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Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto @ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…
2006.12.07
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カテゴリ: 感想
 大学生の富岡秀之が通うゼミには個性的なメンバーが揃っている。手品を得意としている高屋、白馬の王子様を信じてやまない朋美、男性陣の憧れの的佳代子、そしてミステリマニアの多根井理。試験の模擬解答作りに高屋のマンションに集まっていると、ゼミ仲間の芦田から電話が。しかもその電話中に何者かに襲われた模様。誰が芦田を・・・

 東京創元社から「創元ミステリ'90」の1冊として出版された作品。現在の鮎川哲也賞の前身に当たる「鮎川哲也と十三の謎・十三番目の椅子」の最終候補作を改稿したもので、依井さんのデビュー作です。若竹七海さんや加納朋子さんよりもデビューは早いのですね。

 ありとあらゆるところに伏線が張り巡らされ、登場人物たちの行動のほとんどすべてが事件とその解決に奉仕している、そんなロジック重視のストレートなミステリです。
 密室とアリバイというトリックの重要な要素を取り込み、ちょっと一般的ではないあの建物はさながら館のようなもの。道具立てはすべて整い、さあ、あとは解決を待つだけってところで登場するのが「読者への挑戦」なのです。「読者への挑戦」なんてずいぶん久しぶりな気がします。それだけ最近はこういう本格を読んでないってことですね。反省。

 さて、このように依井さんの本格ミステリに対する造詣の深さと愛情が感じられる『記念樹』なのですが、ちょっと残念だったのは「挑戦」以後の解決部分が冗長に感じられたことと、必要と思われない登場人物がいることでしょうか。もうちょっとシンプルでわかりやすい解決にできそうな気がするし、どうせなら数合わせ的な登場人物は排除してもよかったと思うのです。
 それにしても、依井さんのこの寡作っぷりはすごいですね。4年に1作のペースです。といっても、最新刊の『夜想曲』は20世紀の作品ですが。もう書く気はないのでしょうか。もったいない。ぜひもう一度新作を書いてほしいのと同時に、初期の3作は創元推理文庫にならないもんですかねえ。
2006年12月7日読了






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Last updated  2006.12.08 18:21:46
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