すずかぜのように

すずかぜのように

3歳を迎えて


3年前のあの日、カンタが産まれてからその後の半年間のあの時期の記憶は、今となれば懐かしい。とか、思い出したくもない。とか、しんどかったな。とか、そういう過去のいわゆる“思い出”として残るものではなく、きっちりと切り取られたその日の断片として身体の中に残っていて、それを思い出して感傷にひたる。ということは これからも、きっとないな。とあの日々の事を何度振り返っても感じる。

カンタ、3歳。

小柄ながらも身体がだいぶ丈夫になり、入院の回数が減りました。
発達がまわりにほぼ追いついてきています。
呼吸器が外れたとき目があっちこっちに向いていて口からは舌が出てつねに頭を振っていたあの姿を思うと信じられない。発達のことは気がかりだった。でもなるようにしかならないのだし、カンタはカンタなんだし。という気持ちだけでやってきて今、3歳の成長の節目を迎えてカンタの発達が想定していたよりも特別な手を必要としていないという事実を思ってみると、良かった。とかホッとした。とかいう気持ちではなくて、感謝します。とかいう気持もなく、なんだろう、ほんと、ただカンタが3歳になったという事実だけが嬉しい。先日、流産をした。流産の事実はまわりがなぐさめてくれるほど自分自身ではショックではなく、しかたがなかったんだ。と普通に受け入れられた。それはカンタを見てきて、生きて産まれてくることはかなり奇蹟なことなのだと思うからなのかもしれない。命が宿って、お腹で育って、無事に産まれて、そして生きていく。これってもの凄く簡単な事じゃないもの。これからもどうなっていくのかはわからないし不安はつねにある。でも不安だから楽しめないってことはないということがわかった。努力すれば笑えるのだ。これからもカンタのために笑う努力をしていこうと思う。

産まれた時のカンタ
2.jpg3.jpg

3歳を迎えて
4.jpg



© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: