すずかぜのように

子どもは何のために生まれてきたのか

先日お友達に｢きっとカンタ君はママを助けるために障害を持って生まれてきたんだよ。｣と言われました。彼女は私の気持ちを助けるために言ってくれたのだと思います。だから彼女に対して怒りの感情はないし、その優しい気持ちは嬉しく受け取りました。でもこの考え方、私は大嫌いです。いわく、｢子どもはママを思って｣いわく、｢子どもが～なのは～の意味があって生まれてきた｣いわく、｢ママを助けるために帝王切開で生まれてきてくれた｣これらの慰めの考え方が大嫌いです。私はカンタの持っている障害に意味はないと思っています。たまたま、命を持つ生命体としてそうして生まれてきただけ。産まれた命に意味はあります。でも誰かの“ため”に産まれてきたのではない。ただ、命を授かって産まれてきたのでしょう。この地球、宇宙というなかで自然の命あるものとして産まれてきた。そこに大義名分はないと思います。生命体として産まれてきたことがどんなに凄いことか。無限の命が産まれて消えているこの世界ならば、障害があって産まれてくるものもあるでしょう。命を落とすものもあるでしょう。それに意味なんてない。そういうものなんだ。生命は厳しい。私はそのあたりまえの厳しさを知らずに生きてこれた。カンタの障害が私のためになんて私は理解できない。そんな必要はない。もし私のために必要ならば私自身に障害を授ければいい。障害に意味はないのだ。意味を見つけるのは本人だったり、関わる人なのだけれど、でも、決して、何かに意味を与えるために障害を持って産まれてきたのではない。特別に何かを伝えるために産まれたきたわけではない。彼らには伝えたいことがあるかもしれないけれど、それを伝えるために持ち合わせた障害や病気ではない。精一杯、寿命を全うする。それで良いと思う。その間に楽しいこと、気持いいこと、嫌なこと、怖いこと、おもしろいこと、悲しいこと、痛いこと、眠いこと、充たされないこと、充たされること、怒ること、笑うこと、肌が触れ合うこと、経験できたなら素晴らしいと思う。障害や病気は避けられない偶然、超自然的なこと。それだけだよ。もちろん、なぜカンタが？なんで？とは思う。そこでなぜ？の答えが見つかっても、カンタがこの答えを教えてくれるために産まれてきたのではない。ただカンタは自分の人生を一生懸命に生きているだけなんだよ。その命に超自然で私が触れあった。それだけだよ。（カンタのためにだけ生きているわけじゃないけど）「私はカンタのために生きている」とは言えても、「カンタは私のために生きてくれている」とは思わない。そういってくれた人がいたけど、なんて傲慢だと思う。カンタは誰の為にでなく、カンタのために生きているんだから。