A Fujiwara period

A Fujiwara period

第二章 絶望、そして・・・


あたりを見回すと、どことなく消毒の匂いがした。
どうやらここは病院らしい。
しばらくベッドの上で体を動かしていると、先生らしき人が入って来た。
先生:「気分はどうだい?」
優しい口調で問い掛けてきた。
涼一:「あ、大分いいです。」
   「あの、、俺、何時からここにいるんですか?」
そう言うと先生はこう答えた。
先生:「三日前からだよ。全く。無理するから。。」
呆れた顔で俺に言う。
涼一:「そう、、ですか。。」
先生:「これからは無理をしすぎちゃ駄目だよ?加減して運動する事。」
涼一:「はい。わかりました~。」
気の抜けた返事をする。
先生:「じゃ、また何かあったら呼んで下さい。」
涼一:「あ、はい。」
それだけいうと出て行ってしまった。

それから数時間。
俺は特にする事も無かったので、机の上に置いてあった雑誌を読んでいた。
しかし、、、
涼一:「暇だ。。。」
何もする事が無いから仕方無いといえば仕方無いけど、とにかく暇だった。
俺は雑誌を机においてベッドに横たわった。
しばらく天井を見つめているとノックの音がした。
涼一:「(先生かな。。)はい。」
返事をすると勢いよくドアが開いた。
??:「涼一!!大丈夫?」
涼一:「!!涼風?どうしてここに?」
突然部屋に入って来たのは俺の双子の妹、そして唯一の家族の涼風だった。
今は九州の有名高校に陸上の推薦でいっている。
ついでに言っておくと、俺たちの両親は父親が中学入学した時に、母親が中学卒業した時に他界してしまった。
こいつの性格はとにかくうるさい。。。
涼風:「どうしてって。。。大輔君から電話貰ったから学校休んできてあげたの!」
涼一:「あいつもまたよけいな事を。。。しかし、久し振りだな。」
俺と涼風と大輔は小学校の頃からの仲で、今は居候をさせてもらっている。
涼風は寮に入るからって断ったけど、俺は大輔のご両親の好意に甘えさせてもらっている。
涼風:「そうだね。。久し振り♪」
さらに、気性の変化がとても激しい。
涼一:「怒ったり喜んだり。。。器用な奴だな。。」
涼風:「まぁいいじゃないの^^」
まぁ、そこがこいつの良い所なんだけど。
涼一:「ところで、お前今日の夜どうするんだ?家の鍵なら持ってるけど。。」
すると、こう返事が返ってきた。
涼風:「休みは今日一日だけ。だから最終便に乗って帰るの。」
涼一:「・・・。大丈夫なのか?」
涼風:「大丈夫だよ♪」
こいつの欠点は無茶をする所だ。。。
涼一:「今度来る時はもっと余裕もってこいよ。」
涼風:「うん♪それじゃ~ね^^」
そういうと病室を出て行った。
あいつもあいつなりに頑張っている事が分かって俺は安心した。
それからまた雑誌などを読んで時間を潰していると昼食の時間になった。
部屋に看護婦さんが運んできてくれたので、頂いた。
丁度食べ終わった時にまたノックの音がした。

涼一:「(今度は誰だ・・?)はい、どうぞ。」
返事をするとバーンとドアが開いた。
今回見舞いにきてくれたのは大輔、龍杜、飛鳥、彩の4人だった。
大輔:「よっ。調子はどうだ?」
怪我する前と同じように話し掛けてくれた。
涼一:「この通り。元気だよ。まぁもう直退院も出来ると思う。」
退院はまだ先生に聴いてないが、この様子だと、早めに退院出来るだろう。
大輔:「そうか。。良かったよ^^」
安心したらしく、椅子に座り込んだ。
龍杜:「ほんっと!心配したんスから!」
飛鳥:「もう、無茶はしないで下さいね?」
怒っているような声だが、顔は笑っていた。
涼一:「あぁ。これからは気をつけるよ。」
まだこれから先、何があるか分からないけど、こう答えておいた。

続きます。


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