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戦場の薔薇
鎧皇機神ヴァルシード
序章
現世より英霊の至る世(くに)、クウェルノ・ヴェーレ。
それは、人の歴史に名を列ねし英霊達の第二の故郷…。
彼の者は戦国の時代を生き、数多の兵を切り伏せた将。そして、またある者は持てる叡智を振るいて歴史を操りし賢者。
時を越えて集いし彼等の魂は、死した後もこの世で鎬を削る。
記憶も無く、己が何者かも知れぬというのに、英霊達はその本能に従い幾千年を再び生きるのである。
そんな猛る兵達の戦国の乱世に、また一人、強き魂の持ち主は落とされた…。
「ここは…何処?」
セーラー服に身を包んだ一人の少女は、山深い森林の直中で周囲を見渡した。
彼女の名は、真田翔子(サナダ・ショウコ)。
美しく、腰ほどまであるしなやかな黒髪の似合う、女子高生である。
目鼻立ちがクッキリとし、凛として大人びた表情を持つ彼女は、通う高校の中でも少し特別な存在だった。
彼の有名な真田幸村が直系の子孫に中る、名家真田家の御息女。
成績優秀にて容姿端麗。その上、運動神経は抜群で幼少の頃から仕込まれた剣道の才は県内トップの成績を誇る。
才色兼備という言葉が誰よりも似合うそんな彼女だが、それだけに、周囲からも特別視されて育った経験を持つ。
端からから見れば、近寄り難い雰囲気があったのだろう。
その為、友人と呼べる者も誰一人おらず、これまでの人生を孤独の中で生きて来た。
「…尋ねた所で、誰も応えてなんてくれない…か」
周囲には、確かに人の気配などなかった。
だが、その言葉が向けられていたのはそんな所ではなく、自身の持つ過去にだったのかも知れない。
生まれて此の方、見た事のない景色。
鼻腔を擽る澄んだ空気は、彼女の住んでいた都会では決して味わえない初めての香りを含んでいた。
そんな中、彼女は冷静に振り返る。
自分が何故、こんな場所に立っているのかを…。
「…確か、車に撥ねられそうになった子猫を助けようとして…」
何時もなら、自宅から学校までをリムジンが送り迎えしてくれるのだが、その日はたまたま徒歩で通学していた。
勿論、迎えは来ていたのだが、それを自ら断ったのだ。
その理由までは思い出せないのだが、確かに、自身の意思で徒歩での通学を望んでいた。
だが、その判断が彼女に悲劇を齎した。
同じ高校に通う生徒達の周囲の憧れとも取れる視線を尻目に、一人通学路の交差点を歩く彼女。
そこへ、唐突に現れる暴走車両。
彼女自身からは距離もあり、交通事故からは遠退いた場所に在った。
しかし、そんな彼女の目に飛び込んで来たのは、暴走車両の進行方向へと近付く、小さな影だった。
「危ないっ」
咄嗟に持っていた鞄を放り投げ、その小さな影へと駆け寄る翔子。
なまじ運動神経に優れていた事が災いした。
小さな影の正体は、まだ目も開かない掌にも容易く乗ってしまいそうな子猫だった。
歩く事も儘ならぬ四本の脚で、大方母親でも探していたのだろう。
しかし、不運にも、そこが交差点のど真ん中で、更に不運な事に、暴走車両の進路に飛び出してしまっていたのだ。
幸運だったのは、それに気付き、救おうと走ってくれた者がいた事。
だが、それもまた、不幸以外の何物でもなかった。
キュキュキュッ、キィィィーーーー…ドンッ!!
