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昨日は、ずっとずっと腹立たしい思いを抱えていた事を、つい書いてしまいました。あの「理想のホスピス」のテレビ放映の後、たまたま目にした癌患者さんのご家族のブログに、このテレビ番組の感想を書かれた方がいました。胃癌の患者さんのご家族ではありませんでしたが、やはりとっても羨ましいというご感想でした。そしたら、これに物申す!!コメントがあり、やはり、このホスピス(病院)で冷たい目にあったという内容でした。ああ、やっぱり他にもいるんだなぁ~と思いました。で、今日は胃癌とは関係のない話をちょっと。実は、同じ市内に住む母方の叔母が、先月から糖尿病からくる慢性腎不全で、人工透析を始めました。本人は透析をとても嫌がり、ずっと先延ばしにしてきたのですが、もう我慢も限界になったようです。ようやく入院する気になり、入院しながらの透析が始まりました。透析の知識など全くなかったので、初めて知る事ばかりでした。透析を行うためには、まず、シャント造設術という、言わばIVHのポートを埋め込む程度の手術を受けます。これは、利き手ではない方の手首の静脈と動脈を繋ぎ合わせる手術です。で、ひじより多少下の部分の静脈と動脈にそれぞれ針を刺し、血液を抜いて機械で老廃物をろ過して戻します。叔母の場合は3時間かけて週3日、行っています。とにかく、ひどい浮腫みの状態で入院した叔母は、20日間で20キロも体重が減少するほど水分を抜きました。64キロの体重が今は44キロです。わずか20日間の間にこれほど体重が変化するとは!!!かなりひどかったのが、わかるというものです。今週末、退院となり今後は通院での透析となりますが、叔母は視力も糖尿病が原因で殆ど失っており、一人で病院に行けません。週3日の送り迎えとなると、家族もやりきれないので、送迎がある病院に移り透析を受ける事となりました。透析って、自由診療なら1回7万円くらいするんです。この3割負担が週3回、月12回、これが一生となると莫大な費用です。月に12回、抗癌剤治療を受けるような金額になります。ですが、透析患者さんはその状態により障害者手帳が付与され、かなりというより、殆ど免額となります。本人の支払額が免額になるだけで、健康保険はそれ相応の金額が病院に支払われます。身内が透析患者になってみて、初めて透析の辛さと大変さ・・・そして健康保険がパンクする~危機感を感じました。病気になりたくてなった訳じゃないけれど、せめて今健康な人が、健康を維持する努力をする事は、すなわち健康保険制度を維持するために貢献している事だ!!と言えると思ってしまいました。
2007年02月02日
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先日、ホスピスの話題にちょっと触れたので、その続きを。現在、ホスピス、又は緩和ケア病棟を有している病院は、多いとは言えません。独立したホスピスも存在しますが、これになると、もう稀少としか言いようがありません。で、てつさんのコメントにもありましたが、ホスピス=治療断念という所ばかりではなく、患者さんの意志を尊重した上で、体調が回復すれば再度治療、疼痛緩和も平行するというホスピスもありますが、多くはありません。そして、一つ共通して言えるのは、どこもまず満床状態という事です。数ヶ月待ちという所も珍しくありません。半年以上も前になりますが、ある癌治療で有名な病院のホスピスが、理想のホスピスとしてテレビと新聞で多少時差して、連続して報道された事があります。テレビや新聞で取り上げられていた癌患者さんと、そのご家族はそれぞれ大満足したようです。完璧とも言える疼痛緩和、気配りのきいた職員に囲まれて穏やかに数ヶ月を過ごせた(又は過ごせている)事に感謝していますと、コメントしていました。この癌患者さんは、それぞれ、何の癌だったか覚えていませんが、スキルスではなかった事は確かです。ここで私の中で疑問発生です。この病院で治療、入院した患者さんを知っています。報道があった1年くらい前の話です。この患者さんは、本当に性質の悪いスキルスで、病気発覚後、残念ながら半年で駆け抜けて逝ってしまった若い女性患者さんでした。病気判明時、手術不可で早々に化学療法を開始しました。