青藍(せいらん)な日々

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第40話 シンプル



エンジンはインボードでも船外機でも良い。
夜間航行をしないなら、航海灯は不要。でも、万一遅くなったらと言う場合は非常用の電池式航海灯というのがある。必要な時だけ設置できます。キャビン内の照明もキャンプ道具を売ってる店に行けば、様々な照明が売っています。又は、乾電池式の壁に貼り付けられる物もあり、これなどつけっぱなしでも心配は要らない。そういう事を考えれば12Vバッテリーさえも要らない。ランプ照明はロマンチックなムードたっぷりです。

ギャレーの清水もフットやハンドポンプにすれば、いつでもスイッチ無しで即使えます。だいたい、ヨットの中でそんなに大量の水を使う事もほとんど無い。飲み水はたいてい皆さん、コンビにのペットボトルを持ってこられます。それで、プレッシャーポンプが不要になる。ヨットでシャワーを浴びれると思うと便利なようで、実際はあまり使われてい無い。

エンジンが船外機なら、スタンチューブからの水漏れの心配が無い。そうなら、電動ビルジポンプなんてのも不要です。まして、マストがオンデッキなら、船内に水は入らない。

何も無いなら、無い分だけ壊れる事も無ければ、心配も不要。それだけ気分は随分楽になります。帰ってきて、ビルジ見なくて良いし、バッテリー切ったかも心配しなくて良い。トイレはあった方が良いという向きも多いが、男ばかりならたいてい外に出す。それに、デイセーリングでは使う事もあまり無い。まあ、女性の場合はそうも行かないでしょうが。どうでもと言うなら、入り口を閉めておけば個室になる。そのうえカーテンで仕切っておいても良い。

冷たい飲み物は12V冷蔵庫より、アイスボックスに氷入れておくほうが手っ取り早い。冷蔵庫が冷えるには時間がかかります。家庭用のように24時間電源が入っているわけでは無いからです。それに冷蔵庫が回っている間、バッテリーの方も心配になる。それで、セーリング中もエンジン掛けっぱなしとなる。

こうなってきますと、実にシンプルです。大型艇も含めて、殆どのセーリングはデイセーリングです。デイセーリングなら、やろうと思えば、こんなにシンプルにする事もできる。それでいて、そんなに困る事も無いはずです。シンプルは気楽だし、その分安価になるし、セーリングを楽しめる。
たまの宴会でも、ランプを灯してやるのも良い雰囲気ではないでしょうか。コンロはカセットコンロで充分。実際、ヨットにオーブン付き、3バーナーガスコンロというものがついていても、カセットコンロを持ちこんで、それを使っているオーナー多い。或いは、キャンプ用の2バーナーというのもあります。ちょっと料理するには充分でしょう。まして、オーブンを使っているオーナーは殆どおられません。コーヒー入れたり、ラーメン作ったり、その程度ならカセットコンロで充分。ガス漏れの心配も不要になってくる。

気楽なセーリングを目指すと、これだけシンプルになります。それでいて困ることは無いのです。 頭でいろんな場面を考えていると、何でも必要に思えてきます。でも、実際、それらの便利さを享受している人は少ないのです。もし、このシンプルさからスタートしたとしても、後で、やっぱりこれほしいと思ったとしても、全て、後からでも設置できるものばかり。徐々に、自分のスタイルで必要な物を付けていくというの一案ではないでしょうか。照明にしても、造船所のきまりきったやつでは無くて、自分の好きなタイプを付けても良い。そうやって、少しづつ自分なりのスタイルを作り上げるのも楽しいと思うのですが、いかがでしょう。



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