しろねこの足跡

しろねこの足跡

しろの恋


おじょうさんがゆっくりと教室の空気に押しつぶされていくのをしろはそっと感じ取っていました。

毎日しょんぼりと帰ってきて、無言でお人形やぬいぐるみとあそんでいるおじょうさんをみていると、なんだかしろのしいさなココロはきゅうっとなります。

でもしろは、そんなおじょうさんをいつものようにぺろぺろとなめることをすっかり忘れていました。

しろは、近所のシマと恋におちてしまったのです。
毎日、毎日勝手口にやってくるかもしれないシマのことを思って、ミャーミャー泣いていたのです。

そんなとき、しろはおじょうさんのことをすっかり忘れてしまっていたのです。


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