かなめ プレゼント★




ずっとテレビで見てきてあこがれていた。そして今、その人に会おうとしている・・。


    奇跡の足跡


「は、はじめまして!」そう言って私は彼に挨拶をする。

「初めまして。君の名前は?」あたりまえのように名前を聞いてくる。

今、私がいるところは「恋Day」(レンディ)というデート番組。

この番組では募集の中からランダムで選んだ人と、芸能人がデートするというプランだ。

そしてはがきを送って選ばれた私―竹下綺羅が人気アイドル、ジャニーズの井上啓とデートすることになった。

「私、竹下綺羅といいます!・・あなたは啓・・さんですよね?」

「あぁ。啓でいい。君も綺羅でいいか?」

「はい。なんとでも呼んで下さい!」

彼を知ったのは1年前のライブ。友達の誘いで見に行ったのだった。

ジャニーズのわりにソロで活動している彼をみて・・一目ぼれだった。

歌う姿も、演技も、まるで劇を見ているようだった。

そして、テレビでこの募集を見たとき、5分でポストまで行って出してきたくらいだった。

だけど、ライブのときずっと私をにらみつけているようだったのが疑問で、そのせいで応募したのもうそではない。

「では、スタートします!3,2,・・・」

パンッと音が鳴り、収録が始まる。

「ねぇ、手、つながない?」そう言って彼が私の手を握った。

「あ。・・・うん。」私も握り返す。

この番組以外に「恋してる?ハニマミ」という番組があるが、

それと違ってこのデートは彼女と彼がやってみたいプランを考えてするものだった。

「じゃぁ、俺から行くけどいいか?」そういうと彼はある茶屋へ行った。

「ここは・・?」見た目からして豪華なものではなかった。

「ここは俺のなじみの店。特別な奴しか教えないんだぜ?」

「へぇ~じゃぁ恋Dayは特別ってこと?って、これ全国放送だよ?」

「あ・・・ま、いっか」そう言って彼は笑った・・。


「次は、私だよね・・じゃぁ、ここで!」

ついた先はライブハウス。・・最初に彼を見た場所。

「何でこんなところなんだ??」

「そっそれは・・・まぁ、中に入ってみようよ!」

私たちが行っているデートプランは事前にスタッフに連絡してあって、すべてか仕切り状態だ。

「うわー・だれもいねぇな。さすがに・・。」

「やったね~!・・そぅそぅ、啓、何か歌、歌ってよ?」

「・・それもプランのうちなのか?」

「そだよ!」そう言って紙を見せる。

「しょーがないかっ・・・」そういってあの曲―ライブのときの歌を聞かせてくれる。

「あの時 君に あえていなかったなんて 俺は思いたくないけど~♪」

私も一緒に口ずさむ。

~あの時君に あえていなかったなんて 俺は思いたくないけど~♪

~今君に誓うよ 今一緒にあえたことに ありがとう~♪

~そして 今君を 愛してる~♪

「・・・・・久しぶりに歌ったから疲れたな・・」

「えっ?いつもうたっているんじゃないの?」

「だって・・お前との出会い記念日に歌った曲じゃん。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?知ってたの、私のこと?」

「あぁ。あれ、一年前だっけな?ほら、ぶつかったときあったじゃん。」

「えっと・・・・あれのこと・・!?」

そのライブの日、私はある人にぶつかった。・・それが彼だったみたいだ。

「あんとき「ごめんなさい」じゃなくて「支えてくれてありがとう」だったのにはびっくりしたぜ。」

「でもさ・・・そのとき啓じゃなかったような・・?」だってあんな作業服みたいな人同一人物なんて・・。

「あれ変装。それくらい分かれよ。・・それ以来お前を見てたんだから。

 ライブが始まったとき、綺羅が一番前の席にいたろ?それでなんだか目が離せなくなってた。」

見てたのって、そのせいだったんだ・・・。なんて少し心でうれしかったりする。

「えと・・それって、まさか・・!?」

「お前鈍感なんだな、そだよ。1年前からお前に片思いだった。

 だからデートする相手を選ぶときもすかさずお前を選んだ。

 ・・・・・返事は?」

「あ・・・・・そうだったんだ。」そう言って一拍おいて

「私も大好き!」そして啓を抱きしめた。

あの時憧れで終わっていれば、それまでだったかもしれない。

でも、アイドルだからって壁に立ちはだかったって、壊していけばいいじゃない。

勇気が、君とまた再会させたんだよね――ありがとう。

「俺も好きだよ」そういって啓は私にキスした。


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