寺、円覚寺、極楽寺、建長寺の順に周り、鐘をつきまくって音を確かめる。
「やっぱ建長寺がナンバーワンっすね!」
自信満々に結果を報告する太郎冠者に主人は呆れ果て家から放り出す。
一旦はむくれるものの、主人は面白いことが好きなので機嫌を直してもらおうと道中の土産話を小唄にして唄う。
そんな太郎冠者の姿を見て主人は許す。
※大蔵流は他に仲裁人がおり、仲を取り持つ。和泉流でも、留メは「追い込み」もあるようです。