どうも、治験に参加したようで、最初の治療が「CPT11+TS-1」でした。当時、この治療から始める事は珍しく、今もあまりありません。副作用も強いけれど、効果の期待も大きいとセカンドオピニオンを受けた先の医師にも言われ、この治療にかなり期待を抱きました。ですが、開始直後に肝機能に問題が出て、TS-1単剤の治療に変更になりました。CPT11との併用療法が、期待が大きいと聞いたこの患者さんは、TS-1単剤になる事を大変不安に感じました。そして、主治医に肝機能が回復したら、又、最初の治療に戻してくれるように頼んだのですが、一度治験から外れるともう戻れません。やむなく、TS-1単剤の治療を続ける事となりました。TS-1の効果もあまり出なかったようで、その後タキソールに変更。ですが、病状の進行が早く、敗血症を起こし、どうにも治療が出来なくなってしまいました。この時点で、主治医から転院を促されました。もう、治療は出来ないのだから、この病院にいる意味はないだろうという事です。転院先が見つかるまでの間、この病院のホスピスに入る事が許されました。いますぐ空いている病室となると、1泊2万円を越えますが仕方ありません、そこに入りました。2~3泊すると1泊1万円の部屋が空き、そこに移りました。この間も、転院の催促がありました。患者さんは転院を促された事を知りません、ご家族が涙ながらに必死に病院を探していました。何とか転院先を見つけ、転院。その数日後に患者さんは旅立っていきました。マスコミで理想のホスピスと取り上げられた同じ病院です。何故、マスコミで取り上げられた患者さんは、そこで穏やかに過ごせ、このスキルスの患者さんは転院を促されたのでしょうか。治験から外れたから?それとも、県外からの患者さんだったから?それとも、それとも、この1件の後にこの病院内で大改革が起きたの?理想が掴める患者さんと、そうではない患者さんの違いって何?大都会で、病院が掃いて捨てるほどある環境にいながら、何故、こんな事がおきるのでしょう。
2007年02月01日
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いつかはホスピスに入ろうと思っていますこんな言葉を何人もの患者さんから聞きました。言葉には出さずとも、頭のどこかにこんな思いを抱いている患者さんは結構いるのではないかと思います。ご自分が入院すると、病状がかなり悪い患者さんを院内で見かける事もあり、あんな風になる前に治療は止めて、ホスピスに入ろうと思いますそう、思うようです。ですが、実際はご自分から望んでホスピスに入った患者さんを一人も知りません。ホスピスというと、木漏れ日の中、車椅子に乗って愛する家族に押されてのんびりと散歩する。陽だまりの中で、気持ちよくうたたねをする。そんな場面を思い描きます。人はいつか必ず死ぬのだから、そんな風に穏やかに逝きたいと、癌患者さんじゃなくても誰でも思うものではないでしょうか。ですが、辛い抗癌剤治療に耐えて「時間」を得た患者さんは、自ら治療を止めてホスピスに入る事などもう選択出来なくなるようです。ホスピスを選択出来ないのであれば、最後の最後まで治療を続行するか、そのちょっと手前で治療を止めるか・・・選択肢は2つに1つという事になります。治療断念のラインは主治医の判断です。明らかにもう治療は難しいという場合もありますが、そうでは無い場合もあります。こういう場合はご本人、ご家族の意向が大きく左右します。治療を最後の最後まで続けた患者さんを何人も知っています。最後の最後まで治療を続けた患者さんの場合、最後の治療が、もしかしたら命を縮めてしまったのかもしれないと、後悔の念を抱くご家族も少なくありません。ですが、その最後の治療をしなければ、又、後悔したはずです。そして、その手前で治療を止めた患者さんも何人も知っています。知子さんがその一人でした。というより、私がそう判断しました。ご主人から全てを任されていましたから。もう1度タキソールという選択肢もあったのですが、知子さんの赤血球減少があまりにも顕著であった事、熱を出した事から、熱が下がっても、もう治療は止めた方が良いと思いました。この選択が良かったのかどうか、わかりません。最後の最後まで治療を続けても、その手前で断念しても、後悔をするのであれば、知子さんの負担を軽くする方を選びました。本人に真実を告げていなかったので、本人には恨まれているかもしれません。治療を止めた結果、時間を減らしてしまったのかもしれませんし、逆に増やしたのかもしれません。これは誰にもわからない事なのです。
