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平泳ぎの基本:その3
平泳ぎの基本をチェックしよう!! その3
<ポイント7>
キック
かかとをお尻につけて、足の裏全体でキック
推進力のある平泳ぎは、キックによって生み出されます。感覚的には推進力の40%くらいがキックによるもので、他の泳法に比べてキックの役割ははるかに大きいといえます。
ポイントとなるのは、ムチのようにしなる「ウィップキック」。ストリームラインをキープした姿勢から、かかとをお尻に引き付けるように両ひざを曲げていきます。両ひざの開きは、腰の幅くらいが目安。あまり両ひざを広げないことが「ウィップキック」の特徴であり、メリットでもあるのです。
かかとをお尻に十分に引き付けたら、足首を返したまま足の裏全体で水を蹴り下ろしていきます。引き付けたかかとの軌跡が、楕円形を描くようなイメージです。蹴る方向は、体の後方からやや下方へ。蹴り込んだら足首とひざを伸ばしてストリームライン(流線型)をつくり、水を後方へスムーズに流すようにします。そして、最後に両足の親指を合わせるようにして足首を伸ばし、浮力を作って次のキックへ備えていくのです。
このキックで気をつけたいのは、ひざから太ももを引き付けないこと。意識としては、あくまでも「かかとをお尻に引き付ける」ことです。かかとを引き付けたときに、大腿部と上体がつくる角度を一定にするのも理想的。世界トップクラスのスイマーである北島康介選手の場合、この角度が常に120度くらいで安定しています。この角度が広過ぎても、狭すぎてもいけません。
さらにチェック!
:足の甲で蹴る癖がある人は、ぜひこの機会に直しておきたいものです。平泳ぎのキックは、必ず足の裏で蹴るように意識(ルール)。また、カエル足の「フロッグキック」や「ウェッジキック」では大きな推進力は得にくいので、スピードが出る「ウィップキック」をしっかりマスターしておきましょう。
<ポイント8>
呼吸
ストロークと一体になれば、楽な息つぎが可能に
息を吸うのは、プッシュオフからリカバリーにかけて上半身が上がってきて、両手があごのあたりにきた瞬間。水面上に口が出たら、素早く息を吸い込みます。体を起こし過ぎないように息つぎをしましょう。また、上体がまだ沈んだ状態で背中だけを反らせ、無理に頭を上げて息つぎをしないこと。これでは水の抵抗が大きく、体にも力が入ってしまうので、苦しくなるだけです。
さらにチェック!
:平泳ぎでは、ストロークと呼吸が一体化し、動きを止めないのが理想的。ストロークの後半、上半身が自然に持ち上がってきたときに息を吸い、リカバリーからストロークの前半で、顔を水面につけながら息を吐いていきます。
上半身の上下動がストロークと連続する一連の流れ中で、この呼吸のタイミングをしっかり身に付けましょう。動きを止めないことが非常に大切なのです。
出典:スイミングマガジン平成15年11月号
別冊「TECHNICAL DIGEST」Vol.2
監修:東島新次(国際水泳連盟競泳委員)
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