ど田舎に棲む

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小ボケ弟その3


大ボケ兄と友達のコドモ達はまた別の友達が見ることになった。

そして船のオンブズマンに連絡。
彼女はダンナの船の同僚の奥さんで、奥さんたちの代表の役をしている。
そして彼女が船に乗っているダンナに連絡を取ってくれる事になった。

ワタシの車(ジープの四駆)を友達が運転して出かけたのは夜の9時過ぎ。
陣痛は弱くも強くもならず、そのままの状態だった。
アンカレッジまでの道はカチカチに凍っている部分が多く、いくら四駆と言えど滑るところは滑る。
途中で道に飛び出してきたヘラジカ(でかいんだってばこれが)を危うい所で避けたりして、3人ともハラハラしながらの道のりだった。

やっとのことで病院にたどり着いたときはもう夜中の12時を回っていた。
ガウンに着替えてベッドに横になり、モニターをつける。

この間オンブズマンから電話が入り、船に連絡が取れ今至急で一番近くの港に向かっていると言う。
そこでダンナは船から降りて、朝一番の飛行機でアンカレッジ入りすることになったらしい。
なんとか間に合うだろうか。

その後の内診では子宮口は開いていないと言われた。

32週と言うのは2ヶ月早いと言うことになるけど、もういつでも産みたい病にかかっていたワタシは、生まれてもいいと思っていた。
だからちょっと残念だった。
子宮口が開いていなければ、薬だの安静だので陣痛を止める方向に持っていくだろう。

そしてまたしばらくして、ナースがやってきた。
尿検査の結果、ワタシは膀胱炎になっているらしい。
そして陣痛が来たのはそのせいだと言う。

『抗生物質で陣痛も止まるわよ』
と言われ・・・

おシリにぶっとい一本を打たれたのであった。

痛かった~~~!!!
ただの筋肉注射の痛みではない。
足につま先まで電気がビビビッと走ったから、神経に突き刺してくれたに違いない。

そしてナースは明るく
『もう帰ってもいいわよ。』

そう言われても、まだ夜中の3時なんですけど・・・

オンブズマンに陣痛は収まったこと、これから帰ることを伝え、船に
”Never mind! False alarm.”
のメッセージを送ってもらうよう頼んだ。

これでダンナはそこら中の笑いものになっているだろう(メッセージは無線で流されるので)。

それから病院を追い出されたワタシ達は、3人で24時間営業のDe○ny’sで日が昇るまで待ち(と言っても9時過ぎまでは白みもしない)、すごすごとまた3時間の道のりを戻ったのだった・・・


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