暴走車両の運転手が咄嗟にブレーキをかけていた。しかし、居眠り運転でもしていたのだろう彼の反応は、あまりに遅過ぎた。
スリップ音の後に鈍い衝突音が響き、その数秒後には、周囲から悲鳴が上がっていた。
「………良かっ…た………」
翔子の腕の中から、子猫がヒョッコリと顔を出し、無事である事を確認した彼女は安堵の表情を浮かべる。
だが、何故だろう。
体は重く、動かす事も出来ない。
それ所か、どんどん息苦しさが増し、意識は遠退いて行く。
痛みなど無かった。
ただ、頬に触れるアスファルトの冷たさだけが、やけに強く感じられた。
そして、自然と降りて来る瞼に抵抗出来ず、どれ程の時間を眠り続けたのか、目が覚めてみると彼女は知らない場所…そう。ここに立っていたのだ。
「…あの世…なのかな。フフッ…バカだなぁ、私。…何考えてるんだろ」
不思議な体験の中に居る自分をそんな風に言い、その状況が可笑しくなったのか、小さな笑いが零れた。
だが、そんな時だった。
再び、彼女に不幸は襲い掛かる。
「…誰?」
背後に迫る気配に、彼女はハッとなって振り返る。
しかし、そこに立っていたのは、人ではなく、敵意を露わにした牙を剥く猛獣の姿だった。
「なに…?コイツ…ッ」
それは、見た事もない姿をした獣だった。
犬のような形をしていながら、その体表は甲虫の甲殻のような物が覆っていて、ギラついた真っ赤に光る目で、ソレは翔子を睨み付けていた。
咄嗟に身構える彼女。
しかし、飢えた野獣の牙と爪に対抗出来る手段など、今の彼女は持ち合わせていなかった。
逃げる事だけを考えろ。そんな風に、自分自身に言い聞かせる。
「グルルルル…ッ」
喉を鳴らす未知の野獣。
その身のこなしは、彼女の予想を遥かに上回っていた。
「ッ!?」
翔子が目線を離さずに距離を引き離そうと、一歩後退した直後。獣の脚は地面を強く蹴って彼女の眼前にまで迫って来ていた。
持ち前の反射神経で辛うじてその爪の鋭い一撃を交わすも、セーラー服の胸元がパックリと引き裂かれる。
「キャッ!」
ついつい女性らしい悲鳴をあげてしまった彼女は、肌蹴た胸元を押さえながらバックステップで即座に距離を取る。
逃げられない…。その俊敏な動きを目の当たりにした翔子は、無意識下でそう感じていた。
「グルル…」
再び喉を鳴らし、にじりにじりと距離を縮めて来る甲殻野獣。
一歩、また一歩と追い詰められて行く意識の中で、翔子は思った。
折角死ねたと思ったのに…。
やっと終われたと思ったのに…。
死んでも、また苦しみに苛まれるのか…。
自覚していたのかも知れない。
自身の死と今立っているこの場所が、自分の住んでいた世界とは違うという事を。
「…もう…ヤダよ…」
間合いを詰め、襲い掛かる甲殻野獣。
瞼を閉じる翔子。
諦めの言葉。それを口にして、覚悟を決めた時だった。
ガキンッ!
「ギャォウッ」
閉じられた瞼の向こうで、鋭い金属音が響き、同時に甲殻野獣の悲痛な叫びがこだました。
襲われたのは自分だった筈。なのに、体は何処も痛くなく、それ所か、甲殻野獣の悲鳴までが聞こえた。
その奇怪な状況に、翔子はゆっくりと瞼を開く。
「………え?」
そこには、野獣と対峙する逞しい鎧姿の男の背が在った。
「腹が減っているなら他を当たるんだな。…それとも、ここでバラバラにされたいのか?」
「ガルルルルルッ」
より一層敵意を剥き出しにする野獣。
だが、それに怯む事なく男はその手に握られた刀のような形状の剣を甲殻野獣に向けていた。
「怪我はないかい?お嬢さん」
「は、はい…」
唐突にかけられた言葉に、翔子はキョトンとした顔で答えた。
男は甲殻野獣と対峙しながらも、目を離さずに余裕のある言葉で彼女を安堵させていた。
戦い慣れている。それは、武道を志した事のある翔子だったから直ぐに判った。
