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ばっぷくどん 草野心平 草野心平 という名前を聞くと
ばっぷくどんがうたたねの眼を覚ますと。
毛脛がある。
見ると物凄い大人物だ。
ばっぷくどんは観念した。
ただ一撃を待つだけである。
燈台の灯が闇をつらぬく勢いで。
ばっぷくどんの眼はらんらん。
今生の見納めに右と左の景色をみた。
悲しく波うつエーテルなど。
気がつかなかった色んなものが。
初めて見える。
しまった。おれの人生は。
と。
思った次の瞬間。
大人物はいつの間にかいなくなってた。
きらめく光。
ぬくい雲。
ばっぷくどんの平べったい頭をやさしい風がなぜてとおる。
ばっぷくどんは生れてはじめて平和というものの実体を知ったかのように。
ああ。せいせいする。
するなあ。
といった。
ばっぷく。ばっぷく。
ばっぷくどんの両眼に海の碧と雲とが映る。
註・五島列島では蛙のことをばっぷくどんという由。
「ばっぷく。ばっぷく。ばっぷくどん」というフレーズがなんとなく浮かんできて、小学校だったか、中学校だったかの教科書に載っていたような気がしていましたが、本当に載っていたのでしょうか?今となっては、なんだか定かではないのですが、確かめようもありません。
とても心の広い、いい人という印象を持ったことは、今でも覚えています。
秋の夜の会話 草野心平
さむいね
ああさむいね
虫がないてるね
ああ虫がないてるね
もうすぐ土の中だね
土の中はいやだね
痩せたね
君もずゐぶん痩せたね
どこがこんなに切ないんだらうね
腹だらうかね
腹とつたら死ぬだらうね
死にたくはないね
さむいね
ああ虫がないてるね
追記
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