2007年01月30日
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父が通院、そして入院していた病院は千葉にある癌専門病院でした。TS-1を(2週服用、1週休薬)×2を1クールとして通院していたので、3週間に1度病院に行っていました。ここの消化器外来の隣の外来窓口は、いつ行っても真っ暗。たまたま、外来の無い日なのかな?と思っていましたが、どうも変です。で、気になったので看護師さんに聞いてみました。そしたら、そこは本来小児科外来の予定だったそうです。その看護師さんの話では、この病院の設立が決まった当初は小児科が予定されていたのだそうです。ここの病院に呼ばれる医師だから、そりゃ国内屈指の小児科医が勤務するハズだったとか。その小児科の先生方は皆さん、勤めていた病院を辞めてこの癌専門病院に勤務するために待機していたそうです。ところが、この病院が開院(看護師さんは開棟と言ったけど)する直前に小児科設置が取りやめになって、ずっとあの小児科外来窓口は、病院が出来た時から使われずにあるのだそう。小児科は大人の3倍の人手が必要だそうで、ようは金銭面の問題で小児科はドタキャンとなった経緯があるそうです。Y先生の勤務される病院には小児科があります。この病院に来る子供ですから病気は癌という事になります。時々、マルコメ君みたいな頭をした子供が大きなボールを抱え、男性看護師さんと中庭に出てくる光景を見ます。知子さんが入院していた部屋からは、小児科の病室が見えました。大人だって辛くて嘆く治療を、あんな子供が受けているのかと思うと本当に胸が痛みます。せめて、子供くらい「癌」っていう病気は見逃してくれたって良いのに・・・って思います。
2006年12月19日
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年末が近づいた今頃になってきて、いよいよ主人は多忙・・・・土日なんてありゃしない、昨日も今日も仕事です・・・サービス業でもないのに多忙そして、心労が重なる時期に突入し、さすがにちょっとばかりピリピリしているのがわかります。ここへきてこの心労とストレスと重圧は半端じゃありません。去年まではこれほどじゃなかったのに、今年はもう滅茶苦茶~今まで色んな方の話を聞いてきまして、病院というか、医師のこの病気に対する姿勢が本当にまちまちだと言う事がわかります。一応、胃癌治療のガイドラインをなぞって、それが済むと義務終了~とばかりにさっさと治療を止めてしまう医師も少なくありません。実際、抗癌剤治療なんてものはリスクを背負っていますし、そのリスクに見合うものがどれほど得られるか・・・博打でもあるので、治療=延命、根治という図式が必ずしも成り立つものでもなく、辛い思いをしても得られるもの・・・それを想像して治療中止を決断する事が間違っているとも言えませんけれど。でも、やはり色んな可能性やリスクも知った上で、ご本人やご家族が選択するのがベストだと思っています。その中には「治療しない」という選択肢もありますし、わずかの可能性にでも賭けて治療・・・という選択肢もあるでしょう。治療の間にトラブルが起きない患者さんはまずいません。何らかの問題が起きて、処置が必要になったり、治療が中断したり・・・・そんな状態の時にもよくメールを頂きますが不思議と、とても良心的な処置をして頂いている患者さんに限り、何故か主治医に不満を持つ事が多いです。前向きで良心的な医師に巡り合えて良かった・・・と、色んなケースを知っている私は思うのですが、患者さん本人にとっては、痛い、辛い、しんどい・・・・こんな思いをしている訳ですから、主治医に???の思いを抱き、文句も言いたくなるもの・・・のようです。この疑いを晴らすのは大変です。病院は病人を診るのが当然の所と誰もが思いますが、現実は癌患者・・・根治や延命がさほど期待できない病人は病院側にとっては、決して両手を広げて歓迎する存在ではないのです。そんな中で高額な差額ベッド代を支払っている訳でもなく、コネがある訳でもなく、本当に良心的な治療や処置を受けているなぁ・・・そう私は思うのですが、患者さんご本人はそうは思いません。それをあれやこれや、お話しして恵まれている事を理解して貰うようにしています。だって、本当に恵まれているんですよぉ~他にも、たとえば3ヶ月を越える長期入院になりますと、越えた分は健康保険が適用されず、病院側の赤字になります。病院側は早く出て行って欲しい、せめて差額ベッド代のある個室に入って欲しい・・これが本音。腫瘍マーカは月に1回しか保険が認められていません。月に2回以上計る必要がある時は、2回目は病院の赤字です。病院にも色々と事情があり、結構無理している事もあるのです。
