シネマ覚書手帳 10/21up

「シネマ覚書手帳」


このページは映画館・ビデオにかかわらず、最近見た映画について、片っ端から記録していく予定です。

あなたの興味をひいたのは?
A・I / ダンサー・イン・ザ・ダーク / 千と千尋の神隠し



作品名:A・I
監督:S・スピルバーグ
出演:ハーレイ・J・オスメント/ジュード・ロウ他
製作年:2001年
ジャンル:SF


スタンリー・キューブリックが暖めていた企画を、スピルバーグが受け継いで実現した映画らしいが、なんかいろんなテーマと要素が無理に押し込まれいる感じでまとまりのない印象。どかんと心に衝撃を与えてくれるのを期待して行ったのだが、そういう理由でちょっと弱い。人類・愛情・ロボット社会…。もっと単純に描いたほうが純粋に楽しめた気もするが…。一方、ハーレイ・J・オスメントの演技はぞっとするほどうまかった。表情の微妙な変化をとても繊細に表現している。愛してほしくて人間になりたかったディビッドの想いが胸にいたい。同行したテルちゃん(夫)も、見所はそこだけかも、だって。私たちの間で、見終わったあと、それ以外にまったく感想を述べ合うことがなかったのが、何よりこの映画を物語っていた。そうそう、一番あたしがはまったのは、なんといってもジュード・ロウ。キメしぐさの一つ一つにうっとりしちゃった。ファイナルカット、見てみようかなあ。

スリル  ☆☆
泣ける  ☆☆☆
ドキドキ ☆☆
満足度  ☆☆☆



作品名:ダンサー・イン・ザ・ダーク
監督:ラース・フォン・トリア
出演:ビョーク/カトリーヌ・ドヌープ/デイビッド・モース/ピーター・ストーメア/ジョエル・グレイ
製作年:2000年
ジャンル:人間ドラマ?
受賞歴:カンヌパルムドール主演女優賞


ビョークの歌声がすごい。私はこの映画で、はじめてビョークのビジュアルを見た。あんなにちっこかったとは。指先もまるで子供のようだ。丸いかわいい小さな爪だし。それがアップで映るたび、妙なエロさを放っている。
特筆すべきはミュージカルシーン。歌が好きだという純粋な想いが、全身から強いオーラとなって周囲に光線を放っているような…全編を通して繰り返される、そんなミュージカルシーンにむちゃくちゃ感動。彼女がただ歌いはじめるだけで、あたしは涙でぐしゃぐちゃに。そのビョーク演ずる母親が、あまりにもハマリすぎてて怖いくらい。自分の病気が息子に遺伝すると知りながら、彼を産んだ母セルマ。彼女はすでに満たされており、息子の眼の治療のためなら、自分の命もかえりみない。そんな強さと不器用な生き方も印象的。見ている者をやりきれない思いにさせながらも、母セルマ(ビョーク)の決意があまりにもきっぱりしているために、すがすがしさすら感じさせる。感情移入しすぎると、辛いだけの映画になるので、お気に入りの茶碗に手がひっかかって、あ、割れちゃったという気持ちで見ることをオススメしたい。

スリル  ☆☆☆☆
泣ける  ☆☆☆☆☆
ドキドキ ☆☆☆
満足度  ☆☆☆☆☆



作品名:千と千尋の神隠し
監督:宮崎駿
声:柊 留美/入野自由/夏木マリ/内藤剛志/沢口康子/小野武彦/我修院達也/神木隆之介/菅原文太
製作年:2001年
ジャンル:ファンタジー


宮崎駿監督は、どうしてあんなにもシンの強い、かっこいい女の子を描けるのであろう。ちっちゃくて、誰かに守られなくちゃ生きて行けない頼りない少女が、あるときを境に、強い意志を持つ澄んだ瞳の少女に変わる。それはまるでさなぎが羽化し蝶へと変体したかのよう。彼女はもう、自分の足で地面に立てる。やるべきことを、最後までやり、決して途中であきらめない。自分の中の真実を頼りに、ひたすらにつきすすむその姿は、純粋でまっすぐだ。そんな彼女に物語の登場人物たちは、次第に心をうごかされてゆく。いろんなことに流されまくっている私。千尋のきっぱりした態度が、妙に心に染みたなあ…。ちなみにこれはテルちゃん(夫)と朝っぱらから大喧嘩して、一人で見に行った映画である。もういっかい、今度は一緒に行きたいなあ。

スリル  ☆☆☆☆
泣ける  ☆☆☆
ドキドキ ☆☆☆☆
満足度  ☆☆☆☆☆




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