2004.10.20
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蜂蜜の中にはボツリヌス菌の芽胞が入っていることがあります。
 それを乳児が食べてしまうと、腸管内で菌が増殖し、毒素を放出します。
 乳児は出された毒素によって体の筋肉が動かなくなり、呼吸困難になって、重症になると死んでしまう可能性もあります。

 大人では蜂蜜を食べてもこのようなことにはなりません。それは、大人では大腸細菌叢という菌の大群が腸内に住んでいて、ボツリヌス菌が腸内で繁殖するのを邪魔するからです。一歳未満の乳児ではこの細菌叢があまりないため蜂蜜を食べるのは危険となるわけです。

 大人でも中毒を起こしてしまう場合は、ボツリヌス菌の「毒素」が入った食品を口にした場合です。有名な事例では昭和59年、熊本の辛子れんこん事件があります。
 これは、真空パックで売られていた辛子れんこんを買って食べた人が発症し、11人もの死者が出てしまった事件です。  
 多くの人が真空パックなら菌が発生せず大丈夫だと思っていました。しかし、ボツリヌス菌は嫌気性菌といって酸素のない環境でむしろ増殖するという特徴を持っていたのでした。

 一般の缶詰・真空パック食品は加熱処理されてあるので大丈夫ですが、賞味期限には注意したいですね。



 また後日その話を書きたいと思います。





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Last updated  2004.10.22 19:08:53
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はじめまして  
うさ0203  さん
専門的な日記で参考になります。リンクさせていただいてよろしいでしょうか?
蜂蜜は栄養価は高いはずなのに、ビンに1歳未満の乳児は取らないように注意書きがあるので気になって調べてみたところ、(なかなかこれについて詳しく書いてあるものが無く、「暮らしの手帖」の蜂蜜特集で見つけました)
乳児の未発達の腸管内はボツリヌス菌が住んでいた土の中の深いところと同じ無酸素状態なので増殖してしまう…ということでした。
大腸細菌叢があると酸素もあるということなんでしょうか?
(2004.10.23 12:25:00)

Re:はじめまして(10/20)  
うさ0203さんへ

 書き込みありがとうございました。リンクもどうぞご自由になさってください(^-^)

 大腸細菌叢があると酸素もある?というご質問でしたが、
 乳児でも大人でも大腸内では酸素が薄いことは変わりありません。では大人の場合なぜボツリヌス菌が増殖しないのでしょうか。
 実は、健康な大人の場合、細菌が大腸の壁をびっしりと埋めて細菌叢という群れを作っているので、外部から他の種類の菌がやってきてもそこに住み着くことができないのです。
 こういった普通に大腸に住んでいる菌の中にはあのビフィズス菌や乳酸菌も含まれています。

 体の中に勝手に菌が住み着いているなんて迷惑だ!と一瞬思ってしまいますが、実はこのように生体を守ってくれているわけです。持ちつ持たれつの関係なんですね。 (2004.10.23 14:25:59)

ありがとうございマス  
うさ0203  さん
なるほど~スッキリしました(^-^)/

>細菌が大腸の壁をびっしりと埋めて細菌叢という群れを作っているので、外部から他の種類の菌がやってきてもそこに住み着くことができない

EM菌のしくみと似てますね。
無菌状態より有効な菌を増やして抵抗力を付けた方が元気でいられる、自然のしくみってホントすごいですね~ (2004.10.23 15:46:54)

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