future butterfly

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元彼



『元彼』


「あたしに恋の時期なんてくるのかなー……。」


「何言ってんの!!愛結にだって恋して、彼氏居たじゃん!!」


「もう4年前の話じゃん…。」


そう、私には4年前、3年付き合った彼氏が居た。


14歳の私が、夜遅くに部活からの帰宅途中だった。


偶々近道の公園を通ってるとき。


彼に逢った。


部活でうまくいかなくなって、大好きだった友達にも裏切られ、悔しくて泣いていたときだった。


ふと、前に来て、ホット缶の飲み物をくれた。


「どうした?」


「え…??」


「知らない奴でも、言えばスッキリするぞ笑」


優しい笑顔で言ってくれた。


「……。あの…。部活でうまくいかなくて……。後、親友に…………裏切られたんです涙」


「そっか…。辛かったな。…………。俺もな、1ヶ月前に愛してた彼女に振られたよ笑」


何で笑ってられるんだろう??


何でこんなに優しくしてくれるんだろう…。


ふと、その人の顔を見た。


すると、遠くを見て、少し切ない目をしていた。


すぐに私はこれが"恋"だって察した。


「あ、そうだ!名前は??学校は制服からして私立の柳ヶ丘だろ?」


「あ、桜井愛結です!!はい、柳ヶ丘中2-4です!!」


「俺は崎川肇!私立夏坂高1-8!!」


「やっぱり高校生ですか!!」


「おう!!ちなみに部活はテニス部!」


「あたしは吹奏楽です!!フルートやってるんです笑」


暫く話し込んでいると、既に8時を回っていて、送ってもらった。


で、ケー番とアド交換して、別れた。


次の日


何となくすぐに終わった一日。


部活もうまくいく様になって、今日も肇先輩に会うために向かったあの公園。


それからずっと毎日会った。


そんなある日、あたしは意を決して告白をした。


「肇先輩………。」


「何だ??」


「その……」


「ん??」


「す、す、す、、、好きです……!!」


「?!」


「迷惑ですよね…でも、初めて話し掛けてきてくれたときから好きで……」


「迷惑じゃねーよ」


「え?」


「俺さ、あの日…。彼女に振られたって言ったじゃん??」


「はい…」


「理由はお前、愛結なんだよ。」


「え??」


意味が分からない。


嘘にしか聞こえない。


どうして??


「俺が一ヶ月前、この公園を通ってた愛結に一目惚れして…それからずっと彼女には黙っていたんだ。あいつ苛められてたから。」


「……」


「でもな、言われた。『好きな人いる男となんか付き合ってられない!!それに、私は自分の身くらい自分で守れるよ…。


そこまで弱い女じゃないよ?』って」


信じられないけど、信じたい。


「………。」


「愛結、好きだ。付き合ってくれ」


「……。はい涙」


信じてみようと想ったそんな日。


まさか3年後にあんな浮気現場を目撃するなんて想ってなかった。


浮気現場=元カノとキスして、ヤろうとしていた所だった。


すぐに別れを告げた。


それから想ったんだ。


オトコナンテシンジナイ


ミンナオンナジダ


モウシンジナイ


って想ったんだ。誓ったんだ。


「でも、あんな別れ方したし…あんな現場見たからにはもう恋なんて出来ないかな。」


「でも、まだ好きなんじゃないの??肇先輩。」


「な分けないじゃん。」


「じゃあ、何で携帯の裏にプリなんて残ってるの??」


「……。何でだろうね。」


「わかんないのかい!!」


「ただね、剥がせないの…。剥がそうとしても……。ためらうんだ。」


「やっぱ好きなんじゃない??」


「……………………………。……………………かもね」


確かに好きなのかも知れない。


今でもずっと……。


今日の同窓会。居るわけないよね。高校のテニス部の同窓会になんて。







つづく

あとがき

続きます。

暗くてゴメン;;

でわw



2007/11/20/夕蝶


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