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紅蓮’s日記
第五十話
「あ、さっきのお兄ちゃん。」
成人の姿を見た蹴也は嬉しそうに成人の下に駆け寄っていった。
「だ、だめっ!」
鞠は思わず反射的に蹴也の腕を掴み蹴也を自分の下へと引き寄せてしまった。
「お姉ちゃん?」
蹴也の声でふと我に返った鞠は見てしまった。
そんな鞠を見て淋しげな………哀しげな成人の顔を。
「あ………え………えっと………ご、ごめ………」
どうしたらいいかわからず鞠が謝ろうとした瞬間だった。
「グルアァァァァァァァァァァァァ!!」
さきほどの蛇が突然体をくねらせ、ねじり、暴れだし、
押さえつけていたマンティコアを吹き飛ばした。
そして鞠たちに牙を向けた。
「二人とも、隠れて!」
成人は躊躇せず鞠と蹴也を抱きしめると、自分の体を盾とし二人を庇った。
「くっ!!」
蛇の牙が成人の背中を引き裂き、成人は思わず苦痛のうめき声を上げた。
「獣合くん………」
「いいからキミたちはここでじっとしていて!」
成人は鞠の言葉を遮り、背で二人を庇いながら蛇に立ち向かった。
鞠は向けられた成人の背の傷を見て絶句してしまった。
「複合精霊、キマイラ!!奴を狩れ!!」
成人はデーモンとマンティコアを複合させキマイラを召喚すると
蛇に向かってキマイラを差し向けた。
キマイラの頭、山羊の精霊ゴートの頭のねじれた強靭な角が
蛇を仕留める寸前で蛇はその姿を成人の前から消し、
そして突然その姿を先ほどと反対の位置にある路地の一角から姿を現し
反撃にでた。
キマイラは獅子の瞬発力でなんとか蛇の一撃を回避したものの、
あまりに不意だったためその攻撃を避けきることができず、
剣山のような鱗がキマイラの側部を抉っていった。
「っ!!」
成人の体から霊力が削られ、成人の顔が険しくなる。
精霊を実体化は強力な反面リスクも大きい。
多少の損傷であっても消費される霊力は大きいのだ。
「グルアァァァァァァァァァァァァ!!」
そんな成人をあざ笑うかのように蛇が吼え、空には分厚い雲が立ち込めた。
戦況はあまり優勢とはいえない状況だった。
蛇は怒り狂ったようにキマイラに猛攻を仕掛けてくる。
幸いなことにこの蛇は遠距離攻撃を持っていないようで、
攻撃は全て鋭い牙や剣山のような鱗によるものだった。
だがこの蛇はその体の大きさに似合わず俊敏で、
時折その姿を消しては視覚から襲い掛かるという
トリッキーな一面のせいあって成人の霊力は徐々に削られていった。
一番の問題はなんとこの蛇の鱗は相手の霊力を跳ね返すという特性を
もっていることだった。
さきほどはキマイラの放った漆黒の稲妻(ダークライトニング)が
その鱗によって跳ね返され、危うく自分の技で自滅をするところだった。
そんな成人の様子を鞠と蹴也は電柱の影で見ているしかなかった。
蹴也は鞠の腕の中で震え、
鞠は蹴也をなだめるためその小さな頭を撫で続けていた。
「くはっ!」
そんな二人の前に成人の体が無惨に転がった。
蛇は標的をキマイラではなく、キマイラを操る成人本人に変えたようだ。
そんな成人の姿を見た蹴也の震えはより一層大きくなっていた。
だがその震えはすぐに収まった。
「………ねぇ、キュウ………」
蹴也は姉に悟られないように小さな声で自分の中にいる精霊、
キュウに語りかけた。
「グルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!!」
蛇は鎌首を持ち上げ、成人を仕留める止めの一撃を与えるべく
飛び掛ってきた。
キマイラは自分の主人を守るべく蛇と成人の間に割って入ったが、
蛇はまたもその姿を消し、
そして成人の頭上から無数の牙を覗かせた大きな口を開き
襲い掛かっていった。
「お兄ちゃんをっ!」
そんなとき、蹴也は鞠の腕を振り払い駆け出した。
「お兄ちゃんをっ!」
再び蹴也は叫び、足を大きく振り上げた。
同時に肩にいた精霊キュウはその姿をはっきりと実体化させていた。
「お兄ちゃんをっ!」
自分と姉を守る成人の姿を見た蹴也は思ったのだ。
成人と同じ力を持つ自分ならば、
成人と同じようにこの化け物と戦えるのではないかと。
自分も何かを守る為に戦えるのではないかと。
「お兄ちゃんをっ!」
キュウは戦いたいと願う蹴也の意思に答えようと思った。
臆病なキュウにそう思わせるほどに蹴也の思いは強かったのだ。
「お兄ちゃんをっ!お兄ちゃんをっ!
