しろねこの足跡

しろねこの足跡

ひかりのいえ9


せつないとはこんな気持ちでしょうか。
山の上の大学に息を凍らせながらたどり着いたときにはわたしはとても疲れていました。
聴講生の手続きはできませんでした。

教官が3月で帰国するので新しい受講生は取れないとのことでした。
かまいませんでした。手続きはいいわけですから。

正確に言うと、「彼」の姿を探しにきたのです。
ロシア語の担当教官の名前はナバノフ・タリノフスキーとありました。

わたしは大分迷いながら、担当教官のへ部屋を探し、ノックをしました。
聞き覚えのある声がしました。
「ダー?(はい?)」




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