
カンクロウお誕生日企画です。一日遅れましたごめんよカンクロウ(^-^;;
カンクロウ、お誕生日おめでとう(*^_^*)
↑の絵は哀鈴様より頂いたカンクロウお誕生日記念フリーイラストです。Freepage List(フリーページ)頂き物イラストへアップしました。哀鈴様、ありがとうございます!
※他の方に頂いた絵もたくさんあるのですが、カンクロウお誕生日企画のためご紹介の順番が逆になってしまってスミマセン。
では、頂いた絵に合わせて、カンクロウお誕生日記念小話です。
『姉弟の絆』(砂三姉弟他※カンクロウ主役・ほのぼの)
カンクロウが任務中につき不在の家で、テマリはドーナツを作っていた。気がつくと、そばに我愛羅がぽつんと独り。
「どうした我愛羅」
「家中、甘い匂いが充満している……」
「ああ。今日はたくさん作ったからな」
皿の上には、山盛りのドーナツ。
「そんなに……どうするんだ……」
「今日は……カンクロウの誕生日だ」
「……」
今まで、この姉弟たちは、誕生日を祝い合ったことなどなかった。けれど、不思議な力を持つ少年、ナルトと出会い、姉弟は少しずつ変わっていった。
「どこへ行くんだ我愛羅」「……」
何か考えつつ、我愛羅は外へ出た。
独り残されたテマリは。
「今までごめんな。カンクロウ……」
弟の名を、そっとつぶやいた。
我愛羅は街をうろついた。ある店の前で足を止める。
<<砂のドールショップ>>
我愛羅は少しの間店の前で立ちつくしていたが、やがてドアを開け中へ入る。中には、可愛らしい女の子のお人形がたくさん飾られていた。我愛羅は汗だくになる。すぐに店を出ようとした。
「いらっしゃい。おっ、我愛羅様。何をお探しで」店の親父は気さくに話しかけてきた。
「いや……。オレは別に……」
「分かってますよ。我愛羅様がこんなもの欲しがるわけがない。好きな娘に贈るんですかな?」「いや、娘ではない……」
「では誰に?」
我愛羅は、そこで言葉を失った。
「……」「誰ですかな?」
店の親父は特に気にもとめず、再び聞いてくる。
「いや……その……。カンクロウに……」
「カンクロウ? ああ、カラスか何か」
「違う!」
思わず我愛羅は語調を強くしていた。
「カンクロウは人間だ。オレの……」「オレの?」
我愛羅の頭に、昔のことがふとよみがえる。
『お前らを兄姉と思ったことは一度もない』
「オレの……」
「オレの?」
『……済まない』
『いいって』
あの時、肩を貸してくれた……。
「オレの……」
あったかいと感じた。頼りになると思った。たった一人の……。
「兄、だ……」
言ったとたん、胸にこみあげた想い。恥ずかしくて、くすぐったくて、うれしくて。我愛羅の頬はわずかに朱に染まった。
「ああ! 我愛羅様の兄上様ですね! 傀儡使いの!」
店員はにっこり笑うと、店の奥から人形作り一式の道具を取り出してきた。
「傀儡使いでしたら人形を作るのが趣味みたいなものですからね。出来たものより、こういう道具を贈ったほうがよろしいでしょう」「そうか……。ところで……」
我愛羅は、店員を見上げた。
「誕生日の贈り物とは、どんな風に渡したらいいんだ」
店員は一瞬きょとんとしたが。
「ああ。任務に忙しくてそういうことをなさったことがないのですね」
いいようにとると、少しかがんで我愛羅に目線をあわせた。
「いいですか我愛羅様。渡し方なんて、普通でいいんです。ただ、あなたにお兄さんのことを思う気持ちがあれば、それで十分です」
「テマリは……カンクロウを、弟だと思っているのか」
帰ってきたそうそう、我愛羅はぼそりと姉へたずねた。テマリは驚いた表情をして、そしてにっこり笑う。
「当たり前だろう? 我愛羅、もちろんお前のこともな」
「オレは……」
少しうつむく我愛羅に。
「いいよ、我愛羅。お前は……その……、いいんだ……」
テマリは不器用に、我愛羅の肩にそっと手を沿える。
「……」
「お前は何も悪くないんだ……」
「……」
「私と、カンクロウが悪いんだ……」
「……」
「ただ……カンクロウは私がしっかりしていなかったから……」
「……」
「だから、カンクロウのことは、許してやってくれないか?」
一瞬の沈黙。そして……。
「オレは別に、お前たちをうらんでな――」「ただいまじゃんー!!」
我愛羅の小さな声は、元気いっぱいカンクロウの声でかき消された。
「おっ! うまそーなドーナツじゃん!! しかもチョコがけ!! すげーたくさんあるじゃん!! それにしてもなんでこんなにあるんじゃん?」
「お前の誕生日祝いだからだろう」
テマリは呆れたように言う。
「ああ。そういえば今日はオレの誕生日だったじゃん!」
「あっこら! 手を洗ってきてから食え!」
早速ドーナツをほおばっているカンクロウに、テマリは怒鳴る。
その様子を、我愛羅は少し離れてぼんやり見ながら。
店の袋を後ろ手に隠して。
そっと兄の様子をうかがう。
「なにしてんじゃん我愛羅。お前も食えよ」
笑顔でドーナツを差し出してくれた兄に。
『ただ、あなたにお兄さんのことを思う気持ちがあれば、それで十分です』
左手でドーナツを受け取り。
右手で店の袋を差し出し。
「あ…りが……と……」
こんな自分と向き合ってくれた。
一緒にいてくれる。
兄でいてくれて。
『お前らを兄姉と思ったことは一度もない』
かつて吐いた言葉が痛い。
初めて気付いた兄への思い。大切で、大好きで。理由など分からないけれど、カンクロウが兄でいてくれて、心から良かったと思った。
気がつくと、固まっているテマリとカンクロウがいた。我愛羅が礼の言葉を言うなんて、天地がひっくり返った気持ちだったのだろう。
かあぁと赤くなった我愛羅は、ドーナツを持ったままあわてて自室へと逃げ込んだ。その様子を、カンクロウは優しく見つめた。そして、姉を見る。
「三人姉弟の真ん中は損をするっていうけど、案外いいもんだな」独り言のように、カンクロウはつぶやき、そしてうれしそうに10個目のドーナツをほおばった。
☆あとがき☆
なんだか我愛羅の話みたいでスミマセン。カンクロウごめんよぉ。あとカラスって言ってゴメンねぇ。
~おまけ~
「我愛羅。ミルク持ってきてやったじゃん」
カンクロウは我愛羅の自室へ入った。
「オレはもう子供ではない……」
「強がるなって。それよりオレミルク持ってきてやったんだぜ。何か言うことないのか?」
からかうように笑うカンクロウ。
「調子にのるなよバカ兄貴! あ……」
「今、兄貴って……」
カンクロウ『テマリが姉ちゃんで我愛羅が弟。オレ、結構めぐまれてるじゃん!』
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から。
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