たっちゃん&シングルパパ

たっちゃん&シングルパパ

突然出産

「突然出産」


 このタイトルを見て、みなさまは何をご想像されますか??

 突然赤ちゃんが生まれてくる??

 どういうことなんでしょうね??

 これから書くことは、全て 本当にあった紛れもない事実 です。

普通では考えられない、ちょっと想像できない ことです。

 本来なら恥をさらすことになるので書きたくないというのも

 ちょっとありますが・・




 今から5年前・・ 

 社宅に住んでいた龍壱夫婦は、のほほんと暮らしていた。

占い的なことが大好きだった妻は「この時期の間に生まれてくるといいんだって」

といって、それ狙いで一時期がんばっていたんだけれど、

結局授からず、まぁ当分ないってお互い思っていた。

妻の実家でいろいろあって、子どもをつくろうっていう気も起きなかった。


前年の夏ごろから、妻のおなかに異変が起こっていた。

なんか、変な感じで腫れ上がっているのだ。

「もしかして、子どもがいるんじゃないの?」

と冗談まじりで聞いてはみたものの、

ちょっとした「特殊な腹痛」って、言われ続けた。

特殊な腹痛って?何?

だが看護婦をしていた時期が長かった妻なので、

あーそうなんだって、てっきり信じ込んでしまっていた。

何ヶ月も膨らみが引くことはなかったけど、

大丈夫ってことで旅行も普通に行ってたし、実家にも頻繁に帰っていたし、

インコを飼いたいというので、好きにさせたりと、

何一つ変わらない普通の生活を過ごしていた。


2月27日の朝、

「おなかが痛い」と言いはじめた。

ちょっとおなかが痛いだけではなさそうだったけど、

「大丈夫!?病院連れて行こうか?」

といっても

「大丈夫、仕事行って」

と、言うので、様子見しつつ仕事に向かった。

帰ってきてからも、まだ痛そうにしていたので

「つらそうだよ、やっぱ病院行く!?」

と聞いても、大丈夫としか返事してこなかった。


次の日も朝も、まだ痛そうにしていた。

でも帰ってくる返事は同じ。

そのときは

「一体どうしたのだろう・・」って思っていた。


 夜、相変わらず辛そうにはしているが、部長を務めるバスケがあり、

「何かあったらすぐに連絡して」

と言いのこして、家を後にした。

 練習中に携帯がなったので、出てみると、妻からだった。

痛さがさすがに限界らしい。

 練習を中断して、病院へ向かった。


 痛みの激しい腹痛。かなり苦しそう。

 レントゲンをとることになった。

 そして、先生からの説明。

 そこで告げられたのは・・


 「 赤ちゃん がいますよ。破水してます。本当にいままで気がつかなかったの?」


 レントゲンをとったことで、赤ちゃんに何らかの障害が残るかもしれないと言われた。

 分娩室に向かう妻。

 しばらく部屋の外で待機していることになった。


 そして・・


 2002年3月1日 午後11時10分

 泣き声が聞こえてきた瞬間、「マジかよ~!!」って思った。

たっくんが生まれた瞬間であった。

と、同時に、パパになったのであった。

 突然に。


 自然分娩、37週、2250g、破水も大事には至らず、母子ともに健康。  

 でも、生まれてくるまでの、おなかの中にいたときのたっくんは

ものすごく過酷な環境だった と思う。

 なにしろ、準備らしきことはこれっぽっちもしていないのだから。


本当に赤ちゃんがいることを知らなかったのだろうか?

 知っていたら、レントゲンは普通とらないよな・・


 そして、赤ちゃんいるんじゃないの?って思いつつも

 深く追求しなかったという龍壱もボケだけど・・

 ただの腹痛にしては、ちょっと異常な膨らみだったし・・


 いまさらのんきなことをいうかもしれないけど、

 過酷なときを過ごしてきたたっくんだから、

生命力、強運を持っている子 なんだなって思った。


 当然、母子手帳など持ってなかった。

 市役所で母子手帳貰おうとして、

 予定日を聞かれて

「3日前に生まれました」



 「はぁ~?」って感じだった。

 恥ずかしくってとても笑えないよ・・


生まれた瞬間の感動 とか、

もうすぐパパになるんだ とか、

分娩室で妻の手を握り・・ とか、

 そういうイメージしていたものが

 何にもなくて、

 突然パパになってしまったもんだから・・


 しかも、

 「この子は、あなたの子です!」って突然、前の彼女から言われたとか

 そういうのじゃないからね・・

 ありえない、ていうか、ありえない。



 でも、妊娠していたら、つわりとかで、普通分かりますよね?

本当に何にも対策してなかったのか、あるいは隠していたのか・・

 今もって不可解です。


 たっくんが誕生日を迎えるたびに、当時のドタバタを思い出します。


 いまのところ、目立った障害もなく(ちょっと知恵遅れぎみなところはありますが・・)

 無事に健康でいてくれているので、

 これから悪いことが体に起きなければいいなと・・

 きっと起きないと信じてます。

 しかし、アホな親たちです。あきれちゃってます。

 たっくんには本当につらいことばかりで申し訳ないです。

 それでも元気で明るくって、かわいくて、とても楽しくて、

 パパはこれからもたっくんをしっかりと見続けていきたいと思ってます。


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