しまくまのお部屋

”ぴあにすと”しまくまができるまで

＜はじめに＞
日本では「ピアニスト」というと、ＣＤ販売！リサイタルバリバリ！スター！みたいなイメージをもってる方が多いんじやないかなーと思います。
が、「ピアニスト」＝ピアノを弾く人です。少なくともしまくまの場合においては、そのように解釈していただければ幸いです^^;。

＜ピアノやりたーい♪＞
ピアノを始めたきっかけ･･･これはもう、単に「友達がみんなやってるから私もしたい！」という、よくあるパターンですね。小学１年生の夏、めでたくピカピカのピアノを買ってもらって、先生のところへレッスンに通うようになりました。やいやい言って始めたわりには、練習キライ。６年生になるまで、なんとなく習い続けたという感じでした。
それでも学校で器楽クラブに入ったり、音楽会ではピアノの係りに立候補したり、と、それなりにやっぱり音楽が好きっていう気持ちはあったんでしょうね。

＜ピアニストになるっ！＞
いたって単純な性格のしまくま、小学６年生のとき、「少女に何が起こったか」という、キョンキョン演じる女の子が出生の秘密に悩みつつ、えげつないイジメにあいつつ、ピアノコンクール目指してスポコン並みの練習をする、というようなドラマにハマリました。『紙の鍵盤じゃ指が沈まない！』という名ゼリフが印象的でした。
で、その結果･･･「私も将来音大行くっ！」と一念発起。生まれ変わったように毎日ピアノを一生懸命弾くようになりました。動機はいささか不純ながらも、まあこのころからようやくそれなりに練習もするようになったわけです。弾けもしない「革命のエチュード」や「熱情ソナタ」の楽譜を買い込んできては適当に弾きちらかして悦に入っていたものです。若かったなぁ（笑）。

＜その後＞
まあそんなわけで、一応音大目指して･･･というような漠然とした目標はあったものの、中・高とブラスバンドに所属してトランペットを吹いたりして、いわゆるクラシック畑での純粋培養ではない音楽生活を送った結果、周りからも「ピアノ一筋っていうタイプじゃないでしょ。」などとごもっともな助言を頂き、学費も安いし通えるからという適当な理由で県内の某大学教育学部音楽科を受験。なんとかひっかかり、以後４年＋２年おまけで通うことに。
大学ではピアノがメインながらも、それ以外に声楽、バイオリン、クラリネット、エレクトーン、打楽器、リコーダー、ギターといろいろな講義を受け、民族音楽学と称して先生とエスニック料理を食べに行ったり、時には指揮法の講義でマエストロ気分を味わったり･･･。今思えばとてもいい経験でした。

＜ラフマニノフと出会う＞
そんな大学生活の中で、私の人生最大の転機は３回生の試験課題曲となった、ラフマニノフとの出会いです。それまで恥ずかしながらラフマニノフのラの字も知らずに生きてきたしまくまですが、「こんな曲があったのか！」と目からウロコがぽろりん！ダイナミックなのに繊細、激しいかと思うとどこまでも甘い･･･。以来一気にラフマニノフに入れあげ、ついにロシア行き決行に至るのですが･･･。それはまた別の機会に。
とにかくラフマニノフの作品と出会ったことで、もっと知りたい、もっと納得いく演奏がしたい、と、やっと自ら学ぶということを知ったしまくま。それまでは本当に恥ずかしいことながら、「演奏なんて、作曲家の意図とかにこだわらず自分の弾きたいように弾けばいいじゃない。」という怠慢な姿勢だったのですが、１音１音にこだわって演奏することの大切さに気づきました。

＜２度目の転機＞
そんなこんなで卒業試験の曲もラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」に決定し、追い込み練習に励んでいた１９９５年１月１７日、阪神淡路大震災。私の家のあたりは震度６程度で、自宅は幸いにも少しドアのたてつけが悪くなった程度だったのですが･･･。激震区の友人は水道もガスも電気も通らない生活を余儀なくされ、指導教官のお宅は全壊。卒業された先輩がお１人亡くなって･･･。うちから神戸へ出るための交通機関もすべてマヒ状態。テレビに映るあまりにもひどい光景を、ただただ呆然と見ることしかできない日々が続きました。そんな中、「ピアノ弾くことに何の意味があるんだろう？」「こんなことしていていいんだろうか？」と、ピアノを弾くことに罪悪感すら感じ、弾けなくなってしまいました。久々にピアノに触れたのは半月ほどたってからのレストランでの仕事のとき。いつも以上に気持ちが入り、初めてピアノと自分が一体化して、感情が指先を通して音楽となり、自然と生まれていく感覚を味わいました。そして、「やっぱり、自分にはピアノが必要だ。ピアノを通じてなら自分の気持ちを表現したり、人の心に訴えることだってできるはず。」という、ほのかな自信が持てたのです。

＜現在＞
その後、自分の勉強のための演奏会出演も続けてはいますが、少しずつサロンコンサートや幼稚園などでの演奏の機会を頂くこともできてきて、聴いてくださる方と少しでも心が通い合うような演奏ができれば、と試行錯誤しながらもピアノを弾き続けています。コンサートホールの舞台の上でお客様から頂く拍手ももちろん嬉しいのですが、レストランでの仕事の時に、帰られるお客様が「ありがとう。」と一言声をかけてくださったり、一緒に歌を口ずさんでくださったり、時にはリクエストを頂いたり･･･そんな交流が持てた時、何よりもピアニストとして幸せに感じます(^^)。
娘が生まれてからは思うようにピアノに向うことができない日々ですが、子供を愛しく思う気持ち、子供の笑顔を見たときのなんともいえない幸福感などで、少しは自分の音楽も変わっていくのかな、そうなれたらいいな、と思っています。

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