負け颯

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Mar 27, 2006

遠い過去

カテゴリ：日記

過去を思い出した。
颯君も、兄貴は、優秀なのにと、よく比べられた。

兄貴は、字を書けば賞をもらい、絵を描けば賞をもらい、野球部のキャプテンで、生徒会委員だった。
日夜、比較されていた。
颯君は、悩んだ。
すでに天邪鬼だったからだ。

颯君は、思いついた。アウトロー路線にした。

おかげで楽しく過ごした。兄貴は、そんな好き勝手しても、親にも、学校にもあきらめられてる颯君が、うらやましかったそうだ。
颯君は、帰らなかった。
夜中の３時に帰ってきては、朝８時前に出て行った。

颯君は、狂ったようにバイトもしていた。

頭にあったのはとにかく自立。
好き勝手と自立は、颯君にとってセット。
颯君は高校で、夏休みのバイト代が３０万という、廻りと比較できないような金額だった。

当時、廻りは、夏休みで、多くて１2万円。

異質だった。バイトもいろいろやろうと思い、鮮魚センター、電気工事助手、４ｔトラック助手、引越し、ホテル料理運び、問屋の梱包、あと、５種類くらいあった気がする。

颯君は、休み期間以外、しなかった。
短期が多かった。
とにかく、肉体労働が楽しかった。
兄貴は、そんな自由な颯君がうらやましかった。

親父は、学生は、バイトしてはいけない。
大学に行かないのは、人間じゃない。
そんな人だった。
颯君は、逆らった。
言われたことと反対。
高校卒業時には、いきなり京都に就職。

親父は、知らなかった。
最後にトラップにかけるのってほんと楽しいよね。
あの開いた口、グラミー賞ものだった。
残念なのは観客が一人だったってこと。

颯君は、高校3年間全教科、ノート1冊と、学校でも、愉快なやつだった。
赤点を取ったことも無い。

颯君は、お茶目なやつだったのだ。

お茶目過ぎて、卒業後に、赤点をとる夢を何度もみたのは、多少の罪悪感があったからだ。

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