たったひとつのたからもの 特別編

たったひとつのたからもの

「人の幸せは、命の長さではないのです」

生後1ヶ月でダウン症と診断され、先天的な心臓疾患により、
わずか一年の命と告げられた加藤秋雪くん。
秋雪くんはその後6年と2ヶ月、両親の愛情に包まれて一生懸命に生きました。

aki

たったひとつのたからもの
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http://www.ntv.co.jp/takaramono/

10月26日(火)放送で視聴率30.1%を獲得したドラマスペシャル『たったひとつのたからもの』には、主演・松田聖子の他に、もうひとり“陰の主役”ともいうべきヒーローがいました。それが秋雪役を演じた杉森翼君です。

 この杉森翼君が産まれたのは、1998年9月1日。杉森家の次男として誕生。2450gすこし小柄だが、元気に産声を上げた。2歳違いの兄・隼也君は、弟が出来ることを楽しみにしていました。しかし…翌日、医師からダウン症であることを知らされたのです。相次ぐ検査と長引く入院。「少しでも早く家に連れて帰りたい。」母の手記にはそう書かれていました。

 翼君は、ゆっくりでありますが着実に一歩ずつ成長していきました。二年後、翼君に2歳下の弟・幹人も生まれ、杉森家は翼君がダウン症という障害を持っていることなど忘れてしまうほどのにぎやかな日々を過ごしていました。

 しかし、2003年4月、母・津久美さんは現実を目の当たりにしました。
翼君は幼稚園に行く年になりましたが、何件か回った普通幼稚園から次々と入園を断られ、差別無く普通の生活をさせたいという母・津久美さんの願いは簡単には受け入れられませんでした。津久美さんはあきらめず、幼稚園宛に手紙を書きました。

 『~「○○をとってきて」などという指示的なことがらは分かりますが、「どうしたの?」「何かあったの?」という状況説明的なことは難しいです。トイレは、一人でずいぶんできます。ただギリギリまで我慢しているようで便器の前でパンツをおろしている内にもらすことがあります。入園までに粘り強くトレーニングします。… 』など、翼君が出来ること出来ないことを正直に伝えながら、彼の将来の為にも特別扱いせずに、社会性を身につけてほしいと考えていることを綴りました。その熱意に今の幼稚園は快く受け入れてくれました。そして今年、翼君は6歳、来年小学校入学を考えなければならなかったのです。

 そんな頃、ドラマ出演の話が舞い込みました。

 “ドラマに出演する”というダウン症児にとってはじめての試みを、翼君の母・津久美さんは、すぐには決めることは出来ませんでした。ダウン症は、知的な発達に遅れがみられ、翼君も一般の6歳児に比べ、言葉がうまくしゃべれない、じっとしていることが苦手、体力も弱いなど様々な障害があります。そんな翼君が決められた演技が出来るのか?必ず過酷になるであろうドラマの撮影現場への不安…。

 しかし、来年小学校一年生になる翼君がこのドラマに挑戦することで大きな自信になるのでは…。そして、それは社会の中に未だ存在する障害児への偏見を少しでも覆すことが出来るかもしれない。何も出来ないのではない、やれば出来ることをダウン症という障害を知らない人達に少しでも理解してもらえるかもしれない。そして、翼もきっとやれば出来る…いままでもそうだったように…そんな葛藤の中、母・津久美さんは出演を決めました。

 いざ、撮影にはいると津久美さんの思った以上にうまくはいきませんでした。ただ歩くだけのシーンでも母の姿を追ってぐずる翼君。叱りながら、なだめながら初めての撮影現場の中で、奮闘する母と子の姿。

 70日間の挑戦で翼君が得たものは、何かあったのでしょうか。ドラマが終了し、いままでの生活に戻った翼君と家族を訪ねます。

 スタッフ・共演者の努力、通常のドラマには考えられないほど回した膨大なビデオテープ、決められた台本通りでなく、自然にまかせた翼君の一挙手一投足に対する出演者達の様々なリアクションや、メイキング映像や松田聖子、船越英一郎らのインタビューと翼くんとの再会などを、ドラマ未公開シーンとともに、えがいていきます。


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