2006年12月17日
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この数年、スキルスの患者さんやご家族との交流をしてきましたが、悩みは似通っています。ご家族がスキルスと診断されたばかりの方から、よくメールを頂きます。手術に持ち込める方はもう悩む間もなく、即手術・・・という方が殆どです。というよりも、私の元へ届くメールは100パーセントとそうです。手術前にセカンドオピニオンを受けようとする方はまずはいません。あっ、一人いました・・・winkiさんのご主人。手術目前にセカンドオピニオンを受ける前に転院しちゃったのでした^^;この行動力たるや、すごいです。うちの場合は、治療開始前にセカンドオピニオンを受けました。そこに至るまで、それこそ山あり谷ありでしたけどね。で、出来ればですね、スキルスと診断されたすぐ後にセカンドオピニオンを受けるのが良いと思っています。治療が開始する前、もしくは開始されても早めに。主治医との付き合いが長くなれば、セカンドオピニオンも言い出し辛くなるものです。どうしても主治医の顔色を伺ってしまう方が本当に多いです。付き合いが短かれば、セカンドオピニオンを言い出した時、その医師が嫌な顔をしたのなら別の病院に移るのも気楽ですし。そもそも、セカンドオピニオンは患者側の当然の権利ですから、それに対して嫌な顔をするような医師であれば、そんな医師にお世話になっていても心が通じるとも思えません。癌治療は患者側に選択を求められる事が結構あります。プロの医師に答えがないのに、患者側にそんな答えが出せるはずもなく・・・であれば、やはり他のプロの意見を聞くのは普通の事です。治療成績が良いとは言えないこの病気。その道のプロの意見を沢山聞いて、又迷うかもしれませんけど、命がかかってますからね。迷って当然。そして、悩んだその結果・・・・winkiさんのご主人ような元気な結果が出せる方ばかりではありませんが、悩んで出した結果ならまだ納得がいきます。ずるずると、訳もわからないまま、たまたま行った病院で不安と不満を抱えながら治療を受けるよりはずっと良いと思っています。転院は大仕事です。自宅からの距離もあります。そんなこんなの問題を何とかしてでも、受けてみたいと思える治療、お世話になりたいと思える医師も世の中にはいるかもしれません。今年1月に旅立った身内の知子さんの葬儀の日、喪主であるご主人は多くの参列者の前で「病気は治らず、残念な結果にはなりましたが日本一の胃癌の名医に診てもらう事ができました。心から感謝しております。」と、胸を張って挨拶していました。自宅は茨城、治療は静岡の遠距離の治療でした。家族も含めて苦労はしましたし、お金もかかったし、何より知子さんは逝ってしまいました・・・・まったく後悔がないと言えば嘘になるでしょう。けれど、ご家族の皆さんが知子さんの治療に当たった医師に心から感謝していました。そして、知子さんも・・・・この医師がどれだけ患者さんのためにしてくれたか・・・、これを感じたからです。
2006年12月14日
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昨夜、突然ヒゲさんから電話がありまして・・・何かあったのか!?と一瞬心配になりましたが、私が住む市で事件があったとテレビのニュースで見たから・・・となんじゃ、そりゃ・・・と思う内容でしたが、久しぶりに電話で話したら何となしに気持ちが楽になってきました。おかしな人ですが、戦友なんです昨夜「Dr.コトー診療所」を見ました。胃癌患者さんの話でした。胃幽門部に癌が見つかり、胃を半分~2/3を切除する予定で開腹したのですが、開腹してみると予想以上に癌が進行していて、バイパス手術のみで閉じるというものでした。