☆心はぽっかぽか☆

大学病院が検査予約で混んでいた為に、地元 で検査したのが昨年12月。

検査結果の書類を持って母と二人、大学病院に行って来ました。

～　まずは、これまでの経緯　～

母が卵巣がんと診断されたのは平成５年の春でした。

助からないかも知れないと言われ、母には告知をせず、

手術　　抗がん剤治療　(抗がん剤ではなく強い薬で治療と伝えました)

が、同じ病室の方に　『私と同じ治療…〇〇さんも癌なんですね』

と言われ、かなり落ち込んでいた母。

そんな母に問われ

ケロッとして　『そうだよ、知らなかった』　などととぼけて言い返した私。

そして６年目を前にして、

『 今回の検査で何ともなければ大丈夫でしょう 』　そう言われて受けた検査で

再発、転移が確認され…　再入院…　手術…　抗がん剤治療…

それから更に５年で、　また再発、転移…

 ５年生存率ってよく聞きますが、母にとっては無意味な感じです。

その時は手術が出来ないとのことで、抗がん剤治療での戦いとなりました。

治療終了直後は腫瘍マーカーが安定するのですが、

数ヶ月もすると、また数値が上がり治療を繰り返して来ました。

治験薬での試みもしました。(その薬は来年までには認可されるそうです)

母は　１５年もの間、病と闘っています。

現在、母は…

１回目の手術で摘出した子宮と卵巣があった場所と、直腸に転移していて、

腫瘍マーカーの数値が上がる度に抗がん剤治療をしている状況でした。

そして

今回の検査結果では…　胃がんと上行結腸がんが見付かりました。

これは転移ではなく別口のがん。

これだけなら例え90才になっていようが手術を進めるとのこと。

けれど母の場合、手術をして体力が回復する前に、

抗がん剤で抑えている再発箇所がどうなるのか？

簡単に決める事が出来ず、本人と家族の意思に委ねられました。

薬で抑えているがんと新しく見付かったがん…

どちらの進行が早いのか？　正直、賭けの様なモノかも知れません。

がんと診断されてから15年…　当初はショックを隠せずにいた母、

眠れない日々が続き、笑う事も無くなっていた母でしたが、

少しずつ前向きに考える様になり、

大きな転機を迎えたのが

最近ではよく耳にするようになった PET検査
「ポジトロン・エミッション・トモグラフィー（陽電子放射断層撮影）」

東北大学研究室まで受けに行った時のこと。

そこで検査をして下さった先生が、

検査終了後に私と母が待っていた部屋に来て、しばらく話し込んだまま帰してくれない。

世間話しや笑い話しで１時間近くも傍にいたでしょうか。

母が笑顔を見せた時に、

『やっと笑ってくれましたね。もう帰っても大丈夫ですね。
私は笑顔こそが一番の薬だと思っています。』 

ここ数年、母は笑顔で上手にがんと付き合っています。
(私がそう思っているだけかも知れませんが)

最後は母自身が決断し、私たち家族はサポートするだけです。

一日一日笑顔で暮らすことの大切さを痛感しています。

助からないと言われた母が15年も頑張ってこれたこと、

当時、同じ病室で同じ病で戦っていた人は早い段階でみんな亡くなっています。

今では母はこんなことを言います。

『同じ病室の人たちは医学書を読んだりして深刻な面持ちだった。
私は本を読んでも訳分かんないおバカだから、
何も知らずにいられて、それで長生きしてるのかも』

(立ち向かえる強い気持ちのある方は病を知るべきだとも思います) 

母がこれまで元気でいられたのは、生命力と笑顔の結果かな？

そして感謝する気持ちと。。。

深刻な状況の中、布団に入って５分もしない内に寝てしまう母は凄いです

母の気持ちを優先してどうするか…