2006.11.17
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どんなに強い風が吹いたって、ゆらりと体をしならせて、私にいつも、勇気をくれた。少しへこんでても、迷ってても、私に、勇気をくれた。


だから私も散らないコスモスになろう、って、昔から決めてた。
誰に対しても、って思い始めたのは、そうだな、一人になってからかな。





「じゃあな。」

いつもと同じ、簡単な君の別れの挨拶。これから起こることはもっと早いんだよ?そう両頬を膨らます私にも気付かず、君は後ろを向き、ゆっくり、ゆっくり歩いていった。



何を考えてるのか、私には分からなかった。

君が一番分かってるんでしょ?そう、聞きたかった。これでもう、お終い、ってこと。でも、そうだよね。君にとって私は一人のクラスメート。お互い背丈は一緒だけれど、目線は全然、違うんだよね。


少しだけ、口を尖らせてゆっくりと足をすすめてると、ちょっとだけ、目が潤んだ。ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、泣いた。




次の日、男友達に聞いた話。

彼は気付いてたんだとか。私の気持ちも、なにもかも。それなのにあんな態度をとったのは、彼の気遣いだったのかな。でも、私は悲しかったんだ。最後まで、君は私に水を与えなかった。


コスモスは、枯れちゃったんだよ。
コスモスは、散っちゃったんだよ。




帰り道、こぶしのなかの花びらをくしゃりと握ると、また、少しだけ、目が潤んだ。




次の日、君の手紙から知った話。

「P.S.あんまり、引きずんないでくれよ。」



やっぱり、そうだったんだね。

君は、一番分かってた。時の流れが今から早くなることも気付いてた。君は気付いてて、それで、私を自分から離した。




で、私はちゃんとコスモスになれたのかな、私はちゃんと、時間をゆっくり見つめられたのかな、って考えてみたけれど、無理だった。

コスモスになりたかったけれど、散っちゃった。
あとすこし、だったけど、枯れちゃった。




でも、今考えれば、むしろ枯れててよかったのかもしれない。
コスモスの強さに気付いて、コスモスのつらさに気付いて、なくなることを知ることができた。もっと綺麗なコスモスになろうと思った。


今、綺麗なコスモスになれてるか、っていっても、私はわかんない。今、ゆっくり時間を過ごしてるか、といっても、少し、微妙。

それでも、とりあえず、水はある。

コスモスは、咲いている。



コスモスは、もう、散らない。





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最終更新日  2006.11.17 15:59:22
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