術前の検査では、他に転移も見つからないので治るだろうとの診断でした。あんな田舎の診療所じゃなくても、今も尚、開いてみないみないとわからない部分は多いのです。あの様子から、胃と膵臓がかなり癒着していて切除不可能、そして腹膜に目視で確認出来る癌細胞があったのかな・・・と素人ながら推測してしまいました^^;コトー先生はここでバイパス手術を施行しましたが、これは良心的な行動だと思いました。この時点で何をしても体の負担になるし、さほど意味は無いからと、何もせずただ閉じてしまう場合も実際はありますから。術後、ベッドで寝ていたドラマの中の女性患者さんは、何にも捕まらずに起き上がったりしていて「バイパス手術だけとは言え、開腹したら痛くてお腹に力なんか入れられないのに、この人はスゴイ腹筋だなぁ~」などと、ちょっと意地悪く突っ込みも入れましたが^^;それに発熱もしてないし、IVHもしてないじゃん!とか・・・・根性悪の私ですここに出てくる小さな可愛い女の子・・・この女性患者さんの一人娘の設定ですが、この女の子がNちゃんとダブりました。Nちゃんも、お世辞抜きで可愛い、このくらいの年齢の女の子です。Nちゃんは、今年2月に旅立ったキヨカさんのひとり娘で、「とんびが鷹を産んだの」って言って、キヨカさんが自慢した娘さんです。ベッドから起き上がれなくなったキヨカさんに、Nちゃんがそっとミカンを差し出した情景が思い出されました。キヨカさんは「もぐもぐ・・・」って、言って食べるふりだけして、そっとそのミカンを隠していました。可愛いくて可愛くて、大好きな娘なのに、ずっと相手をするのがしんどくて「お願い、もう連れて行って」と、眉間にシワを寄せてお義母さんに言った姿も・・・・このドラマの中の患者さんは、ずっと元気でいて欲しいなぁと・・・何も意味も無い事と思いながら、つい願ってしまいました。
2006年11月24日
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一昨日の晩だったかな、深夜番組の「アメトーーク」で自称ガンダム芸人が集まって、ガンダムについて熱く語っていたのを見たけれど、これを見て主人が一人で「そうそう」「うんうん」とか頷いている(主人は49歳・技術屋)で、「技術屋の究極の夢は等身大のガンダムを作る事だ!!」と、又訳わからん事を言っていた・・・前前から「この人はアホちゃうか?」とは思っていたが・・・ちょっとスキルスとは離れるけれど、ここ連日腎臓移植の外科医がマスコミで槍玉に挙げられているようですね。泌尿器の事も、この外科医の事も初めて知ったのだけれど。何故こうも毎日マスコミが騒ぐのかと、一応テレビや新聞を読んでみました。私が見たり、読んだりした内容には腎臓を提供した患者さんも、病気の腎臓を移植された患者さんも、誰も文句を言っていないように思うのですが・・・私が見ていないだけかもしれないけれど。文句を声高に言っているのは、この腎臓移植をした外科医を批判する医師だけのような気が・・・テレビで意気揚揚とこの外科医を批判していた泌尿器内科医の話を聞いていたら、全然関係の無い私ですらこの腎臓移植をした外科医を擁護したくなりました。あまりにも「普段から気に入らなかった」って風に批判していたので。何故、どこもそうなのだけれど外科医と内科医って仲が悪いのでしょうねぇ・・・父の最初の主治医のM先生は有名な教授だけれど「内科医は良いよなぁ~、ただ机に座っていれば良いんだから。それで同じ給料だからなぁ」と、側にいたお弟子さんである若い医師に言っていた。又、ある有名な病院に勤務する内科医は、患者さんが外科医の意見も聞いてみたいと申し出たら、その外科医をメチャクチャ批判しました。そこまで言わんでも・・・と思うほどに。国際胃癌学会にもぐりこんだ時に、医者同士の激しいディスカッションを見た話はずっと以前に書きましたが、まるで喧嘩です。「そんなハズあるか!!信じられない」「答えが出るまで、もう少し待ってろ!!」こんな感じ・・・難治性の病気に対して何か希望を見つけようと努力し、新たな治療を試みると必ずや反対、批判する人間が現れる。これは切磋琢磨でもあるのだろうけれど・・・・この切磋琢磨がもっと友好的になって欲しいと思う私です。
2006年11月11日