初めてボクと秘密を共有できたお兄ちゃんをっ!」
キユウヨとはアルマジロのことである。
キュウは蹴也の前に飛び出すと、短い手足と頭、
尻尾を甲羅の中に収めると体を丸めその姿をまるで
ボールのように変化させた。
「お兄ちゃんをこれ以上いじめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
蹴也の足の甲がキュウを捕らえ、蹴也はキュウを蹴り上げた。
蹴也の放った強烈なシュートは鋭いドライブで綺麗な弧を描き、
成人の頭上から襲い掛かる蛇に突き刺さった。
精霊としての力の弱いキュウでもこの蛇を怯ませるには充分な一撃だった。
「キマイラ!!」
蹴也がつくってくれたチャンスを無駄にはできない。
成人はキマイラに渾身の霊力を注ぎ込んだ。
「グルオォォォォォォォォォォォォォォ!!」
キマイラは成人の霊力により巨大化した角を蛇の喉へと突き刺した。
軽い亀裂音を響かせながら蛇の体に無数の罅が走り、
そして蛇は粉々に砕け散ってしまった。
同時に鞠と蹴也の父親の姿をした男性も蛇と同様に砕け散った。
「………これは………鏡?」
砕けた蛇の破片を手にとった成人は呟いた。
そして成人は辺りを見渡した。
路地に設置されたミラーにこの付近の家々の窓………
「どうやらさっきの蛇の能力は鏡だったみたいですね。」
先ほどの蛇は自分の映る鏡の中に瞬時に移動でき、
また自分を映す鏡から飛び出すことができる。
鏡でなくても、多少風景を反射する窓などのガラスでも
鏡と同様にその中を移動できるようだ。
姿を消し、死角から襲ってきたあのトリッキーな動きのタネはこれだ。
さらにキマイラの漆黒の稲妻(ダークライトニング)を跳ね返したタネは、
鏡の特性である反射を利用したものだったのだろう。
「霊力が消えたところを見ると、
先ほどの蛇の持ち主はもう逃げてしまったようですね………」
成人はそう言うとキマイラを元の四体の精霊に戻し、その実体化を解除した。
そして成人は蹴也の下へ歩み寄った。
「さっきはありがとう。おかげで助かったよ。」
成人はそう言うと蹴也の小さな頭を撫でてやった。
「へへへっ!お兄ちゃんはボクの大事な秘密を共有した友達だもん。」
蹴也は嬉しそうに満面の笑みを顔に浮かべながら成人を見上げた。
そして成人は鞠のほうへ振り向いた。
鞠は蹴也がグリマーとしての能力を使ってしまったのを見て、
蹴也を守りきれず、最愛の弟を成人たちと同じ側に立たせてしまったことに
途方にくれていたが、成人の視線に気が付くとふと我に返り、
そして思わず一歩後退りしてしまった。
「っ!!………」
成人は何かを言おうとしていたが、
鞠が後退りしたのを見て言葉を濁らせ、一瞬だけその表情を曇らせた。
「………どこも怪我はないみたいだね。よかった。」
成人は笑顔でそう言うと鞠に背を向け、そして成人は去っていった。
そのときの笑顔は成人が始めて鞠に見せた笑顔と同じだった。
「っ!!」
鞠はそのときの笑顔を見て気が付いた。
自分は間違っていたと。
成人と同じ力を持つ弟を成人と同じ側の人間にしない為。
その考えが間違えだったのだ。
成人は何も変わっていない。
成人は成人のままだった。
そもそも成人の側などというものが存在しなかったのだ。
成人も多少変わった特技があるだけで、自分たちと何も変わらない、
自分と同じ人間なのだ。昔と変わらないあの笑顔を見て鞠は初めて気付き、
そして自分の勝手な偏見がどれほどひどい仕打ちとして
成人を傷つけていたかを鞠は気が付いてしまった。
鞠の足元に雫が垂れた。
「お姉ちゃん、雨降ってきたよ。
早く行かないとお父さん風邪引いちゃうよ。」
蹴也は姉の袖を引っ張った。
「………あ、うん。本当だね………」
鞠は空を見上げると小降りだが雨が降り始めていた。
「じゃあこの先のコンビニでビニール傘でも買わなきゃね………」
鞠はそう言うと制服のポケットから財布を取り出し中身を確認した。
そしてふとその動作を止めたと思うと、
鞠は財布からお金を取り出し蹴也に渡した。
「お姉ちゃん今日傘二本買える分しかお金持ってなかったから、
蹴也はこのお金でこの先のコンビニで自分とお父さんの傘を買って
先に行っててくれない?
お姉ちゃんは学校戻って折りたたみの傘を持ってくるから。」
「………うん。わかった。」
蹴也はそう言うとランドセルを頭に当て、てくてくと走っていった。
そんな蹴也の姿を見送ると、鞠も来た道を鞄を頭に当て逆走していった。
成人は雨に打たれながら一人歩いていた。
雨は小降りだったが、その一粒一粒が妙に冷たく感じられた。
そんなとき、成人に一本の薄い桃色の折り畳み傘が後ろから差し出された。
「………球種さん………」
振り向くとそこには鞠の姿があった。
肩で大きく息をしているところを見るとどうやら走ってきたようだ。
「………どうし………」
「わたしの家………ちょっと寄って行きなさいよ………怪我………
ほっといたらバイキン入っちゃうから………手当てしてあげるから………」
鞠は成人の言葉を遮り、そして成人の腕を掴むと強引に引っ張った。
「ちょっと………え………球種さん!?」
「うるさい!人を勝手に助けておいてさっさとどっか行っちゃうなんて………
少しはお礼ぐらいさせなさいよ!」
一つの傘の中で鞠は成人の腕を掴みながら競歩なみのスピードで歩き出し、
まるで引きずられるかのようにその後ろを成人がついて行く。
「それに目少し腫れていない?」
「っ!?そ、そんなわけ………そんなこといいから早く歩きなさいよ。
蹴也が待ってるんだから。」
ちなみに、鞠のポケットの中の財布には、
ちゃんと三人分のビニール傘を買うのに充分なほどのお金が入っていたのは
言うまでもないことだった。
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