だが、それでも隙と見たのか。一瞬、男の意識が翔子に向いた直後に甲殻野獣は動いた。
「ガゥルッ!」
鋭い爪を振り上げ、人の身の丈程もある躯体を宙に舞わせ、鎧の男へと襲い掛かる甲殻野獣。
しかし、それはあまりに無謀だった。
男にしてみれば、あえて作って見せた「隙」だったからだ。
ザンッ
鋭い斬光が弧を描き、野獣の甲殻が砕けて飛び散る。
野獣が飛び掛った瞬間に、胸部を男の剣が切り裂いていたのだ。
弾かれるように飛ばされ、ドサッと地面に落ちる甲殻野獣。
まだ息はあり、痙攣した脚がピクピクっと動いてはいた。だが、既に決着がついたと言わんばかりに、鎧の男は剣を腰の鞘に収める。
「フゥ~…。運が無かったな」
力尽き、地に伏した野獣へと放たれた言葉。しかし、それが自分にも向けられた言葉のような気がして、翔子は微かに苦笑した。
「あの…、有難うございました。助けて頂いて…」
初めてだったかも知れない。
他人に助けられた。と、いう事がだ。
だから、言うべき事は解っていても、緊張で上手く言葉に出来なかった。
だが、そんな翔子の気持ちを察してか、男は振り向いて優しい笑顔を浮かべ、言葉を返す。
「な~に、気にするなよ。…大方、ココに落とされたばかりで、まだ状況もつかめてないってトコだろ?」
こういう状況だからだろうか。
振り向いた男の顔に、少し心がときめいた。
思ったよりもイイ男。それが、率直な第一印象だった。
長髪…というよりは少し短めの金髪。
青い瞳は、何処か西洋の騎士を彷彿させる。
白馬の王子様。というには少し軽薄な感じもあるが、人の良さそうな20代くらいの若い男だった。
だが、そんな容姿の話しよりも今は気になる事があった。
彼の言葉の中に在った「ココに落とされたばかり」というその単語の真意だ。
「…落と…された?」
怪訝な表情を浮かべて尋ねた翔子。
すると、直ぐに状況を察したその男は、少し困り顔で頭をポリポリと掻きながら答える。
「え~っと…。その、何て説明すりゃ混乱しないのかな…」
どう説明すべきか。それを悩んでいるようだった。
だから、翔子は自身の推測を口にした。
「私って…やっぱり、死んじゃったん…ですよね」
「あれ?知ってたのか」
「あ、いいえ、推測でした…。でも、今は確信…ですね」
そう言って苦笑いを浮かべる翔子に、男は、なら話しが早い。とばかりに言葉を続ける。
「君が思ってる通り、ここは君の居た世界とは違う。オレも詳しくは知らないけど、何でもココは死者の魂が集う世界。…クウェルノ・ヴェーレってトコらしい」
男はそう言うと、翔子と同様に苦笑する。
だが、これでハッキリした。
やはり、自分はあの時に死んだんだ。
そして、ここはその、死んだ人々の魂が集まる別世界。
常識から逸脱した状況で、信じ難い事実。
だが、思ったほど衝撃も受けなかったし、驚きもしなかった。
まして疑う事など出来ない。
真っ先に目にしたあんな生物が普通に生息しているんだから。
だから、受け入れる事にした。
そして、どうせまた生きる事になるのなら、ここでは普通な女の子で在りたいとも思った。
周囲の目も気にせず、家柄の事を言われる事もない。
ここでは、ただの「ヒト」で居られるかも知れない。
そんな期待が、新しい世界を前に心を躍らせる。
「…なんか、妙に嬉しそうだな?」
「え、そう見えますか…?」
「いや、なんとなく」
不思議そうに翔子の顔を覗き込む男に、図星を突かれてまた苦笑する彼女。
「変わり者だな、君も。普通は、帰りたい。…とか騒ぐもんだけど」
「変わり者…か。そうなのかな」
そう言って、今度は自然と笑みを零す翔子。
それに何を感じたのか、男の顔は心なしか紅潮して見えた。
だが、次の瞬間、予想もしていなかった物が彼女の目に飛び込んで来た。
ザッ!
