背中合わせ




一番近い場所に 貴方がいるのに

一番見たい 貴方の笑顔が見れない

彼も私も 振り向くことだけを恐れている

ただ私は 遠い空の彼方を見ているだけ



お互いの体温が すっと心に伝わってくる

心地よい暖かさに身をゆだねるけれど

私が流す一滴の涙は 貴方にはわからない

彼には 絶対気づかれたくない一粒の雫を



一言だけ もう二言だけ 貴方に伝えられる

けれど 私に返ってくる言葉は聞こえても

あなたがどんな表情で返しているのかは 知ることができなくて

私も 言葉だけでは明るく接して



背中合わせ まだもう少しだけここにいて

貴方が何処かに行ってしまわないように

まだ 貴方を感じたいから

寒さよ戻ってこないで 風よ私を通り過ぎないで



まだ このままでいて


そして ただ時が過ぎますように



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