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世間は3連休ですが、主人の休みは今日だけ。何をしていたのかと言うと「山芋ほり」です。正確に言うと「大和芋ほり」ですが。豆粒のような種芋から主人が育てたもので、出来栄えはそこそこ・・・かな?大・・・・じゃなく小収穫祭でした^^;数日前、車のラジオから「スキルス」という言葉が聞こえてきたのでボリュームアップ!!やはり、スキルスとか胃癌という言葉には即反応してしまいます。聞いてみると「アジアンタムブルー」という映画の紹介でした。で、この言葉だけを記憶してネットで調べてみました。アジアンタムというのはご存知の方も多いかもしれませんが、シダ科の植物の名前です。女性に人気の植物だとか・・・で、このアジアンタムが何らかの原因で枯れ初めてしまうと止められなくなり、どんどん枯れていってしまうのだそうで、この症状をアジアンタムブルーと呼ぶのだそうです。この題目の映画の内容は、阿部寛さん演じる男性が、松下なおさん演じる女性と本物の愛に目覚めていく・・というラブストーリーのようです。(私個人の思いとしては、スキルスをドラマや映画のネタにして欲しくない・・・っていうのがあります、実話ならともかく・・・)所々のあらすじを読んでいくとこの松下なおさん演じる女性が、突然の腹痛に襲われ病院に行くとスキルス胃癌と診断、余命1ヶ月と宣告されます。ここだけを読んで、「んな訳あるかぁ~!!そもそも何でスキルスやねん!!!」って、つい思ってしまいました^^;susuさんのブログ風に書くならば、ここで大きなげんこつパンチです。じゃぁ、他の病気なら良いのか?って突っ込まれると困るのですが・・・・どうせなら、架空の病気にしてくれれば良いのに・・・・原作も読んでいないし、映画も見ていないし(まだ、これから封切り)、こんな感想はとても失礼なんですけどね・・・数日前からずっと待っているメールがまだ届かず・・・ある患者さんからなのですが・・・気になって仕方なく・・・つい何度もケータイを見てしまうここ数日です・・・
2006年11月05日
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「何故、こんな病気になったのだろう・・・」これは、何人もの患者さんの口から聞いた言葉です。患者さんの中には「きっと、あの上司のせいだ!」なんて、ジョーク混じりに言われた方もいましたが本当にそう思っていた訳ではないと思います。私の父も同じ事を何度となくつぶやきました。告知を受けて、傍目からもわかるほど落ち込み・・・その時期を過ぎると、こうつぶやきました。もちろん、明確な答えなど求めた訳ではないと思います。答えがわかったとしても、今となってはどうしようも無い事は十分わかっているのですから。スキルスに限らないだろうけれど、癌という病になって患者さんはもちろん、ご家族もこう思わない人はいないのではないでしょうか。父の場合、病気発覚時の年齢は69歳。この病気の中ではかなり高齢の方です。(Y先生が診た最年少のスキルスの患者さんは12歳だそうです)父のこれまでの食生活や、健康診断の結果から、脳梗塞や脳溢血、肝臓癌を心配していました。タバコは止めて40年近く経っていたけれど、若い頃はヘビースモーカーだったって聞いていたから肺癌の可能性もありかな?なんて漠然と思ってはいました。胃癌なんて全く心配していませんでした。高齢になれば癌になる可能性も高くなっていきます。でも、数多い癌の中でもどうして胃癌なの?が正直な感想でした。そして次に思った事は何故、スキルスなのかという点です。単なる胃癌じゃなくて、どうしてスキルスなのか?癌が一塊になるタイプの胃癌・・高分化の癌ではなくて、何故よりによって未分化の癌になってしまったのか?(低分化もあります)この分かれ目は一体何なのだろう?メチャクチャ謎です。高分化の癌であれば根治の可能性も高くなる。どこかで分かれ目があるとすれば、それは何なのか?どうすれば低分化や未分化にならずに済むのか?この謎が掴めたら、癌の根治率はもっと高くなるんじゃないのかなぁ・・・これは、これからの大きな課題でしょうね。そして、問題は今。分子標的薬の開発や幹細胞の研究が行われているようですが、この成果がとにかく早く身近にやってきて欲しい。
2006年10月23日