惚けた男の背後に、スッと微かな物音だけを発てて飛び出す黒い影。
スローモーションのように木漏れ日に照らされて現れたのは、先程切り伏せられた筈の甲殻野獣だった。
やられたフリをして息を潜め、この瞬間を狙っていたのだろう。
男が気付いた時には、その鋭い爪が彼の頭上1mほどの所にまで迫っていた。
間に合わない。咄嗟にそう感じた翔子は、既に飛び出していた。
「借りますっ」
「なっ!?」
滑るように男の懐へと潜り込んだ翔子は、彼の腰にぶら下っていた剣の柄に手を伸ばし、ギュッとつかんで男の体をクルッと180度回転させる。
そして、無駄の無い流れるような素早い動きで鞘から剣を抜き取り、そのまま一気に甲殻野獣目がめけ振り払うのだった。
ザシュッ!!
一瞬、時が止まったかのような時間が流れ、直後には甲殻野獣の胴体が空中で真っ二つに切断され、上半身は頭上を飛び越え、下半身はそのまま翔子達の足元へと転がっていった。
「…………………」
ポカンと口を半開きにして、驚愕の表情を浮かべる鎧の男。
その目に映っていたのは、しなやかな長い黒髪を風に靡かせ、上体を低く屈めて剣を構えた目を奪われる程に美しい戦乙女の姿っだった。
「…危なかったですね…」
振り向いた翔子が剣を返そうと男を見ると、彼はまるで何かに取り憑かれたかのような焦点の合わない目で彼女を見下ろしていた。
「あ、あの…」
「へ…おわっ!吃驚したぁ…」
「…?」
剣の刃を下に向け、柄をにぎらせようと差し出した翔子に、男は飛び上がって驚いていた。
そして、ゆっくりと差し出された彼の手に剣が戻ると、男はそれを鞘に収めながら彼女に尋ねる。
「驚いたな…。剣が扱えるのか」
「えぇ、まぁ…多少心得があるので…」
多少?そんな次元の技じゃない。男はそう思っていた。
彼が甲殻野獣を攻撃した時、その甲殻を破壊する事は出来ても、一撃でトドメに至らしめるほどの剣撃を繰り出す事は出来なかった。
だが彼女は同じ剣を使い、その甲殻野獣の鎧を一刃の下に両断していた。これが技量の差でなく何だと言うのだろうか。
まだ驚きの表情を崩さない男。そんな彼の表情を見て、翔子は心の底で後悔していた。
(また…やっちゃった…)
こんな風に、他人に相手との差を感じさせる。そして、自分は他人から特別視されるようになる。
だから、一人になって、孤独になって…。そう過去を振り返り、彼女は少し俯いてしまう。
だが、次に男の口から飛び出した言葉は、自身が想像していたものとは少し違っていた。
「…何処で剣を習ったんだ?」
「え…?」
「いや~、これでも剣の腕はたつ方なんだけど、所詮は独学でさぁ。良かったら、教えてくれないか?」
翔子は呆然としていた。
今まで、称賛の言葉をかけられた事は幾度もあったが、こんな風に言われた事はなかった。
剣術に関しては、自身も好きで磨き続けていた部分はある。だから、教えて欲しいと頼まれた事が率直に嬉しかった。
過去の誰もが尊敬の眼差しで自分を見る事はあっても、その視点は何処か遠くから眺めるだけのような、そんなモノばかりだった。
しかし、彼は違っていた。
会ったばかりだというのに、彼はまるで友達のように同じ視点に立ち、接してくれている。
尊敬の中に、親しみを感じられたのだ。
だから、彼女はそれに応える事を迷わなかった。
「うんっ」
満面の笑みを返した翔子に、男も笑顔で答える。
これが、彼「ヴァンハルト・ベルフ・ヒューイット」との出会いだった。
思い起こせば、この時、私の運命は決まっていたのかも知れない。
戦乱の世(くに)に身を落とされ、剣を手にし、この力を手にした瞬間に…。
「……………………」
薄闇に浮かび上がる純白の装甲。
鎧を纏う人の姿を模した機械兵器。
真田翔子という名の魂を得たその巨人を、人はこう呼ぶ。
「鎧皇機神ヴァルシード」と……。
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