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イチロー“ハラキリ発言”に全米大反響

【シアトル(米ワシントン州)29日=岩渕直一】イチローの“ハラキリ・コメント”に全米騒然!? 前日のエンゼルス戦の八回、バントと走塁の連続ミスを犯したマリナーズのイチロー外野手(28)。試合後に「僕個人のワーストゲーム。記憶の中で、チームにこれだけ悪い影響を与えたことはありません」と、首位転落の責任を1人で負うコメントを残した。

 この発言が大反響。ハッキリ言って、アメリカ人は明確な証拠を大量に突きつけられない限り、自分のミスを認めることは滅多にない。この傾向はスポーツマンでも同じだ。

 その社会でイチローが、自ら“戦犯”だと進み出た。この潔すぎる態度に、現地のメディアだけでなく、マ軍のチームメート、さらには敵将までもが驚かされている。

 シアトル・タイムス紙は1面トップの見出しで「イチローが敗戦の全責任を引き取った」と報道。スポーツ分冊では「この試合、責められるべき存在は他にいくらでもいた」とイチローの態度に敬服している。

 また、先発したベテラン左腕のモイヤーも「彼は満塁の状況で落球したわけじゃないだろ」と、八回無失点の好投が報われなかったにもかかわらず、イチローを擁護。

 エ軍のマイク・ソーシア監督までもが、「私は走塁ミスとは思わなかった。二塁を取られていれば、われわれのダメージは大きかった。ホセ(エ軍のモリーナ捕手)のプレーが素晴らしかっただけだ」と発言した。

 批判の的はバントを命じたマ軍のピネラ監督に向けられた。

 試合を中継した米FOXテレビでは「そもそも、どういう発想で世界最高の打者にバントのサインを出したんだ」と素朴な疑問を提示。

 試合後の会見を拒否したことにも、「イチローに比べてあの態度は何だ」と別の局のスポーツキャスターが非難した。

 MLBの公式HPも「会見をやったところで、采配(さいはい)の説明はできなかっただろう」とバカにされる始末。

 「反省材料はいくつもあります」とイチローは雪辱を期す。残り57試合。汚名返上に燃えるイチローのプレーが、恐怖にも感じられてきた。

★首位転落に地元紙辛辣

 ア・リーグ西地区首位の座を、エンゼルスに明け渡したマリナーズに対し、地元シアトルの新聞各紙は一斉に、「パワー不足」を指摘。「今年は地区優勝もできなければ、ワイルドカードでのプレーオフ進出もない」というコラムニストまで現れた。

 各紙は「終盤ここ一発という展開で出てくる代打は本塁打を期待できない選手ばかり。セットアッパーのネルソンはピリッとしないし、エースのガルシアも、よその球団の5番手の先発にしか見えない」などと辛辣(しんらつ)なトーンで書き立てている。

 ワイルドカードでのプレーオフ進出もない、というのは乱暴過ぎるが、「何か手を打ってほしい」というのは、シアトルのファンの偽らざる気持ちだろう。

 そうした中、シアトルとダラスの新聞が、レンジャーズの左腕エース、ケニー・ロジャース(37)がマ軍へ移籍の可能性がある、という記事を掲載した。

 つい先ごろ、「家族といる時間を大切にしたい」とレッズへのトレードを拒否したロジャースが、ここに来て「西海岸のチームなら考えてもいい」と言い出した、というのだ。

 ロジャースは今季11勝5敗。緩急を使ったピッチングで、24日にはマ軍に4-3で勝っている。どんなときも、味方に勝つチャンスを与えるピッチングのできる投手として評価は高い。

~日本人ではおなじみの発言がアメリカでは珍しいことのようです。


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