蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「モネ展」



奈良県立美術館で開催中の、 「モネ展」 に行ってきた。
お天気もいいし、休日だし、子どもと私の母親と一緒に日帰り旅行の気分。

JR奈良駅から美術館までは、奈良交通のバスで5分ほど。
歩いても行けるらしく、徒歩なら20分くらいかかる。
今日は高齢者+子どもがいたので、タクシーを利用した。

案の定、美術館はけっこう混んでいた。
母と長女、私と次女のグループに分かれて、それぞれのペースで鑑賞する。

今回の展覧会は、今年が第1回印象派展開催から130年にあたるのを記念して開催したらしい。
モネの初期から晩年までの作品、50点あまりを展示してあった。
「初期のモネ」「『印象派展』の時代」「連作の時代へ」「ロンドン風景」「睡蓮の庭」の5つのコーナーにわかれて、作品を展示していた。
最初のコーナーは、色彩が地味な絵だったので、次女は興味がないようで、しきりに「疲れた」を連発する。
仕方がなく、作品に添えられた解説を読まずに、足早に最初のコーナーを終えた。
次の「『印象派展』の時代」からは、モネ特有の、明るく自然の光をふんだんに感じられる作品が並び、次女も興味を引かれたようだった。
「リンゴの木」の作品の前では、樹に実るリンゴをながめ、「地中海、アンティーブ岬」では、冷たく澄んだ海の水を想像し、楽しみながら絵を見ていった。
「ロンドン風景」のコーナーでは、同じ題材の絵が並ぶ。
「ウォータールー橋」もその一つで、さまざまな時間の橋の風景が描かれている。
朝らしい光を浴びる橋、日没の橋、夕暮れの橋、そして紅に染まる橋。
それぞれが美しく、次女と「あのピンク色がきれい」とか「同じピンク色でも、白っぽいピンクや、濃いピンクがあるね」などと話した。
このコーナーに入る時、「ロンドンっていったら、ハリー・ポッターだね」と私が言い、映画のテーマソングをハミングした。
ハリー・ポッターの映画が好きな次女は、すぐ反応してニコニコ。
モネの絵にも関心が持てたようだ。
最後のコーナーは、私の大好きな「睡蓮」の連作が展示してあった。
モネの「睡蓮」は、今年(2004年)の5月に「パリ/マルモッタン美術館展」で初めて見た。今回が2回目。
何回見ても心地良い。
前回「睡蓮」に出会ったとき、四角く切り取られた絵から、広がる空間と風の香りが感じられた。
今回も、モネの「睡蓮」の前に立つと、四角い額がまるで窓のように思え、窓の外に咲く睡蓮の花を、家の中から見ているような錯覚を覚えた。
またいつかモネの「睡蓮」の前で森林浴をしたい。

2004年10月2日~12月5日 奈良県立美術館


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