ほぼ日刊三浦タカヒロ。

「どこからが安心安全?」


先日、消費者団体の方々が中心になって主催する食の安心安全についての勉強会に参加しました。
 水産分野の方からはカキの偽装混入問題を、畜産分野の方からは食肉トレーサビリティの仕組みと米国産牛肉の輸出証明制度の不安点について、そして私は無登録農薬問題についてを中心にお話をさせていただきました。
 続いて議題に移り、県で来年策定予定の「食の安心安全基本条例」についての話し合いがありました。
このなかで、生産者ならびに事業者が自己申告で安心安全の基準を自己設定し、その基準を「安心安全宣言」という形で公開することを努力目標とすることが「責務」、として明文化される予定、という点に議論が集まりました。
安心安全な農産物が世に増えていくことが望ましいことは明らかなのですが、このままでは生産者ごとに違う曖昧な基準のまま「安心安全」が世にあふれ、その気になれば(悪意を持って臨めば?)慣行農家でも取れる程度の基準になってしまう恐れがあります。これでは「有機」「減農薬」「自然農法」等々の中に複雑に埋没し、消費者、生産者双方の利益にもならなくなってしまう危険をはらんでいると感じます。
生産者ないし流通業者として、消費者とどのような信頼関係を結んでいくかは、その消費者の間でお互いに時間と手間をかけ、工夫しあって構築していくべきものではないでしょうか。
 環境にいい食品を選んで購入、生産しようと努力している消費者、生産者が報われるような、そんな制度が宮城から生まれることを心から祈っています。


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