2013.02.12
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 これらはどちらもオランダ映画監督ディック・マースによるもので、後者がハリウッド版リメイクとなっています。




 日本は地震大国ということもあり、震災によってエレベータが急停止したり、ドアが開かなくなったりして、恐怖を味わった方も意外と多いと思います。
 そんな恐怖のシミュレーション体験とともに、有り得ない仕掛け満載でお送りするホラー映画、それが『ザ・リフト』です。




 楽天を調べてみたところ、邦題は『悪魔の密室』のようです。
 邦題もホラー好きの心をくすぐりますね。
 因みに、当方が本作をビデオで観たのは高校生の頃でしたが、英語版タイトルは 『The Lift』のほかに『Going Up』という風になっていたと記憶しています。

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 ホラー映画をあまりご覧にならない方でも、少しでも興味を持っていただけるように、あらすじに影響しない範囲で楽しめそうなポイントをご紹介します。



おもしろポイント『ザ・リフト』編


  1. エレベータ制御システムの委託先となっている多国籍企業の社名がライジングサン。
    社名からして、まさかの日系企業。

  2. ライジングサン社は多額の賄賂と産業スパイによって成長したという噂の絶えない、いわゆるブラック臭がプンプン漂う企業である。
    その噂を不動のものにしたのが、ライジングサン社の受付の壁に飾られているヤス(中曽根康弘)の額縁入りの写真。

    つまり、 前回の記事 で軽く触れたハリウッド映画『ライジングサン』が公開される10年も前に、日本の政治家の汚職体質と日本企業を間接的にバッシングしていた。

  3. 主人公のエレベータ技師の名前が Felix ということもあり、彼の社用車のフロントミラーにはフィリックスのぬいぐるみがぶら下がっている。



  4. 『ライジング・サン』と聞いてすぐにスクールウォーズを想像した人は、恐らく大映ドラマシリーズにハマったクチ。







 さて、いよいよ『ダウン』のご紹介ですが、冒頭で申し上げたとおり、同監督によるハリウッド版焼き直し映画のため、旧作をご覧になった方は同様のシーンの連続に退屈する方もいらっしゃれば、旧作の間延びした感じに比べると、スピード感やグロ感がアップしたことで新鮮さを感じる方もいらっしゃるでしょう。

 しかし、根強い B 級感が払拭できない作品には変わりないため、1984年に旧作がアヴォリアッツ映画祭グランプリを受賞したような奇跡は『ダウン』では起こりませんでした。






おもしろポイント『ダウン』編


 どちらにもチープエロが最初にはさんであるのは、監督の趣味っぽい気がしてなりませんが、その代わり本編にほとんどエロがないのは好印象です(旧作は中盤に少しだけエロが入るがポロリはない)。

 一番の違いは、旧作はエレベータオタクの主人公が家庭を崩壊させてまでも職人魂を発揮したのに対し、リメイク版は存在感が薄いヘタレ男が、女ジャーナリストに尻を叩かれながら次第に責任感を発揮するように成長するところでしょう。

  1. 映画タイトル『ダウン(DOWN)』は、旧作『De Lift』の英語版サブタイトル『Going Up』と対になっている。

  2. 暇な人は、旧作と新作で同じ構図のシーンの数がいくつあるか数えてみよう。

  3. この映画が公開されたのが 2001年で、舞台となるのがミレニアム・ビルディング。

    ちょうど Y2K 問題が一番騒がれていた時期である。Y2K 問題はミレニアム・バグ問題とも呼ばれ、西暦を下二桁で管理していたシステムは、2000年~2001年の間にカレンダーや時計がうまく機能せず、これらに依存するシステムが誤動作を起こすであろうと言われていた。

    ミレニアム・バグ問題に興味のある方はこちら
  4. 米国内だけで、毎年183万2千人もの人がエレベーターという密室に閉じ込められるという事実。

  5. 女性ジャーナリスト役は、旧作は熟女風のヴィレケ・ファン・アロメーイに対し、リメイク版は若手のナオミ・ワッツが演じている。ナオミ・ワッツはこの頃が一番輝いていた。

  6. エアロスミスの Love In An Elevator が挿入歌として使われている。これは『ダウン』とともに、旧作『De Lift』の冒頭部分のチープエロに微妙につながっていたりする。

  7. まちがった非常ボタンの使いみち。



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最終更新日  2019.02.16 10:13:01


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