ほぼ日刊三浦タカヒロ。

「自然の学校はじめます。」



2月も中旬。今年は例年になくあったかいです。すでにばっけが土の中から顔を出しています。露地の浅葱も、そろそろ収穫がはじまります。
家の裏の田んぼからは芹の香りがたちのぼっています。こうなってからが芹の本当の季節です。冬は鍋の具材として需要がありますが、この時期の芹はお浸しや浅漬けにしていただきます。浅葱と酢みそあえにしても美味。
春の山菜は、冬のあいだ体にたまった毒を苦味とともに体外に排出してくれているのかもしれません。
私の少ない経験則ですが、季節によって夏野菜は体を冷やし、冬野菜は体をあっためてくれてるようにも感じます。
春めくにつれ、芹の田んぼはにぎやかになります。水生生物がわんさかわいてでてきますし、それを狙って水鳥や昆虫がやってきます。
日が暮れると、芹を食しにカモが家族で飛来してきます。ぜんぶ食べられてしまっては私の分け前がなくなってしまいますので、眠い目をこすりこすり懐中電灯でぶぐります。
冬のあいだじゅう堪水し、芹を栽培し続けた田んぼ。そこによりそっている多様な生き物たち。
私はかつて、農業を生き物を排除・防除・駆除し、ボランティアで流通業に原材料を提供する業種と思っていた時期もありました。
「地球は親からの遺産ではなく、子供たちからの借り物」。
これは国際自然保護連合(IUCN)世界環境保全戦略の序文の中の言葉です。
田んぼは祖先が残してくれた貴重な遺産ですが、そこに生息・生育する生き物は子供たちからの借り物ではないでしょうか。
この春から、田んぼや畑から、農業だけでなく生き物、草花、風景にもまなざしをむけて学びあう自然学校をはじめていきます。
内容は、軽作業+お勉強+うまい食事+うまい酒。
あなたもこの指、とまりませんか。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: