柴田香 の kaori 's  LIBRARY

柴田香 の kaori 's LIBRARY

2009 睦月


30日(金)あの頃の君とあたしを思ひだす 若き小鳥のさへずりを聞く
29日(木)しあわせのかたちはきつとそれぞれでガトーショコラとモンブラン食む
28日(水)午後四時のつよき西日を背にまとひ 影絵のやうに鴉(からす)とまりぬ
27日(火)「またいつかおまえを連れていくから」とかなわぬ旅の約束をする
26日(月)ふとみると賞味期限が切れかけているヨーグルト 何かに似てる
25日(日)ぬばたまの夜に吸はれし想いあり もうあの頃とおなじでは無い

24日(土)大きめのタオルからりと乾きける 空がただしく晴れし冬の日
23日〈金)目を伏せし横がほなども我に似てをりぬ いもうと写りし写真
22日(木)いろどりを加へてぱつと華やかになりぬ 料理も恋も仕事も
21日(水)おなじものを食べて家族となりにけり 弁当箱と皿あらふ夜
20日(火)エンピツをナイフで削る冬思ひ けふはゴボウをきんぴらにする
19日〈月)日向ぼこ冬の日差しがあたゝかくふたり包めり休日の午後
18日(日)こんな日はすこし熱めの湯につかり踵なんかをきれいにみがく

17日(土)その程度かなと思へり受信拒否され戻りくる無題のメール
16日(金)3か5か二者択一で迷ひけり学生時代もいまも変はらず
15日(木)クセのある文字踊りゆく行間を読みて嬉しき友からのふみ
14日(水)ほんとうにだいじなものをなくさないやうに姿を消したブローチ
13日(火)交はりてまた離れゆく友があり固く結んだ手のあたたかさ
12日(月)この街に息づひてゐる日常とすれ違ひたる広島の夜
11日(日)けふの日をずつと憶へてゐるやうに二人のうへに粉雪ぞ舞ふ

10日(土)日常をえらばなかったひとが飲む 砂糖をすこし入れたコーヒー
9日(金)「大好き」に囲まれ暮らして居たいからケータイ待ち受け小池徹平
8日(木)いちばんに花瓶の水を替へし朝 水仙の香ぞ冬伝へける
7日(水)草の名も知らで作りし粥なれど掬(すく)ふ蓮華のみどりあざやか
6日(火)落日にちひさき願ひかけてをり 明日も天気になりますやうに
5日(月)ざくざくと鋏入りにし髪の毛を惜しいなどとは思わぬけれど
4日(日)山茶花の紅(あか)凛としてみゆる日は 吾も丸き背(せな)のばして歩く

3日(土)たゆたひて渡りゆきけり炬燵舟 透き通りたる水底も春
2日(金)かたはらに夫(つま)となりにしひとありてビールの泡も濃やかな友
1日(木)はつはるの朝(あした)舞ひにし粉雪を今年さいしょの倖せとする


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