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数日前に見たテレビ番組を見て思ったこと。数人の医師が出ていて、癌についての話をしていました。癌とは何か?告知の方法、治療法・・・云々・・・癌治療が難しいのは癌細胞自体が自ら作り出した細胞だという点。ウィルスや菌であれば体内の免疫システムが作動して、よそ者退治をしてくれる。けれど、癌細胞はよそ者では無いから免疫システムが、敵か味方なのか判断が難しい。正常細胞には寿命があるので、新陳代謝によって古い細胞は死に、新しい細胞が次から次へと生まれてくる。だけど、癌細胞には寿命がない。そんな輩と戦っていく上で必要な事柄に「患者さんの精神状態」がある。欧米の癌治療は、内科医、外科医、精神科医のチーム医療だそうだ。日本では精神科医がチームに入る事はありません。癌専門病院の中には、精神科を設けている病院もありますが、殆どの病院ではそこまで考慮していないように思います。癌という病気になって、鬱状態にならない人はいないのでは?と思います。「鬱病」とまではいかなくても、一時の鬱。「誰にでも言える事じゃないから」・・・って言いながら、実際に患者さんとお会いしたり、電話で話してみると、色んな話をされます。初対面だって言うのに数時間も話し込む事が多いです。患者さんだけでは無く、ご家族も同じです。治療も大事だけれど、こんな他愛の無いおしゃべりも大切なのではないでしょうか?癌だって事を隠す必要が無い相手とのこんな気晴らしが、案外ありそうで無くて、実はとっても大事・・・って気がします。
2006年10月05日
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スキルスという病気になると、医師により考え方や見解に大きな差があるように思う。大きく分けると治療に消極的な医師と、積極的な医師だ。治療成績が芳しくない病気だから、患者さんの負うリスクを考え、見通しを考え、奏効率を考え、患者さんの状態を考え、消極的になる医師もいる。これも、現状からは当然とも言える。患者さんを思うがゆえの事だろう。抗癌剤治療は辛い治療だから。でも、それでも尚且つ、患者さんやご家族が根治や少しでも延命を望むなら、わずかの可能性にかけてでも治療に望む医師もいる。この場合、患者さんも副作用というリスクを背負い、わずかな奏効率にかけるという大博打に出る訳だけれど、実は医師もリスクを背負っている。抗癌剤とは、副作用が付き物だし過去に死亡症例が無い抗癌剤など皆無だと思う。そんな恐ろしい薬を使う医師にだって、経験はもちろんだけど度胸もいる。「もう、治療法はありません」って言ってしまえば、医師としての責任は終わるはずだ。誰からも責められる事もなく、問題もなく治療を終える事ができる。それなのに、そんな危険なリスクを自ら背負って治療をする医師もいるのだ。患者さんの希望に沿うために。この大博打が吉と出てくれれば、本当に良いのだけれど必ずしもそうではない。ちゃんと吉と出てくれる患者さんもいるけど、凶と出る場合もある。この時は本当に辛い・・・どうしようもなく辛い・・・・そんな凶と出てしまった患者さんを何度となく見てきて、その都度どうしようもない思いに潰されそうになる。常に頭から離れずにいて、自分自身どうする事も出来ない思いを持て余してしまう・・・今更だけど、どうして誰にでも効いてくれる治療法が無いのかと思う。
2006年06月19日
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現在、癌を早期発見する方法は定期的に癌検診か人間ドックを受けるか・・・そんな方法しかない。でも、これらの検査で、たまたま発見されたという人もいるけれど、見逃されていまった人も少なくない。見逃されてしまった人は、安心にどっぷり浸ってしまい、そのうちに進行してしまう。スキルスの場合、発見がとても困難だ。スキルスでも本当にたまたまこういう検査で発見された人も確かにいる。が、見逃されてしまったか、もしくは胃潰瘍と診断され、いつしかステージ4になっていた・・・という人を何人も知っている。ちなみに、父は市役所から届く癌検診を必ず受けていた。癌検診と言っても肺癌検診だったから、肺癌では無かったから確かに「問題なし」だ。でも、スキルスとわかってから検診の過去の血液データを見ると、明らかに毎年白血球数が減少していた。これも、癌のサインではなかったのか?