りりたんのPSO周回日記

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高貴なる行ないの書



『高貴なる行ないの書』へようこそ。

高貴なる行ないの書

 以前に発売された『不浄なる暗黒の書』と本書の間には、明白な類似点が1つある。どちらも、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』に記述されている下級アーティファクトの名前がつけられているという点だ。それらのアーティファクトは、落ちるところまで落ちきった悪と、頂点まで登り詰めた正義の両極端を表している。『不浄なる暗黒の書』があらゆる悪を、すなわち『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のゲームがこれまで扱ってきた話題のなかで最もけしからぬものを取り上げているのに対して、本書はその反対の話題を取り上げている。これら2冊の本の内容の大まかな流れは、だいたい同じだ。また内容そのものに関しても、類似点がいくつか見られる。しかしながら、その本質的な機能はまったく異なる。『不浄なる暗黒の書』は、キャンペーンに登場する悪人やモンスターたちにもっとひどい悪や腐敗をもたらすのに必要となる道具を、ダンジョン・マスターに与える。一方『高貴なる行ないの書』で武装したプレイヤーたちは、自分たちのキャラクター、すなわちキャンペーンの英雄たちに、さらなる高みの武勇と正義をもたらすことができる。完全に邪悪な悪人たちとは対照的に、英雄たちは真に高貴なる行ないをなすことを求められるのである。

 自分のキャラクターに善の属性のラベルを貼りつつ、パーティにいる中立のキャラクターとまったく変わらない行動しかさせることができない点に不満を持つプレイヤーたちよ。『高貴なる行ないの書』は、君たちのためにある。本書は善の属性に何らかの意味を持たせるために、そしてその属性が示す理想を実現するために存在しているのである。

 本書は、善のキャラクターは何ができないか、を扱う本ではない。悪になるのを避けるための方法のリストではないのである。むしろ何ができるか、すなわち世界の大部分が期待する正義のさらに上を行くことによる直接の結果として、得られる力を示している。あるいは、神の代理人になる方法を示している。そのキャラクターが善の神に仕えているのか、もしくはより抽象的な善の概念に仕えているのかは関係がない。あるいは、金や経験点に引き寄せられるのではなく、より高い使命を果たす方法を示している。どのモンスターを最初に殺そうかとか、新たに見つけた宝物を使ってどの魔法のアイテムを買おうかといった選択よりも、より重い選択をする方法を示している。このゲーム世界に影響を与える、英雄的な行為をなす方法を示しているのである。

 『不浄なる暗黒の書』と同様に、『高貴なる行ないの書』も成人プレイヤー向けとなっている。邪悪や拷問に関する恐ろしい描写が本書に満ちているから、ではない。本書は、読者にショックを与えたりその感情を害したりするために書かれたものではない(一部の話題は、そうなる可能性がないわけではないが)。そうではなく本書は、倫理や道徳に関する難しい問題を真剣に取り扱っているのである。本書はゲーム内における深刻な問題に、プレイヤーやダンジョン・マスターが対処するのを助けるために作られたのだ。目にしたすべてのドラウを虐殺して、その所持品を市場で売りさばいても構わない? 自分の属性を汚すことなく、捕虜にした敵から情報を引き出すにはどうしたら良い? 要塞にいるオークの子供たちには、何らかの希望がある? それとも、やっぱり虐殺するしかない?

 これらの問題を無視するプレイヤーは、たくさんいるかもしれない。そんなことをいちいち気にしていたら、ゲームの楽しさを損なうと信じているのだ。それはそれで問題ない。しかしながら、これらの問題を議論したいと考えているグループに対して、『高貴なる行ないの書』はその方法を提供している。同時に本書は、善の属性と正義の信念を持つプレイヤー・キャラクターたちに対して、新たな機会を提供している。すなわち新しい特技、呪文、上級クラス、魔法のアイテム、通常のアイテム、そして彼らが直面する状況を解決するのに役立つルール群。これらのものは、クレリックとパラディン専用ではない。これらのキャラクターは時として、冒険者パーティにおける唯一の道徳心になりがちではあるけれど。パラディンや善のクレリックは、間違いなく本書を有効活用できるであろうが、『高貴なる行ないの書』に記述されている新しいルールは、すべてのクラスのキャラクターが利用することができる。高貴なる者が歩む正道を、歩く意志と能力を持つのであれば。

 本書が成人向けとなっている理由が、もう一つある。本書は、現実世界の宗教をある程度取り扱っているのだ。一部の人々は、この点を不快に思うかもしれない。『高貴なる行ないの書』には、次のようなものが記述されている。すなわちユダヤ教、キリスト教、グノーシス主義の天使論から名前を取ったアルコン。聖痕(訳注:キリストのからだの傷に似た傷跡)を持つパラディン。死体に触らない、もしくはアルコールを飲まないことを誓ったモンク。本書に記述されている聖なるレリックのなかには、拷問アイテムや処刑アイテムも含まれている。それらは聖人に対して使用されたため、成聖された血が今も染みついているのだ。大部分の人々にとってこれらのものは、『不浄なる暗黒の書』に記述されている忌まわしいものとは、似ても似つかないものに見えるだろう。我々の大部分は、そのようなものに対して強い信念を持っているから、たいした問題にはならない。本書が成人向けとなっているのは、これらの問題に対して大人の対応ができるかどうかが、君自身にかかっているからだ。気に入った部分だけ使用したまえ。不適切なら変更すれば良い。気に入らない部分は無視したまえ。我々は本書を、慎重にそして真面目に作成するよう試みた。そして君が本書を、そのように使用すると信じている。

『高貴なる行ないの書』

セレスチャル・パラゴン

上級クラス



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