しろねこの足跡

しろねこの足跡



たびたび学校で行われるレクリエーションの席取ゲームや休み時間のおにごっご、はないちもんめ・・・
おじょうさんはいつだって、自分が取り残されることがとても怖かったのです。ただのゲームでもお友達から逃げられたり、最期まで選ばれないことがたまらなく恐ろしかったのです。

そのくせ、おじょうさんは、たっだ10歳で人生に見切りをつけてしまうような醒めた言動を見せてもいました。
当時のクラス文集によくある「将来の夢」の欄には、お友達は看護婦さん、保母さん、お花屋さんなどと少女らしい言葉が連ねてありました。

その中でお嬢さんの将来の夢「フツーの主婦」と書いてあるのは異様な雰囲気を振り撒いていました。
おじょうさんは、「どんな夢をもっても、どうせ自分のいきつくところはおかあさんのように主婦になる程度だろう」と思っていたのです。

おかあさんはこのクラス文集をみて、とても嫌がっていました。

ネコは将来の夢はひとつです。丈夫な仔猫を残すこと。これだけ。おいしいご飯もひだまりもその日の幸せ。
ネコの夢は愛しい仔猫。

しろも仔猫がほしいお年頃になってきていました。



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