と思う。こういう検査では、検査する側も沢山の人の画像を見るし、画像診断力も人により差がありすぎるし、癌があるなんて思いながら見てはいないから、見落とす事がある。そして、一説では検査の繰り返しが癌を作る・・・とも言われているから、正直言ってどうして良いのかわからない。昨日、主人がこんな話を聞かせてくれた。英国の医学雑誌のネイチャー・メディスンに面白い研究論文があったという。この雑誌は、世界有数の医師が論文を発表している。その論文の中で、犬の嗅覚を使って癌を見つける・・・という研究があったそうだ。空港で犬が麻薬を見つける要領だ。犬が反応した人に、絶対どこかに癌がある!と疑い、くまなく検査すると、早期でも癌を見つけられた・・・と、言うのだ。(ほんま、かいな????)もともと、膵臓癌の中でも特に悪質な癌を見つける事を目的に研究されたそうだ。ところが、この膵臓癌の中でも特に悪質な膵臓癌は、症例数自体があまりにも少ないために、本来の目的は未だ果たせてはいないらしい。俄かには信じられないが、もし、本当にこんな事が可能なら、こんなに安全な方法は無いのではないか?費用だって安くすむ。本当に健康な人間に意味のない検査をする必要がないし、安全とされている量とは言えX線を被爆せずに済む。まぁ、病気は癌だけではないから一概には言えないけど。でも、こんな夢のような方法で癌が発見出来たら、本当に良いのに。
2006年06月12日
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「五年生存率」これは癌患者さんがとても嫌う言葉だ。スキルスとなると、特にそう・・・だけど、ゼロじゃない。どんな事にも例外がある。皆、自分や家族がその例外になる!!って、思えば良いのに・・って思う。思うのは自由なんだし・・・誰にも迷惑はかからないし・・・人は10年後、20年後、30年後に死ぬのは仕方ない・・ってどこかで思っているもの。何歳まで生きれば、まぁいいや・・って。でも、いざその歳になると、そうは思えないもの。父はいつも「長生きなんて別にしたくない」って言ってた。その父が69歳でスキルスが発覚し、その途端「生きたい」と強く思うようになった。つまり、人生の終焉なんて漠然と勝手に思い描いているだけの事で、誰にも覚悟なんて出来ていやしないのだと思う。何歳だから気の毒で、何歳だから仕方ない・・って言うのは、周りが勝手に判断するだけの事。「年齢は関係ない」って、もと子さんが言った言葉が、時間が経つにつれ、沢山の患者さんやご家族と知り合うに連れ、染み込んでいく。病気にならなければ、家族がそんな病気にならなければ、見えなかった幸せがあるはずだ。知らないまま、気付かないまま、人生を終えてしまう人は少なくないように思う。人生はどれだけ生きたかではなく、どれだけ幸せに気付けたか、見つけられたかだと、私は思う。
2006年06月11日
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先日ちょこっと書いた、昨年行って来た「国際胃がん学会」のエピソードがもう一つある。これは「国際」胃がん学会だから全てが英語だったのだけれど、他の学会は日本語です。で、この国際胃がん学会には当然、海外からも沢山の医師が参加していた。丁度見ていたポスターセッションで、腫瘍外科で有名なある先生の発表があった。この先生の話にはとても興味があった。(勘違いされると困るので、これだけは書いておくけれど、平○先生ではありません。)この先生の発表がされると、ある外国人医師が突然「そんな訳あるか!信じられない!」(←もちろん英語、これくらいはわかる)と叫んだ。そしてしばし、この有名な腫瘍外科医と外国人医師の熱い英語でのディスカッションが続く・・・誰か止めなくて良いのだろうか?などと、心配する。この内容はさ~ぱりわからなかった^^;そして、最後はこの腫瘍外科医が「結果がもうじき出るから、待っておけ!!」(←これ又英語)でこのディスカッションは終了・・・・双方、果てなき探究心からのディスカッションだろうけれど、しばし呆然と見入ってしまった。医者も結構熱い人種なんだなぁ~ようやく風邪が治りました^^
2006年05月03日
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